第10話 魔王


 俺、カッペイ、シオリ、クオン、ネアと騎士5人。10名で挑む魔王城。

途中で馬車を繋いで歩いていく。

 意外と静かだなと思ったら魔王城の周りで固まっていた。

「テンペスト」

「ライトニングサンダー」

 広範囲魔法を放つと固まりが一気に霧散するとでかいのが出てくる。

「ハハッ!でかいのがいるぞ!」

「魔法で焼き殺そうか!インフェルノ」

 業火が辺りを焼き尽くす。残っているのは傷を負った3人の騎士だった。

「なぜそこまでして!」

「そりゃ、ここまできて逃げることはしないだろ?待っててよ!神速一閃!」

 3人一気に倒すと、虹玉が3個限界突破かよ!収納に入れて戻ると、

「チート力が増してない?」

「ひでぇ!一瞬で逝ったし!」

「でもこれで魔王までの道が開けたな!いくぞ!」

「「「「おう」」」」

 走っていくとまだ残ってるのかと思うほど魔族がいるが、

「我ら騎士団が相手だ!」

「みんなは先に」

「おう!こんなとこで死ぬなよ!」

「「「「「おう」」」」」

 騎士5人が残って戦ってくれている。

 前だけ見て走ればいい!

「魔王!」

「よくここまできたな!」

 思ったより若いな。

「なぜ人間を皆殺しなんかにしたがるのだ!」

「お前たちが邪魔だからに決まっておろう!」

 カッペイの聖剣と魔王の剣がぶつかる。

「お前たちだって魔族を消し去りたいんだろ?」

「それは」

「それは詭弁だ!どっちかが滅びるしかない運命なら人間だって魔族を滅ぼすしかないだろ!」

「くそ!口の達者な奴がいるようだな!」

「カッペイ惑わされるな!」

「わかってるよ!ここまできたんだ!」

「魔道砲!」

 魔王が極太のレーザーを放つが、

「シャイニングバースト!」

 クオンが同じくらいでかいレーザーで打ち消す。

「クッ!同じか!」

「ふざけんな!同じなわけないだろ!こっちは必死にレベル上げしてきたんだ!」

「女神の微笑み!」

 シオリがバフをカッペイにかける。

「いけ!カッペイ!」

「ウオオオオォォォォ!」

「ヌッグッグアァァアァ」

「カッペイ!」

「くそ!やるしかないのか!」

「退けっ!カッペイ!」

「ハル!」

「お前にだけ背負わせるわけにはいかないだろ!」

「ハルゥゥ!」

 カッペイが叫ぶが俺は力を込める!

「ヌオォォォ!」

「ガッハッ!!」

「ブレイブブレード!!」

 俺の手を握って発動される勇者の力。

「カッペイ!」

「俺だって勇者だぁぁぁあぁ!」

「グアァァアァ」

 魔王の胸の核が割れて霧散すると魔王は消えていく。

「俺らで倒した!覚えとけよ」

「…」


 騎士5人が怪我をおしてでもようやく辿り着いた頃には魔王はいなくなっていた。

「俺らの勝利だ!」

「「「「「ウオオオオォォォォ」」」」」


 良かった、ようやく帰れるのか。

 ってどうやって?

「おい!どうやって帰るんだよ!」

「そ、それは私にも分かりません」

「あったぞ!帰還石ってのが!」

「よっしゃ!」

「やったな!」


 使い方はわかる鑑定があるからな。

「みんな手をのせてくれ」

「「「おう」」」

「帰るぞ日本に!」

「あぁ!」

「やーっとだね」

「帰ろう」

「私も」

「「「「はぁ?」」」」

 “パシュン”


 眩い光に包まれて日本に帰ってきた俺たち四人と一人はコンビニの前の駐車場にいた。


「おい。どうすんだよこれ」

「あーしはしらない」

「俺も!」

「そういう時だけ大人扱いやめてくれない?」

「へぇ、ここがみんなの世界か!」

「マジ何してくれてんの?大団円でよかったのに!」

「ほんとわかってないじゃん!」

「いや、まじで邪魔でしかない!」

「ネア!お前なんでこっちきたんだよ!」

「えへ!着いてきたくて」

「えへじゃねーし!」

「てか、ちょい待ち!すげぇ目立ってる!」

「あ!俺らこの格好じゃね?」

 俺たちはこんな格好で街中に出てしまったのだそりゃみんな引くわな!

「スマホこっちにむけるな!」

「早く行こう!とりあえずは俺の家に行くぞ!」

「「「「おう」」」」

 走ると体が軽い?何故だ?

「なぁ。なんか変じゃね?」

「だよな!俺も思った」

「あーしらやべーかも」

「いや、とりあえず急ぐぞ!」

 俺の家は両親を亡くしてから俺一人で住んでいる。

「か、鍵!でたし!」

 収納に入れてた鍵が出た。

「うお!」

「まじかよ」

 玄関の鍵を開けて中に入ると埃がすごいな。とりあえず、

「窓を全部開けてくれ」

「「「了解」」」

「いや、待て、クリーン!」

「は?」

「やっぱり」

「これって」

「???」

「落ち着けよ、お前らとりあえず着替えるぞ、シオリはあっちの部屋使ってくれ、でリビング集合な」

「「「おう」」」


 とりあえずスウェットに着替える。他二人もそうだ。

「ふう」

「おう。とりあえず座ろうか」

「だな」

「いい部屋住んでるね」

「お前はしゃべるな」

「なーんでよ」

「「「はぁ」」」

「着替えてきた」

 全員がスウェット上下だ。

「「「「はぁ」」」」

「はい!」

「なに?」

「なんで私はきちゃいけないの?」

「はぁ、違う世界の人間だしあっちと違ってこっちは全員管理されてるの!」

「え!マジで?そんなことできるの?」

「「「「できるの!」」」」

「やっちゃった?」

 みんなで頷く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る