第9話 周回


 あれから三日経って、俺たちだけで余裕でレッドドラゴンを倒せるまでになった。

「どうする?なんならもう一周回るか?」

「それでもいいけどどうします?」

「分かったもう一度行こう」

「はーい!」

 もう一度回ってレッドドラゴンを倒したら今度は虹の玉が出た?鑑定、限界突破。

「カッペイ、あれ使いなよ」

「あれなんだったの?」

「限界突破だってさ、そろそろだろ?」

「おう!使うぜ!」

 カッペイは限界突破を使うとまた一段と強くなったような気がした。

「これいいぞ!みんなの分取れるまで周回しようぜ!」

「「「おう」」」

 あとレッドドラゴンの皮がドロップしてたのでまた防具屋に作りに行って鎧や胸当てを調達しないとな。


 とそんな時だった。

 ちょうどダンジョンから出ると北の方から魔族が襲撃してきたのは。

「うお!なんだあれ!」

「ま、魔族だ!先にこっちに仕掛けてくるなんて!」

「んじゃ倒す相手じゃね?」

「なんだ!行く手間省けたじゃん!」

「みんな気を抜くなよ!」

「「「おう」」」

「ライトニングサンダー」

 俺が広範囲魔法を放つと魔族がどんどん倒れて行く。

「ブレイブスラッシュ」

 カッペイの広範囲攻撃でもどんどん倒れて行く。

「テンペスト」

 クオンが広範囲魔法を唱えると大半が巻き込まれて、魔族側は死屍累々。

 それでも起き上がってくる奴がいた。

 これを率いる隊長だろうか?もうボロボロの体でそれでもなお戦おうとしている。

「おい。逃してやるから逃げろ!」

「それは出来んな!この世から人間を無くすまでは!」

「く、くそ!」

 俺は背後にまわって首を落とした。

「虹の玉だ。限界突破だからクオンが使うといい」

「なんで殺したんだ?」

「もう限界だっただろ?」

「汚い役目は俺がやる!大人だからな」

「…クソッ!」

「ほら、使え」

「…あぁ」

 クオンは使って限界突破を手に入れた。

 だが何か思うことがあるのだろう。

 その日の夜は久しぶりに一人酒だった。


「よっしゃ!気合い入れていくぞ!」

「「「おお!」」」

「昨日はごめん」

「気にすんな」

 と頭に手をやる。

「何回でもまわってやるからな!」

 3周して虹の玉は一個出たのでシオリに渡す。

「あとラスト一個!」

「おいおい、俺はいらないぞ?」

「いや!仲間だからな!」

「あーしもそう思うからまた明日周るから!」

「俺らだけってなんかもったいないんじゃね?」

「お、おう。んじゃまた明日だな」

 まぁ、ステータスは、

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 栗原 晴クリハラハル  35歳

 レベル99 職業 忍者 錬金術師

 スキル 抽選 ショップ 収納 鑑定 怪力 生活魔法 忍法 錬金術 付与術 8大魔法(火、水、土、風、雷、氷、闇、光) バフ・デバフ魔法 回復魔法 危機察知 気配探知 短剣術極 中級剣術

 ユニーク ボックス 異世界言語

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 まぁ、スキルだけが抽選で出てくるわけはないのだがスキルに偏りすぎてる気がするな。


 今日の抽選は忍刀・桜吹雪だったので使う事にした。

 今日は2周目で虹玉が出て使うとこうなった。

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 栗原 晴クリハラハル  35歳

 レベル129 職業 忍者 錬金術師

 スキル 抽選 ショップ 収納 鑑定 怪力 生活魔法 忍法 錬金術 付与術 8大魔法(火、水、土、風、雷、氷、闇、光) バフ・デバフ魔法 回復魔法 危機察知 気配探知 短剣術極 中級剣術

 ユニーク ボックス 異世界言語 限界突破

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 急なレベルアップは体をおかしくするぞ?

「よし!魔王を倒しに行こう!」

「いやまてよ。勝てるだろうけど急ぎすぎ」

「そうそう、今日は休んで明日出発でいーっしょ!」

「だな!王にはそうお伝えください」

「はい!討伐には我々も同行するんで!」

「あ、はい」

「もちろん私もね」

 ネアさんも?

「だめ?」

「危ないですよ?」

「大丈夫!みんなの最後を見届けたいだけだからさ」

「よし!んじゃ、今日は…何にしようかな」

「あははは、もう食べ尽くしたもんな」

「丼で!」

「いいね!」

「カツ丼にしようかなぁ」

「私もお呼ばれしてもいい?」

「いいですよ!みんなで食べましょう」

「わ、我々もいいですか?」

「やっとですか!まってましたよ!」

「あ、ありがとうございます」

 涙を流してる騎士もいる。

「俺たち仲間なんだからさ!」

「だねー」


 その日は錆猫亭を貸切にして飲めや騒げの大盤振る舞いだった。みんな大切なものがあるのだ。明日から最後の仕上げだからな。


 翌日の抽選は拳士だった。今頃?

 そして馬車に乗り魔王の住む城まで向かう。一週間はかかる道中だ。みんな昨日は飲んで騒いだ仲間だから楽しく旅路は進む。


「とまれ!いい馬車だな!俺らにくれよ」

「盗賊如きがいい度胸だな!剣の錆にもならんが斬ってくれよう!」

 しょうがないなぁ!

「我らだけで十分です」

 と騎士5人で戦い勝ってきた。

 怪我をしてるのでシオリと二人で回復魔法をかけてやる。

 やっぱり騎士として戦いたいんだなぁと思った。

 道中はそんなところかな?野営して最短距離で魔王城へ向かう。

 だんだん荒野になってきていよいよ決戦の時だ。

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