第8話 攻略


「オラァ!」

 カッペイがモンスターを一刀両断する。

「ナイスカッペイ!」

「おう!」

 ダンジョンも47階層まで来た。

 罠はたくさんあるが全てネアさんの指示で動いてるから大丈夫だ。

 まぁネアさんが真剣にみてるから進むのは遅くなって来てはいるがね。

 レベルもだいぶ上がっている!


 だが真剣にしているネアさんの後ろで騒ぐようなバカはみんなしない。ようやく48階層、メタルリザードだ。倒すとたまに耐性の指輪が手に入る。

「ファイヤーフレイム」

“ジュワッ”と言う音と共にメタルリザードは消える。

 49階層、なんとかここまで来れた。

デビルボアが突進してくるがやはりモンスターに罠は反応しないみたいだ。

「ウオオォォ!」

「おりゃ!」

 カッペイが抑えてる中で首を斬って消滅させる。

 するとようやく次の階層の階段が見えた。

 50階層、ボス部屋。

 レッドドラゴンだ。

 炎のブレスを吐くのでウォーターシールドでガードする。

「ウオオォォ!」

「それ!」

「ウォーターカッター」

 こっちも総力戦だ!

 怪我をしてもシオリが治してくれるので助かる。

 最後はカッペイが首を斬り落として消えていった。

 ドロップはフレイムベルジュと言う剣と魔石。宝箱はネアさんが開け。金貨100枚だった。

「お疲れ」

「おーつかれ、疲れた」

「ドラゴンはパネェな」

「これより魔王が強いんだろ?」

「いけるのかよ?」

「まぁ、なんとかなるっしょ」

 先に進むとダンジョンコアがあり、それに触って外に出る。

「うおー!外だ!」

「日の光が眩しー」

「ほんとだね立ちくらみしちゃうよ」

「だな!ほんと疲れたわ」

「ネアさんもありがとうございます」

「「「ありがとうございます」」」

「いやぁ。てかこの寝袋ってもらっていいの?」

「はい、いいですよ」

「やりぃ!」

「んでこれからどうすんの?」

 騎士に聞くカッペイ、

「明日は休みにして明後日からここの周回をしてレベルアップしてもらいます」

「周回かぁ、まぁいいけど」

「ん?んじゃネアさんも?」

「もちろん一緒だよ」

「良かった」

「あはは。こんなところで置いてかないよ」

「うっす!」

「じゃあ今日はもう?」

「はい解散です」

「よーし!今日はモクドの気分だ」

「ジャンキーな気分だね」

「それよりピザ食べたい!」

「おっいいね!モクドやめてピザで!」

「私も食べたい!」

「んじゃネアさんも一緒で」

「よし帰ろー」

「「「「おおー」」」」


 みんなで俺の部屋に集まってピザを食べる。

「んんー!美味い!」

「うめぇなぁ。やっぱハルがいなかったらきつかったよ」

「だねー」

「ほんとそれ!」

「ハルはどう言う関係なの?」

「んー、仲間?」

「だね」

「こっち来てから知り合ったけどね」

「そうなんだ!」

「あはは、巻き込まれて召喚されたからね」

「で一番チート!」

「「「あははは」」」

 チートとはイカサマとか不正行為をして強くなるみたいな意味らしい。

 別に不正は働いてないけどな。


 2日かけてダンジョンを攻略したけど今度は30階層から始めるらしいから1日がかりだな。

 みんながピザと話に夢中だからビールを飲みながら抽選を行う。

 『危機察知』と言うのが出た。これはいいんじゃないかな?

「ピザお代わり!」

「次は変わり種か、四種のやつにしようか」

「んじゃ四種のやつで!」

 はいよっと!

「マジで、神だから!」

「そのスキルがあっちでも使えたらやばいよね!」

「あ、わかる」

 使えたらいいなぁ!

 どうせつかえなくなるなら高い物…買ってもしょうがないからいいや。

「ビールお代わり」

「はいよ」

「いいよな!大人は酒飲めて!」

「あはは、大人になったらわかるけどまぁ、良いもんだよ」

「あははは、何それ!みんなもう大人でしょ?」

「あっちじゃまだ子供だよ?」

「え?いくつから大人?」

「20歳からだよ」

「えー!それまでは?」

「学校だよ?」

「そんな世界があるんだ!」

 だから本当はこんなことさせたくないんだがな。

「じゃあ。こっちでも飲んじゃダメだね」

「まぁ、飲ませてもらったことあるけど不味いからいいや」

「あーしも!だったら他のジュースがいいもん」

「だな!」

「コーラ最高!」

「「イェイ」」

「あははは、そうだな、それが一番いいよ」

 ビールを一口飲むとそれが一番だと思う。


 それからみんな帰り俺だけになると錬金術でポーションを作る。まぁ。あって損にはならないしな。

 翌朝は起きてすぐに抽選すると『鑑定』が手に入った。

 みんな欲しがってたやつだな。

「っといけない遅れちゃうな」

 と着替えて外に出る。

 みんなぐっすり寝たようだな。

「それでは出発する」

 騎士が前を歩くのは行く時だけだ。

 ネアにもポーションを渡しとく。

「おっ!ありがとー!」

「ハルはまた寝不足?」

「あはは、ぐっすり寝たよ」

「まーた、どうせ錬金術でポーション作ってたんだろ?」

「まぁ、少しだけな」

「ちゃんと寝ないとうっかり罠踏んじまうぞ?」

「あははは、流石にそんな寝不足じゃないよ」 

 まぁ、おっさんはこれが普通なんだよな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る