第5話 赤・青・ピンク


「よし!いっくぞー!」

 髪が赤いカッペイに青く染めたクオン。

「凄いね」

「なにが?」

「みんなカラフルな頭だ」

「まーね!」

「あはは、校則で決まってたからな。茶髪はオッケーだけど色は禁止って」

「そうなんだよね!なんでカラーはダメなのかよくわかんなかったけどこれ目立つね」

「あははは、すぐにわかっていいけどね」


「オーガも弱くなってきたな!」

「まぁ、こんだけ狩ればね」

「待て!でかいのが来るぞ!」

『ウゴオオオォォー』

 またでかいオーガをさらに一回りデカくした様なオーガだな。

「あれはオーガウォーリアです!勇者様達!退避を!」

 騎士が叫ぶがもう遅い!

「こっちにむかってきてるっーの!」

「ブレイブスマッシュ」

「ファイヤーストーム」

「首がお留守ですよっと」

 二人が前に引きつけてくれるからできる芸当だ。首を掻っ切る。

『ウゴッ』

「よし!ハルナイス!」

「まだだ!ウインドカッター」

「火遁!業火球!」

“ズ、ズズン”と倒れるオーガウォーリア!

 収納に入れると、

「マジ収納いいなぁ!」

「本当にそう思うくらいチートだよ」

「あーしこそ欲しいのに!」

「あはは、いいでしょ?」

「くっ!グーの音も出ねえ」

「ちっくしょー」


 あっそう言えば今日のくじ引きをやってなかったですね。

「付与術?」

 付与することのできるのは、おっ収納がありますね。これをバッグなんかに付与できればいいんじゃないですか?

「カッペイ君、ちょっといいですか?」

「ん?なに?」

「バッグを貸してください」

「あぁ、いいよ!」

 俺は収納を付与すると、

「あ、おお、なるほど、こうなりますか」

「なんだよ?、どうなって…うお!なんだこりゃ!」

「なになに!どうしたの?」

「またハルのチートが!」

「どうした?って、はあ?凄くねえ?」

 バッグがマジックがバッグとでも言えばいいんでしょうか、いっぱい入る様になりましたね。

「あーしのもっていうかもっと可愛いやつがいい!」

「俺もこんなでかいのじゃなくて!」

「俺も俺も!」

「はいはい、また夜ですね!」


 夜になるとみんな集まる様になってきたな。

「これかっこよくね?」

「俺はこっちだな!」

「あーしも見たいんだから早くしてよね」

 俺はカッペイとクオンに挟まれながら画面を見ている。こう見ると親と息子に見えるのかな?と言うか俺も欲しくなってきましたね。

「じゃあ俺はこれでっと」

「収納持ってるからいいじゃん!」

「いや見てるとカッコ良くてね」

「あはは、わかるし」

「最後カッペイが決まってないじゃん」

「あー迷う」

「どれとどれですか?」

「こっちかこれ」

「じゃー両方買いましょう」

「金持ちはちがうぞ!」

「おい!金持ちハルが出てるぞ!」

「じゃーあーし三つ買ってもらお!」

「待て待て、一人二つまでね」

「やりぃ!俺もこれ狙ってたんだよね」

「クオン、被りかよ」

「いいだろ?」

「まぁいいけどな!」

 と楽しくすぎる夜だった。


 そろそろ来るかなぁと思ったらやっぱり、2度あることは3度あるですよね。

「ハルエモン、またきてるぞ?」

「朝からですか?どうしましたって聞くのもあれですね」

「姫様に取られましたぁー!!」

「お金はちゃんともらってるんですか?」

「献上しろと言われて」

「少し文句を言いに行きますか?」

「だな!」

「可哀想だし!」

「王城に行こうか!」

 と四人で乗り込もうとしたところで騎士に止められるが、

「あ、あまり横暴な振る舞いは」

「横暴なのはあっちです。ちゃんと対価を支払ってもらいますから」

「は、はい」

 渋々ついてくる騎士とウォンさん。


「お久しぶりですね」

「おお、これは勇者殿たちと誰じゃ!」

「はぁ、一緒に召喚されたハルだよ!」

「おお、一人おったな」

「で、ですね!王妃様がつけてるネックレスは私が売ったものになります」

「え!貴方が?」

「はい!それも金貨10000枚で!」

「そ、それがどうかしたのかしら?」

「対価を支払ってあげてくれればこちらも喜んで差し上げますが献上すると言うのはいささか横暴ではないですか?」

「な、なに!お前は私にそんな口を聞けるのか!」

「そうですね!カッペイ君はどう思う?」

「あー、そんな態度だと魔王討伐に力はいんねーかもなー」

「なっ!」

「クオン君もそうですよね?」

「辞めちゃおっかなー」

「クッ!わ、分かりました!キチンとした対価を支払いましょう」

「よし!」

「その代わりどこで手に入れたかを教えなさい」

「私のスキルですがなにか?」

「な!なぜそのようなスキルを貴方が?」

「さぁ?そこまでは分かりませんけどスキルですね」

「分かりました。これ、対価を支払って差し上げなさい」

「ありがとうございます」


 と言うことで金貨20000枚戻ってきたウォンさんは二つもネックレスを買った。一つ取られてもいい様にと。

「ありがとうございました!」

「いえいえ、しかし、困りましたね」

「え?」

「王妃に姫ですか?ちょっと金遣いが荒くないですか?」

「そうだよな!俺たちには金なんか少ししか出してないんじゃないか?」

「あーしも思った!」

「これは直談判ですね」

「お、お待ちを!」

 騎士が言うには本当に財政はいっぱいいっぱいであることと、あまりわがままを言わないのに今回はあれだけのネックレスを欲しがるのも無理はないとのことだった。

「ふぅー、まぁ、それだけ言うならそうなんでしょう」

「まぁ、欲しくなる気持ちも分からなくないわね」

「んじゃいつも通りに行こうか!」

「金は結局ハルが持ってるんだしいいか!」

「ですね」

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