第4話 金持ち



 翌朝の抽選で当たったのは『錬金術師』だった、また特殊なのが当たってしまったな。

 まぁいいでしょう。

 さてと、では商業ギルドに行きますか。

「ってついてくるんですか?」

「当たり前じゃん」

「見てみたいしね」

「いくらになるのかな?」

「あはは。では行きますか」

 商業ギルドに着くとそのまま商談室に通される。

「来てくれたんですね!ありがとうございます」

「こちらがその品になります」

 そのまま渡すと蓋を開く。

「お、おぉ!これも素晴らしい!このキラキラが私を虜にしてしまうぅ!」

「あはは、喜んでくれてよかったです」

「では、代金はまた同じ額で」

「はい!」

「もう用意してありますのでお納めください」

「「「おおぉ!!」」」

「金貨10000枚です」

「「「おおぉぉー!」」」

 カッペイたちもビックリしてる。

 収納にしまうとウォンさんと握手をして別れる。

「凄いね!」

「あれで金貨10000枚かぁ!」

「金貨10000枚の価値っていくらくらい?」

「銀貨1枚3,000円としたら3000万くらいですかね」

「うぉ!パネェ!マジ金持ちじゃん!」

「おし!奢ってもらおう!」

「いいよ!いくらでも」

「いぇーい!俺もアクセ見てたら欲しくなった!」

「それ分かる!」

「あははは、今日の夜だな」

「よし!今日も頑張っぞ!」

「「「おおー」」」

 騎士団のみんなは外で待っていたみたいだ。

「クリハラ様は商業ギルドも登録してるんですか?」

「はい!これでもランクSなんですよ?」

「ま、まことですか!これは本当に失礼を」

「いいですから」

「そうそう、ハルは優しくてよかったね」

「あはは」


 また山の中に入りゴブリンやオークを倒していく。

「てやぁ!」

 ゴブリンが倒れる。

「この辺はもう卒業して他の森に行かないか?」

「だな。もうそろそろレベルも上がりにくくなってきたし!」

 今のステータスが

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 栗原 晴クリハラハル  35歳

 レベル15 職業 忍者 錬金術師

 スキル 抽選 ショップ 収納 生活魔法 忍法 錬金術

 ユニーク ボックス 異世界言語

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「騎士さんはどう思いますか?」

「はい、大丈夫だと思いますが次ですとオーガの森になります。だいぶ強くなりますよ?」

「そうなんですか、どうしましょうね?」

「えー、行こうぜハル!」

「まぁ、見にいくだけでもしましょうか?」

「よし!んじゃ。いくぞ!」


 オーガの森はさらに鬱蒼としているな。

「来たぞ!」

「よしこい!」

「大きいな」

「でかっ!」

 オーガはデカくて筋骨隆々としている鬼だ。

「せやぁ!」

「っと!おらぁ!」

「よっと!」

 二人が注意を惹きつけてる間に後ろに回って首を斬る。

『ウゴっ』

「トドメだ!」

“ズズン”と倒れたオーガを収納する。

「おっレベル上がったぞ!」

「あ、あーしも!」

「ここででもいけますね!」

「よしもっとレベル上げるぞ!」

 それから散策しながらオーガを狩っていく。

 やはりでかいのでそれだけ倒しにくい。

「今日はこの辺で」

『ウガァアァ』

「キャアァァァァ」

「な!後ろからかよ!」

「火遁!業火球!」

『ウゴオオオォォ』

「どおりゃ」

「ナイスハル!」

「ウエーん怖かったよー」

「よしよし、もう大丈夫ですからね」

「後ろも気をつけないとな!」

 後ろにいた騎士は何人か怪我をしている。

「さ、聖女の出番ですよ!」

「うん!エリアヒール」

 騎士達の傷が癒えると礼を言われて照れるシオリ、カッペイが騎士にもうちょっと頑張れよと言っている。まぁ、騎士も不意打ちでやられたんだからしょうがないだろう。


 夜になると3人が集まってきて寝巻きやアクセを欲しがるので買っていく。どうせ泡銭だしな。

「やっぱ寝る時はスウェットだよな」

「そうそう、これじゃないとね」

「あはは、こっちの服はあまりでしたか?」

「上等な生地なんだろうけどなんか違うんだよな!」

「わかるわかる!やっぱ部屋着はスウェットだな」

「はい、男子はこれで終了!」

「はいはい、じゃーまた明日な!」

「おやすみハル、シオリ」

「「おやすみー」」

 出ていく二人を他所に、

「よし!ごめんねハル!下着を買いたいからさ」

「分かってますよ、好きなだけ選んでくださいね」

「よっしゃー!ってもそんなに持っていけないからちょっと選ぶね」

「どーぞ」と言って後ろを向く。

「よしありがとう!あとカラー剤もいい?」

「いいですけど?」

「へへ、どうせなら派手な色にしよっと!」

「あはは、みんなしたくなりそうですね」

「ハルもしたら?」

「俺には似合わないですよ」

「そうかな?まあ、茶髪くらいがちょうどいいかもね?あーしが染めてあげるよ」

「ほんとですか?ありがとうございます」


 茶髪になった俺を鏡で見る。

 まぁ、あまりかわらないが少し若返ったかな?

「似合うじゃん!いい、いい!」

「あはは、ありがとう」


 次の日のシオリは頭がピンクになっていた。

「似合うでしょ?」

「ずっけーぞ!ひとりだけ!てかハルも染めてるじゃん」

「二人だけなのは許せない!俺たちも!」

「今日の夜まで我慢だね」

 しょうがないと二人はプンプンしながらオーガに向かって行く。

 俺とシオリはちょっと鼻が高くなってしまったかな?

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