第3話 若者


 錆猫亭では一人部屋が四つ埋まった。

「んじゃカンパーイ」

「「「乾杯」」」

「やっぱり吉牛だよな!」

「特盛って食い過ぎじゃね?」

「いいんだよ!それだけ動いてるんだから」

「まあね、それよりショップはすごいね!」

「あはは、それのおかげでお金儲けちゃいましたしね」

「すげーよね!金貨10000枚って!」

「ですよね!あれはたまげた」

「たまげたって!ハルはおっさんだな」

「あはは、そりゃおっさんだしね」

 と夕飯は俺の部屋でとっている。

「でも1日一回できるんでしょ?それ最強じゃね?」

「最強も最強でしょ!俺らなんて戦うだけだからね」

「いやそれもすごいよ」

「あはは、そう言ってくれると頑張るかいがあるね」

 と言って牛丼をかっこんでるのはカッペイ。

「でもさ、帰れればいいけどな!」

「そうだね」

「まぁ、信じて魔王を倒すしかないっしょ!」

「だな!」

「まぁ仲間も増えたしガンバンぞ!」

「「「おおー」」」


 と夜は楽しく過ぎていった。


 翌日はみんなの前で抽選会だ。

「いいのこい!」

「戦えるやつがいいんじゃね?」

「まぁね!そしたらハル最強じゃん」

「よしこれで」

 ガチャ玉を開けると、『忍者』?

「当たりじゃんか」

「戦えるね」

「あーぁ、あーしと隠れてようって言ったのに」

「あはは、でもレベル1ですからね」

「ステータス見てみる?」

「そうだよ!見てみなよ」

「オープンって言ったらみんなに見えるからね」

「ステータスオープン」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 栗原 晴クリハラハル  35歳

 レベル1 職業 忍者

 スキル 抽選 ショップ 収納 生活魔法 忍法

 ユニーク ボックス 異世界言語

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 おお!忍法が使える様になってる。


「すげえな、ショップに収納に忍者かよ」

「なんでもできるな」

「よし!でもこれでいけるな!」

「あっ!武器がないんで買いますね」

「おお!それも買えるのかよ!」

「あはは、忍者って言えば短剣かなっ?て思ってダガーなら売ってると思うんで。

 とダガーを見ていると結構かっこいいんだな!

 決めたのはダマスカス鋼のかっこいいダガーを二つだ。

 それを付けてよし!

「おっ!ハルかっこいいじゃん」

「そうですか?」

「似合ってるよ」

「んじゃいくか!」

 外に出るともう騎士が5人いた。

「んじゃいきますか!」

「はい!」

 門の外に出るとドキドキしてきた。

「ハル、あんまり固くならないでいいからな!」

「そうそう!」

「俺らもいるし」

「はい!」


 そこから山道に入っていく。

「来るぞ!」

『グギャ』

「ゴブリンなんて敵じゃねえよ!」

「凄いですね!」

「こんなん雑魚だから今度はハルもやってみるか!」

「はい」


「ハル来るぞー」

「はい!」

 ダガーを二つ持って、ゴブリンの後ろに行くとするりといけたので首を斬り落とす。

「すげー!なんだ今の!」

「ハルすげーぞ」

「いやぁ!ビックリしたわ」

 自分でもビックリしていた。

「よし!ハルも戦えるねって分かったから頑張ってレベル上げだな」

「「「おぉー」」」


 騎士も口を開けてビックリしていたな!

 よしこの調子で行こう。


「ハル頼む」

「はい!火遁の術、業火球!」

「よし!こっちは終わったな!」

 今日はこの辺でいいらしい。

「忍法も使えるってヤバない?」

「やばいやばい!」

「まじでチートだよ」

「あはは。チート?ってやつですか!」

「そうそう!」

 四人で笑っていると騎士の一人が来て、頭を下げる。

「申し訳ありませんでした。私は貴方をちゃんと見ていなかった」

「あははいいですよ。おじさんですからね」

「いえ、それどころか馬鹿にしていた自分が情けない」

「馬鹿にするのはあれですけど、まぁ、許しますよ」

「ありがとうございます」

 騎士は頭を上げると皆の元に戻っていった。

「ハル大丈夫か?」

「怒ってもいいんだぞ?」

「そうだよー」

「いいんだ。間違いは誰にでもあるからね」

「優しいなぁ、ハルは」

「まぁ、これくらいで怒ってたらしょうがないですからね」

 と、俺は思う。んで帰る時もみんなで楽しく狩りをしながら帰る。

「では私達はこれで!」

「お疲れ様でした」

「じゃーねー」

 騎士達と別れて錆猫亭に入ると商業ギルドのギルド長、確かウォンさんだったかな?が来ていた。

「助けてください!ハルさん」

「どうしたんですか?」

「これが私の大事なコレクションにしようとしたら何故か王妃が知っていて献上しろと」

「あ、あぁ。あのジルコニアのネックレスですか?」

「そうなんです」

 泣いているウォンさんは本当に悲しそうだったので。

「分かりました同じものではないですがまた一品明日持っていきますよ」

「本当ですか!ありがとうございます」

 頭を下げるウォンさんに頭を上げさせて帰らせる。


「何売ったの?」

「ジルコニアのネックレス」

「あぁ、それはバレたら取られるわね」

「そんなもんですかね?」

「そりゃジルコニアだって凄いキラキラして綺麗じゃない」

「まぁ、そうでしたね」

「あーしにも選ばせてよ」

「いいですよ」


 それからお買い物タイムで二人で選んで買う。お礼で何か買いますか?と聞いたらまた今度でいいと言っていた。

 見た目より全然いい子達で俺の目はやっぱりスリガラスでも付けていた様だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る