第13話 魔導書
前線の中央で部長と2人話をする。
「お、お前が持ってる帰還の魔導書は使えるのか?」
「まだだな、レベル上げないと使えないらしい」
「そ、そうか、でもそれをお前が使える様になれば俺らも」
「は?何言ってるんだ?自分で帰り方を探せよ」
「な、なんでそんなこと言うんだ!仲間だろ!」
「仲間はいじめなんかしないだろ?」
「俺たちはいじめなんか」
「見てるだけでもいじめだよ」
「わ、分かったあいつら3人には俺が謝らせるから」
「別に要らないから」
「じゃあどうすれば」
「それは自分で考えなよ?だから帰還の魔導書がまだあるかをまずは王様に聞くとかさぁ」
「そ、そうだな!よし!そうしよう」
「分かったら帰ったほうがいいよ?攻撃されるから」
「ちょっと待て!なんでお前はそっちにいるんだ?」
「ん?成り行きで?」
「お前こっちには帰らないつもりか?」
「さぁ?風まかせだ」
「おい!待てよ!く。くそ!」
俺が歩いて帰って行くと部長は走って戻って行った。
「なんだ?仲間割れか?」
「だから仲間じゃない」
「そうなのか、あっちはそう言うふうじゃなかったけどな」
「そうか?」
「なんか必死だったじゃねーか」
「あはは、自分のことを気にしすぎてんだよ」
「ふーん…まぁいいや!攻撃してもいいのか?」
「あぁ、別に構わないぞ」
「よし!攻撃開始!」
シャウトは攻撃開始の合図をした。
「あ、そうだ、帰還の魔導書って売ってるか?」
「さあ?禁書庫クラスじゃないか?そんなのあるのは」
「そうか、魔法屋はあるんだろう?」
「おうあるぞ」
そうか、こっちも同じ様なもんだな。
「地龍があるけどいるか?」
「肉か?!いるいる!」
「じゃあ解体しとくよ」
「おう頼むぜ!よっしゃ今日は肉だ!」
「「「おーー!!」」」
あはは、どこでも肉必要だな!
俺は少し遠くで地龍を出して解体して行く。
流石にでかいなダガーでは無理がある。
水魔法のジェットカッターで切り取って行く。皮も使えるので慎重に解体していく。肉塊が出来るとそれを持って行ってみんなで食べている。一頭をペロリと平らげてしまった。
「美味かったぜ!」
「食うなぁみんなは」
「まぁな!肉なら大歓迎だ!」
「あっちのギルドに卸してないのが山ほどあるがいるか?」
「こっちにもギルドがあるが、なんなら買い取ろう」
大隊長のストールが来てそう言うのでならあるもの全部出してしまおうか。
「おぉ!ファングボアじゃねーか!美味いんだよな!」
「地龍を二体も…収納が壊れてるんじゃないか?」
「おぉ!ジャイアントスネークだ!こいつもいけるぞ」
「本当に凄い量だな」
「まぁな、ギルドに持って行くのが億劫だったからな」
「全部買い取るよ」
「それはありがたい、こっちの通貨は違うのか?」
「王国金貨は使えるが銀貨なんかは使えないな、純度が違うからな」
「そうか、まぁ、金貨も持ってるから別に困りはしないがな」
「ではこちらでどうだろう」
「金貨30枚か、大丈夫だ」
「よし!肉三昧だ!」
「半分は干し肉にするぞ、あとはウルフの皮は貴重だからな」
「わ、分かってますって!」
シャウトもストールには弱いんだな。
「あとはお前が勝手にうろつける様に手形を作ったからこれを持っていけ」
「いいのか?人間だぞ?」
「どうせあの9人も、一緒に行くだろうしな。もしものためだ」
「うーむ、1人で旅したいのだがな」
「そりゃ無理だ!あれは惚れてるからな」
「あはは、9人は身が持たない」
「ちげえねぇな!」
「「あははは」」
シャウトとは気が合うな。
旅支度を済ませると俺は外套を羽織りフードを被る。
まぁ、これで問題ないだろう。
こちらはそれなりの暑さだから別に外套をしてても問題ないな。多少汗ばむくらいかな。
目指すは魔王城かな?
帰還の魔法陣のことを聞かなくちゃな。
「よし、出発だ」
「「「「「おぉ!」」」」」
総勢10人の大所帯での移動だ。
「頑張れよー!」
「おー!ありがとう」
「バイバーイ」
女子供合わせて9人だ。
どこかで別れが来るだろう。
もう一度王国に行ってアーシャ達に会わないといけないからな。
巻角の女の子アミュ、最初に買った女の子だ。可愛いがしっかり者だな。
で、一緒に並んでいた5人。羊の様な巻角が3人いるが釣り目の子がビビ、タレ目の子がアンナ、耳が尖っているのがミューズ、
そして小鬼の様に尖った一本角がサイス、
二本角がフェアリス。
奴隷商に辱められていた3人。巻角の胸の大きなデビ、横が出た二本角のファリス、尖った2本角のラル、この3人は大人だな。
残り5人は13から18まで様々だ。
アミュを入れて6人はわいわいしているが後の3人は武器を持って警戒しながら進んでいる。
ここは道ながらに進んでいるが魔物が出るし、なんなら盗賊だっているのだからな。
でも大人3人は慎重すぎるな。
「もっと肩の力を抜かないといざという時戦えないぞ?」
「はい!」
「分かりました」
「はーい」
とラル、ファリス、デビが少し肩の力を抜く。
しかしこの大人数だから馬車くらい欲しいところだな。次の街で買うか。
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