第10話 魔人
街を立ってから20日あまりが経つ。
やはり道が平坦なので遠くがよく見えるからなかなか進んだ感じがない。
途中で村や町に入っては休憩をしているがそろそろ見えてきてもいいんじゃないかな?
と思ったところで大きな塀が見えてきた。
ようやく辺境伯領の様だな。
流石に魔王軍に侵攻されてる様なことはなさそうだけどどうなっているのかな?
俺もそれなりに魔物を倒しながらきた
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レベル79 職業 旅人
スキル マップ 収納 魔力循環 魔法(全) 解体 上級剣術 気配探知 隠密
ユニーク 神速
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レベルは上がって79と、後少しで80の大台だ。あと隠密がついたのでこれで目立つことはなくなったかな?
そして辺境伯領に着くとギルドカードを見せて中に入る。
賑わいを見せているのは何故だろうと思って見てみると魔人と呼ばれる女の子が売られている。
それを見て笑っているものや石を投げつけているものなど様々だが、彼女達は何かしたのか?
まさか魔人というだけであんな事になっているのか?
それはあまりにも悲惨すぎるんじゃないか?
そうして見ていると1人と目が合う、助けてといっている様だったので買う事にした。
「おい親父、この娘はいくらだ?」
「へ?買うんですか?」
「あぁ。買う」
「悪いことは言いません買うならこちらの人間から買ったほうが」
「いやいい!あいつが気に入ったので買う事にしよう」
「へ?はい。では金貨1枚で」
「ほれ」
と金貨を手渡すと魔人の子を連れて行く。
外套を買いその子に着せると宿を取る。
「2人部屋だ」
「銀貨3枚だよ」
冒険者と外套を被った組み合わせなど別に珍しくはないからすんなりと通してもらい2人部屋に入ると、まずは自己紹介だな。
「俺はヒロトだ。言葉はわかるか?」
「はい、私はアミュです」
「何故売られていた?」
「私達の村が襲われて男は殺され女はああやって売り物にされました」
「抵抗は?」
「しましたが小さな村だったので…」
少し震えているのがわかる。
「そうか、魔人と人間は何処が違う?」
「ツノがあって魔石を体内に持っているのが魔人です」
「ふむ、それ以外は人間と変わらないんだな?」
「そうです。何故私をお買いに?」
俺の目を見て話をする。
「助けてといっていた気がしてな」
「はい、言っていました。このままじゃ死んでしまいますから」
とアミュが該当のフードを外す。ツノと言っても羊の様なツノをしている。
「別に人間と変わらない様に見えるがな?」
「私もそう思います。なぜ争わなければいけないのかと」
「魔人は他に何ができるんだ?」
「魔法が得意ですね、私は回復魔法が得意なんです」
「アミュ、俺に回復魔法をかけて見てくれないか?」
何か違いがあるのか?
「分かりました、ヒール」
むしろちょうど怪我してたからいいな。擦り傷程度だったから放っておいたが普通の魔法となんら変わりない。
「うん傷も無くなってるよありがとうアミュ」
「はい」
「よし。あの子達を逃そう」
「ど、どうやってですか?」
「あはは、スキルがあるからね」
「スキルですか?」
「おう!ちゃんと逃してやるぜ」
「はい!」
んじゃ、ちょっと頑張りますか!
夕飯を食ってからだな。夕飯を部屋で食いたいというとどうか10枚プラスされたがいいだろう!アミュは嬉しがって食べているのだからな。
深夜になり神速を使う。
奴隷商のところへ行くと丁度店じまいをするところだったので鍵を拝借して、魔人の女の子達を運ぶ。とりあえず部屋に運ぶ。
あまり動かすと神速に耐えられないかもしれないからゆっくり行く。
計5人の女の子を助けてついでに人間の女の子達も鍵を開けておく、と、ここで他にも魔人がいる事に気づく。
この親父、魔人の女の子を辱めて楽しんでいやがる変態だった。
その子達3人も助け出し部屋に連れて行く計8人。
鍵は使い物にならない様に溶かしておいて戻しておく。
解除、
「らんらら…な、な、なんじゃこりゃぁぁぁ!」
皆がそれを聞いて笑う。
俺も苦笑いだ。
俺は素早く部屋に戻るとやはり神速に耐えるのはキツいみたいでヒールをかけていたのでエリアヒールをかける。
「みんな!もうだいじょうぶよ」
アミュがみんなに声をかける。
「静かに!」
「はい!」
小声でも響くとやばいからな。
「とにかくここで隠れていよう」
「はい」
「体はもう平気か?」
「はい、あ、ありがとうございます」
「よし、もう喋らなくていいからな」
なんとか神速で運べる方法は無いのか?
しょうがないから消耗が激しい空間魔法でバリアを張るか?
でもここから何百キロと連れて行かないといけないからな。
明日になってからとりあえず市場に観に行くか。
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