第7話 旅立ち
さて5日経って今のレベルは41だ。
まぁ、まともに稼ぐにしたら稼ぎ過ぎてるくらいだしいいだろう。
そろそろ目立ってきたし行くか。
「じゃあ、アーシャ!俺は旅に出てくるよ」
「ま、まじかよ!どこに?」
「それは…風まかせかなぁ?」
「そうか。旅に出るんだな」
「おう。帰ってくる予定」
と言うと顔が明るくなり、
「分かった、またな」
「またな!」
と言って別れた。
「また帰ってくるんでしょ?」
と3人のうちの1人がいう。
「そうだよ?だからまたね」
3人の女にも一言言ってから出発だ。
さてどっちにいこうかな?
向かい風は嫌だから左かな。
追い風に乗って歩く。
遠くに積乱雲が見えるな。
一雨降るかもしれない。
できれば一雨降って欲しい気もする。
少し暑い日差しの中。
まぁ、全部収納に入れてあるから何も心配することはないし今すぐにやることもない。
一日中歩き、疲れた頃にようやく次の町に着いた。
村かな、こじんまりとしていて宿場町とまではいかないような気がする。
門兵にギルドカードを見せ、
「すまないが宿はあるか?」
「おう、あるぜ」
「分かった、ありがとう」
村の中に入って行くと綺麗なひまわりが咲いていた。ほうと息を飲んでその景色に見惚れるがまずは宿だなと思い宿を探す。
「一泊銀貨2枚です」
「じゃあ一泊で」
と銀貨2枚を出して部屋に入る。
古めかしい宿屋だが意外と中は綺麗にしてあるな、と、地図をみよう。
テーブルに地図を広げ見ると俺が向かっているのは魔王領の様だな。だがこれも旅の醍醐味で本当に退治しなければいけない相手かもわからないしな。
王の言い分だけ聞いたとてやはりただの戦争の様な気がするがな。
さて外を回ってくるか。
といっても小さな村だ、雑貨屋くらいしかないな。雑貨屋で石鹸が売っていたので買って宿にお湯をお願いする。
シャワーなんかついてないからお湯で体を拭きあとは洗濯をする。硬く絞って干す、風が強めに吹いてるから乾くだろう。
その日の晩飯は質素ながら味のあるシチューとパンだった。
さてと、次の街までは2日ほど見とく、香辛料も買ってあるので途中腹が減ったら肉でも焼けばいいだろう。
平坦な道を歩いて行く。
途中、荷馬車に追い越されるが気にしない。
空はやっぱり広いなぁ、今までしたことない経験をしているのだ。感慨深くもなる。
そうして夕方まで歩いているとさっきの馬車が休んでいたので遠くで夜を明かすことにした。肉を焼いて食べる。野生味溢れた味に香辛料が効いていてとても美味い。
「おい、お前は馬鹿か?」
女の戦士が何かを言いに来た。
「は?なんで?」
馬車の護衛が声をかけてくる。
「こんな匂いをさせてたら獣がやってくるのがわからないのか?」
「うるさいなぁ、こっちの勝手だろ?」
「はぁ、一応忠告したからな」
「分かったよ」
火を絶やさずにいるとやはりオオカミが来ているな。レベル上げにはちょうどいい。
神速
止まって見える狼たちだが微かに食らいつこうと動いているがそれも無駄、切って周り計8匹の狼を仕留めるとまとめて収納に入れる。
と解除してまた火の番をする。
朝方ウトウトとしたがなんとか起きている。
解体でもして目を覚まそうとウルフの解体を始める。8匹をいっぺんに解体していたらまた来る。
「これはお前が倒したのか?」
昨日来た女戦士だ。
「それ以外なにがある?」
「そうか。護衛を依頼したい」
「なぜ?お前たちだけで事足りるだろ?」
「ここから次の街までの難所に盗賊の情報がある。できれば腕の立つ奴は欲しいところだ」
「なぜそれが分かってて護衛を増やさなかったんだ?何かあるんだろ?」
「クッ…我らが専属契約を交わしているからだ。だが怪我で1人欠員している」
「なるほど、穴埋めかつ殺されてもいい奴が欲しいってとこか」
「それは違う、腕の立つ奴だと思って交渉しにきた」
はぁ、ほんとかね?
「金は?」
「金貨1枚」
「盗賊を倒したら?」
「それは頭割りで」
「なら嫌だね」
「なぜだ?」
「考えろ?なぜ頭割りをしないといけない?お前たちと俺とで折半が普通だろ?」
「それはちょっと無理がないか?いくら腕が立つといっても」
「ならこの話はなかった事にする」
「わかった、悪かったな」
とここで女戦士と話を止める。
別に金はあるが誠意の問題だ。頭割りをするなんて盗賊を倒す前提じゃないか?そんなのに構ってられないしな。
とりあえず狼の解体が終わったので内臓は少し遠くに埋めてクリーンの魔法で綺麗にする。が解体用のエプロンが欲しいとこだな。
まぁいい。
馬車はとっくに出ている。日も登ってきたしそろそろ向かうとしよう。
盗賊に会うことがない様に願う。
やはりやり合ったようだ、そこかしこに血の跡が残っているが馬車がないな。なんとか逃げ切ったか?
とここで、神速を使う。
周りを見るとやはり矢が飛んで来ているのでその木を揺らして解除すると落ちてきた盗賊の首に剣を当てる。
「寝ぐらはどこだ?ここら辺なんだろ?」
「チッ誰がァァァ!」
腕を斬りつける。
「腕じゃ済まないが?」
「…こ、こっちだ」
はぁ。なかなかめんどくさいな。
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