第2話 いじめっ子
「テメェ明日覚えとけよ!」
と言って僕の部屋から立ち去るフリをする三人の同級生。
「神速」
僕は扉を開けるとギョッとした。剣を持っていたからだ。
僕をいじめて何が楽しいのかな?まぁ、みんな笑ってたんだから楽しいんだろうな。
僕は扉を閉じ鍵を閉める。
そして宝物庫を探して彷徨くとあったので門番が守っている鍵を拝借して扉を開けると金銀財宝とはこのことだなと思う。
金貨を何束かと、あと有用そうなのは?
魔導書があるな。帰還の魔導書と書いてあるのを入手する。あとはこの世界の地図と、
もう召喚出来ない様に召喚の魔法陣が書かれた紙も要らないだろうと持って収納に入れていく。
あとは剣だな。黒っぽい剣だけど深い藍色で目を奪われそうな片手剣だ。それを持つと僕にピッタリだった。それを腰に下げあとは元通りに戻して扉に鍵をかけ、門番に鍵をつける。
さてあとやり残したことは…ないかな?
僕はこの世界で自由に生きてみよう。
さて、とりあえず街に行こう。
神速はそのままで門を潜り抜け外に出ると城下町までまだ結構あるから走っていく、剣は手に持って、息は上がるし苦しいけど、空が青い!とても素晴らしい景色に汗を流して走る。ようやく城下町に入ると神速を解く。
「いらっしゃい、いらっしゃい!」
「ママー」
「でさぁ、そいつがよぉ!」
となんて活気のある街なんだろう!
そうだこの服のままだとすぐバレちゃうから、服屋に行こう。
マップは行ったところしか表示されないみたいだし、気ままに彷徨くと服を売っているところがあった。
「すいません」
「はいよ!」
「僕に合う服を用意してくれませんか?」
「わかったよ!結構大きいわね」
「あはは、細長いだけですけど」
「わかったよ!んじゃこれとこれと下着と靴下は?」
「下着と靴下も数枚お願いします」
「んじゃこれとこれで、着替えていくかい?」
「はい!」
「んじゃこれだけ買ってくれるなら銀貨60枚だ」
「じゃあ、これで」
と金貨1枚を渡すと40枚のお釣りが来る。
金貨1枚=銀貨100枚=銅貨1000枚だ。
日本円だと銀貨1枚3,000円くらいだから、60枚だと18万円だ。高い服屋だけどそれでもこれだけ布を使用してるからしょうがないことだ。
「よし!これでいいかな?」
「うん!男前だね!あと靴屋はあっちだよ!」
「ありがとうございます」
「そんな丁寧な言葉は使わなくていいよ!」
「分かった!ありがとう!」
「あいよ!」
そして靴屋に行ってこれまた高いけどブーツを買う。銀貨70枚だ。足袋のような靴下は買ったから足を拭いてから靴下を履いてブーツだ。履き心地は悪く無いな!
あとはさっきので思い出したけど手拭いかタオル…はないかな、手拭いを何枚か買って、防具屋で防具も見なくちゃな!
忙しく回っている間に夕方になってしまった。
宿はさっき見つけたところが良さそうだからそこにしよう!
“カランコロン”と鐘の音が鳴ると奥から女将が出てくる。
「うちは朝食付きで銀貨2枚だ」
「はい、じゃあ5日分で」
「はいよ、銀貨10枚たしかに!」
と鍵を渡してくれる。
「晩御飯はここで?」
「ああ、銅貨30枚だ」
「いま食べれるかな?」
「いいよ!まってな!」
銅貨30枚を渡して作ってもらう。
「うん美味い!」
ポークカツのようなものとキャベツかな?とパンとスープが付いている。飯を食ってるとドンドン客で埋まっていく。
「お!兄ちゃん新顔だね!いっちょやるかい?」
「何を?」
「なーに、このコインの裏表を当てるゲームさ!銀貨一枚だ」
「いいよ表だ」
“ピン”と弾かれたコイン。
神速
「なんだ、やっぱり裏だけのコインじゃないか!本当にもう」
と手の甲に表になるように銀貨を置くと空中のコインは俺が取って解除。
「えっ!」
“パン!”
と音がしたのでジーと見つめていると、
「わーったよ!俺の負けだ!」
「わかればいいよ?」
と手の甲のコインと別にもう一枚渡してくるので裏裏のコインを返してやる。
「チッ!儲け損なったな!」
「バレバレだよ?」
「ケッ」
と、そっぽを向いて飯を食う。
「あはは、面白いな」
部屋に帰るとシャワーがついている。
「へえ、これはどうやって動いてるんだろ?」
いい部屋だな。テレビはないがテレビは見ない方だったし帰還の魔法でも読んで過ごそうかな?
シャワーを浴びて下着代わりだった水着も洗う。トランクス型の下着に紐がついてるので縛って、服を着てベッドに横になりながら帰還の魔法を読む。
なかなか難解だな。魔法屋とかあるよな?ある程度回ったと思ったこの街は全部網羅してないようでマップに乗ってないとこもあるな。
よし、明日はギルドで登録して、次に魔法屋を探そう!
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