十四章 パラグラフリーディング

 成海が部屋を出ると、物音に気がついた葵が追いかけてきた。いっしょに、タクシーにのった。小松川インターチェンジへと急いだ。

 成海は高架下を散策し、右脚を遺棄した直後の男を発見する。葵に通報をたのみ、遺棄した男を追いかけた。男は車にのりこんだ。逃走を図る。藤堂の車が到着し、成海は助手席にすわった。そのまま、男の車を追いかけた。男の車は暴走していた。成海たちは事故の発生を危惧し、撒かれたと見せかけて、追跡することにした。

 この作戦は成功し、白い蠍のアジト、廃工場まで追うことができた。成海たちは廃工場に踏みこんだ。ガレージのなかで、寺崎の死体を発見する。のこりの臀部、胴体、頭部、内臓を回収することができた。藤堂とほかの刑事は、白い蠍の構成員を捕まえるために、廃工場の奥へと進んだ。協力者にすぎない成海は、敷地内の出入り口で待つことにした。

 藤堂たちが構成員と乱闘しているなか、成海の横から大柄な男があらわれた。大男は刑事の突入に気がつき、逃げようとした。成海と鉢合わせになる。成海にも逃げ場はなく、格闘戦になった。警察学校の教官から訓練を受けていた成海は、大男の動きを押さえることに成功する。

 やがて、助けがあらわれる。成海の押さえこんだ男が白い蠍の主要人物、桜井三津留だと判明する。成海の大手柄だった。現場の混乱は終息しつつあった。藤堂は憔悴した成海を、ホテルまでおくりとどけることにした。

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