四章 パラグラフリーディング

 現場に刑事たちが到着する。彼らのききこみによって、左脚は午後三時三十分から四時のあいだに遺棄されていたことがわかった。捜査には藤堂のほかに、所轄の刑事である沼田が加わっていた。三人は左脚を注意ぶかく観察する。膝の裏側に虫の卵と白い蠍のタトゥーを見つけた。

 虫の卵は屋外に放置されたあと、回収され、熱湯で洗われたことをあらわしていた。白い蠍のタトゥーは、半グレ集団の一員の証拠である。成海は広場の口論で、白い蠍の名前をきいていた。三浦に事情をきくために、藤堂といっしょに多目的研究センターへと向かった。受付にいた亜紀に案内される。三浦の部屋は、いつもとことなり、カギがかかっていた。スペアキーであける。

 そこには天井裏から吊された三浦の死体があった。

 三浦は白い蠍の話をきくまえに、殺されていたのである。

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