三章 パラグラフリーディング

 成海たちが広場に着いたころ、口論は終わっていた。三浦だけがのこっていた。事情をきいた。清掃中の多目的研究センターに犬飼が立ちいったことを注意していたらしい。しかし、あきらかに怒鳴られていたのは犬飼ではなく、三浦のほうだった。成海は釈然としなかった。

 三浦は忙しそうに新聞をもって、水族園のほうへと向かった。成海たちは、三浦に勧められたまま、多目的研究センターに顔を出した。室長の宇田川と事務員の亜紀に会う。夜七時まえに、ふたたび、会う約束をした。ふたりは、観光取材のために葛西臨海公園を出た。総合レクリエーション公園へと向かった。ひとしきり、まわったあと、左近川親水緑道をとおる。緑道の出口には、人集りができていた。成海たちは、そこで、斬りとられた左脚を発見するのだった。二つ目の四肢だった。

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