第3話:はんぐおーばー
「あー。よく寝た。うっ・・」
突然、吐き気がした。
「気持ち悪い・・」
頭がぼんやりとする。
二日酔いというものだろうか?
昨日は私の二十歳の誕生日をナミの家で仲良しメンバーが祝ってくれた。
お酒を飲んで酔っ払ってしまったんだっけ。
酔っ払って帰ったからあまり記憶がない。
ふと机を見ると
バースデーガールと書かれた、頭につけるカチューシャが置いてある。
昨日これをもらって写真を何枚も撮ったなぁ。
その横には皆からもらったプレゼントの袋が置かれている。
昨日は楽しかったなぁ。
皆で笑った話しを思い出しかけたが途端にその浮かれた心は沈んでしまった。
元彼のユウヤの話を思い出した。
また私がユウヤのことを嫌いだと思ったから、ユウヤは悲惨な目に遭っていた。
ユウヤは死ぬ寸前だったようだ。
ちょっとやり過ぎだ。
なんなの、なんなの?
この力は。
最初は偶然だと思った。
しかしそれは、物心がついた時から度々くり返えし行われ、リカにとってはもはや日常的なものとなっていった。
記憶にあるのは、幼稚園の頃から。
年齢を重ねる度に、そのパワーは増している。
私は魔法使いなのか?
そんな気持ちすら起きてくる。
魔法使いというものは、本来、人に夢と希望を与えるものじゃないの?
シンデレラにガラスの靴とドレスとカボチャの馬車を魔法使いは与えた。
フリータイムじゃなかったけど。
あの有名な映画だって魔法で悪者と戦ってたじゃないか。
ハリーポッターだってそう。悪者をやっつけたり・・。
なのに、私ときたら人を不幸にしている。
魔法というより呪いじゃないか。
呪い。
呪いと言えば五寸釘でワラ人形に、釘を打つ・・・みたいな?
暗っ!私のキャラじゃない!!
あーもうー嫌だ!
これからは人を嫌わないようにしなきゃ。
でも嫌いなものは嫌い。
こればっかりは仕方がないもん。
「でも、これからは人のことを嫌いにならない努力をしよう。ってか、私が悪い訳じゃないじゃん。相手が嫌なことをしてきて私が嫌いになる。正しい方程式だよ」
ってか、なんでこんなこと思わなきゃならないのよー!しかも、誕生日に」
バタン。
リカは再びベットに横たわり目を瞑った。
まだ二日酔いで気持ち悪いから、しばらく寝よう。
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