第2話:疑惑
「ほら、写真撮ろー!!」
今、リカが一緒にいるのは同じ大学に通う仲良しグループの友人逹。
そしてここはその仲良しグループの一人である、ナミの家だ。
今日はリカの誕生日であり、仲良しグループの五人でお祝いをしてくれている。
一通り撮影大会が落ち着き、ケーキを食べようということになった。
「ケーキ切るねー」
ナミはそう言ってロウソクを抜きケーキを五等分に切った。
「はい、リカ。ケーキ」
「ありがとう。ナミ」
皿に盛られたケーキを受け取る。
「ねぇ、リカ二十歳はどんな歳にする?」
「二十歳は素敵な彼氏を作って楽しむ!」
「はははっ。ユウヤと別れたばっかだもんね」
「ホント最低な彼氏だったよ。浮気ばっかしてさー」
「そういえばユウヤくんさ、道ですれ違った男に因縁つけられてボコボコにされたあげく、持ち物全部盗られて服も脱がされて裸で道に放置されたらしいよ。悲惨だよね」
ユリがケーキを頬張りながら言った。
「えー!」
「そうなの?私が聞いたのはユウヤくん家火事になって全焼したらしいよ。だから今家無くて友達の家転々としてるって聞いた・・・」
ナミが言う。
「私は公園でテント張って、ホームレス生活してるって聞いた」
アミが言った。
まただ。
また私の嫌いだと思った人に不幸が起こった。
昔からこのパターンだ。
「いや、その後ユウヤくん事故にあったらしいよ」
イチゴにフォークを刺しエリが言った。
あぁ・・・。これって私のせいなの??
私がユウヤを嫌いって思ったから?
偶然?
それにしてはいつもいつもタイミングが良すぎる。
幼稚園・小学校・中学校・高校でも私が嫌いになった人に必ず不幸が訪れている。
嫌いって思った次の日にはもうその現象が起こっていた。
「ん?どうしたの?リカ?気難しい顔してー。
あ、ユウヤくん?命は助かったらしいよ。わわかんないけど。・・多分」
エリが言う。
「そっ、そっか、良かった・・・」
だんだん罪悪感がわいてきた。
ちょっとやり過ぎじゃない?
ユウヤがそんな風になったのは私のせい?
私が人を不幸にしてるの?!
無意識に?
いや、そんな訳無いよね・・。
***
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます