実はあなたは火星人だと言われたのですが

@karinaaa

第1話:始まりはいつも突然に

「リカ、おめでとーう!!」

「ほら、願い事してろうそく吹いてー!」

ケーキの上に立てられたロウソク。

願い事?

いきなり言われても。

願い事、何にしよう...?


とりあえず、素敵な彼氏ができますように...!


ふーっ!



リカはケーキに向かって勢いよく息を吐き、蝋燭の火を吹き消す。


「リカ、まだ一本残ってるよー」


ナミが笑いながらそう言った。


ケーキの上には、消えずに火を燃やしているロウソクが一本だけ残っている。


その赤い一本のロウソクがドロドロと溶け、ケーキにポタポタと零れ落ちている。

溢れたロウは白いショートケーキの上に赤い色を放った。


まるで、白いキャンパスに赤い色を落としたようだ。


リカはめいいっぱい息を吸い込み、再びその蝋燭に息を吹きかけた。

「ふぅー!」

「ペアリング認知しました」

リカの耳元でそんな声がし、ロウソクの火が消えた。

えっ?何?今の声・・?

「やっと消えた!リカ二十歳おめでとう~!」

「おめでとうー!」

「おめでとうー!」

「ありがとうー!」

そう言ってリカは周りを見渡す。

リカの友人達は何事も無かったかのように笑っている。

声・・したような?私の耳元で。

確かペアリングって.・・?

さっきの声、誰にも聞こえて無かったの?


気のせい?

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