反撃

 Side あい


 =朝・大阪日本橋=


 怪人8体

 幹部のギルガ。

 ザターンの戦闘員達。


 闇乃 影司と宝田 しおり、そしてスペースピンクのあい。


 それぞれがいる中でザターンの幹部、ベーダーが言った。

 スペースVが元々はザターンの性奴隷の集まりだと言う事を。


『メンバー全員が大きな胸なのもそう言う風に改良してやったからだ! 本来は男に媚びる事しか能がない、淫乱な女達の集まりなんだよ!』


 と語る。

 あいは—―グッと堪える。

 この手の事は何度もやられた手だ。

 怒りに駆られて暴走なんて言うヘマはしない。


 しかし――


『それでも私達は! 皆と一緒に戦ってきた!!』


 そう言いながらベーダ―にピンクシューターを向けて発砲する。

 容易く避けられる。


『雌奴隷とか、雌豚とか散々言われて来た—―それは覆しようがない事実!!』


 ピンクシューターを収納して、右腰にぶら下げたブレードで斬りかかる。

 ベーダ―もブレードを持ってあいの斬撃を防ぐ。


『でも!! 私達は!! 雌奴隷なんかじゃない!! スペースVのスペースピンクよ!!』


『寝言は寝てほざけ!!』


 そう言ってベーダ―はピンクの剣を弾き飛ばし、斬撃を見舞う。

 ピンクのスーツから激しい火花が起きた。

 ゴロゴロと転がり込む。


 助けに生きたくても宝田 しおりは怪人8体に逃げながら防戦。

 影司はギルガと交戦中。


 手が足りなかった。


 知らない場所でピュアリアやまだ出会ったことのない、まだ知らない戦士が戦っているのだろうか。


 まあ、そう都合よく助けなど来ないだろう。


 あいは何処か諦めに似た感情でベーダ―の攻撃を受け続けた。

 スーツは灰色に染まり、火花を散らし、肌にも傷や先日受けた治療の跡から血がにじみ出たりしているかもしれない。


 膝まつくあい。

 そして剣を振り下ろそうとするベーダー。

 

『なっ!?』


 発砲音。

 そこにはメイド服姿の黒井 リンカがいた。

 ごつい銃火器を持っている。

 傍には黒いライダースーツで大きな爆乳、スペースVの一員ですっと言っても違和感なさそうな金髪ポニテールの白肌で青い瞳の美女がいた。


「助太刀します」


 そう言って黒井 リンカはベーダ―に銃を乱射する。

 躱すベーダ―。

 しかし直撃弾が出て大きな火花が出る。


『ミサキさん、遅いです』


「ごめんなさい、待った?」


 金髪ポニーテールで黒いライダースーツの女性。

 ミサキと言う女性が影司の傍に寄ってきた。

 手には拳銃を持っていた。


 それを見て、影司は変身を解き、ミサキの横に並び。


「あら、変身解いちゃうの?」


「こっちの方が合わせやすいですから」


 そう言って拳銃と刀を取り出す影司。


『ニ対一で戦うつもりか?』


「今更卑怯ってワケでもないでしょ?」


 影司は言う。

 戦闘員や怪人なども嗾けているのだ。

 人数不利の反則を言う権利は影司側にもあるだろう。

 それにギルガ一人だけに構ってられないと言う影司の都合もあった。


『地球の兵器如きでダメージを!?』


「残念ながら私が使う銃は特注品ですので」


 一方、ベーダ―はリンカ相手に一方的な防戦を強いられていた。

 本人曰く特注らしい二丁拳銃でベーダ―にダメージを与えていく。

 その隙にあいが態勢を立て直す。


『あ、ありがとう』


「どういたしまして」


 と、返して今度はショットガンを発射する。

 恐らく特注の実弾。

 ベーダ―に激しい火花が散る。


『ぬう!?』


 一方でギルガも—―闇乃 影司の踊るように、舞うような立ち回り、あの手この手の変幻自在に翻弄され、その隙を付いてミサキがハイテクガジェットで攻撃すると言うシーンが繰り広げられていた。

   

 具体的には—―

 

 影司が二丁拳銃を乱射したかと思えば刀で居合切りを披露し、蹴り技を披露してエネルギー弾を手から放出する。しまいには火や雷、氷、風を出したりと何でもありだ。


 ミサキは拳銃を発砲しつつ、バリアを発生させたり、電気放出型のガジェットを投げ込んだりしている。

 影司がおかしいのだが、影司程多彩ではないが、影司をキチンと援護している。


 元々二人――この世界線ではD-TECと呼ばれる地球の犯罪組織の騒動のゴタゴタの中で知り合ったばかりなのだが息がピッタリだ。

 

 そして宝田 しおりの方には—―


「お待たせ!!」


「これ以上手出しはさせません!!」


 エンジェリアの二人。

 エンジェミライ、桜木 はるか。

 エンジェナイト、シルヴィア・ホーリーの順で飛び入り参加する。


 息ピッタリな事に、二人して怪人の顔面を踏み潰すように押し込み、他の怪人へボーリングのピンのようにぶつける。

 とんでもない脚力である。


「I市の方は大丈夫だから日本橋の方に様子見に来たの」


 と、はるかが言ってしおりは『ありがとう!! 助かった!!』と礼を言う。


「エンジェリア、ミライストリーム!!」


 エンジェミライ、桜木 はるかが早速必殺技を放つ。

 ピンク色の奔流がエンジェミライの両手から放たれ、複数体の怪人を飲み込んでいく。 


 残った怪人は3体。

 サメ、カブトムシ、戦車である。


 流れは完全にあい達に、日本橋側の面々に傾きつつあった。

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