四肌目『変態的嗜好』

ぼくは嗅覚によって

興奮を覚えるきらいがある


例えば、新しいものを購入すると

ひとまず鼻を近づけてしまう

飼い猫がゴロンと寝そべっていると

足の裏のにおいを嗅いでしまう


お風呂に入っている君の

脱いだ服をそっと

知られずに

手に取り

顔をうずめる事もある


中でも一番好ましいのは

ベッドの上で

君が一番嫌がるそぶりを見せる場所に

舌を出しながら近づく時だ


恥じらいながら

いつもと違う声を聞かせてくれる君は

とてもかぐわしい匂いがする


君の柔い肌に

ぼくはわざとらしく音を立てて

吸って、吐く

この瞬間が

そそり立つほどたまらない。



     Fin.






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