第65話 ミルキ1
「ミルキは」
唐突に、セルーナは話題を変えた。
「あの子は最後まで、リプルとアアスフィアを誤解していたよ」
赤いランプの点滅するコーヒーミルに手を添えて、セルーナは呟いた。
「兄さんはさ、どうしてリプルとアアスフィアはじゃれ合ってるだけだって教えなかったの?」
「ミルキは思い込みやすい」
ハイシアは断言する。
はじめて出会ったとき、ミルキは赤みがかった尾を持つリスだった。
「その思い込みのために、他人の体を乗っ取る異能を得た」
母に曰く。
空を飛びたいと有翼人の体を奪った。
海をうらやんで人魚の体を奪った。
50以上の生命体の体を奪い、人生を奪った。
果てにとうとう精霊に成り代ろうとして罰を受けたという。
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