第62話 セルーナ派
受け取ったカップを見つめて、ハイシアは何度か口を開閉させる。
次の言葉に迷っているようにも、呆れているようでもあった。
二人は無言で、カウンターを挟み、向かい合っている。
「……全員そうだったのかい?」
やっと発したハイシアの言葉にセルーナは「かもね」と言って首を傾げる。
ハイシアはカフェ・スラブに口をつけてセルーナの言葉を待った。
「例えばほかにさ『俺はお前が無実だって知ってる』とか『天才的な発想だ』とも言われたんだけど」
「それは、いつ頃?」
「不老不死を一回思いとどまりかけた……アアスフィアが一回暴れてすぐ後だね。フラクロウ側の入植者が増えていたから、そのあたり。もう一つは生物種騒動の最中だよ」
「思いとどまろうとしてくれてたのか」
「なに。僕、そこまで馬鹿に見えてた?」
「いいや……すまない」
「謝らないで。それだけトワイライトが巧みだったってことだろ」
セルーナが一つ一つ上げていくトワイライトの言葉を、ハイシアは神妙な顔で聞いていた。
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