第58話 話し合い2

「イヌダシオンも安全じゃなかったのー?」

「もう潮時かもしれんな」

「あきらめるなよぅ。なんとかなるって」


 不安が渦巻く。

 渦巻いて、不信になって、怒りになって弾けだす。


「セルーナを問いただせ!」

「誰が行ったら話してくれるかしら」

「俺は無理かな」

「自分も不可能であると思考します」

「指の一本でも折ったら話すさ」

「やめなさい野蛮ですよ」


 不穏なほうへ流れていく言葉たちを、ハイシアは手を打ち鳴らすことで遮った。


「生物種にならないかの提案はしてみよう。――でもね、俺はセルーナを信じている。それだけは知っておいてほしい」

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