第57話 話し合い1

「まず落ち着いて整理しましょう」


 口火を切ったのはクラッカだった。


「本日午後4時30分、以前イヌダシオンを訪ねた使者が首だけになって落ちてきました。……質問は?」

「結界はどうしたんだ」


 疑問を挟んだのはキャメルだった。


「俺がその場で塞いだよ。今は何ともないはずだ」

「我も確認した。してハイシアよ、今回の犯人は誰と考える」

「そんなのセルーナに決まってるわ!」


 不信をあらわにしたのはミルキだった。

 ヤムの言葉を遮る叫びを「まあまあ」と粘つく声が制する。


「知識だったらハイシアも持ってる」


 トワイライトだった。


「ハイシアが結界に細工したというか。……何の意味がある?」


 正論で黙らせたのはヤムだった。


 正座で俯くハイシアの前。

 集った人々は喧々囂々と言い争う。膝の上でこぶしを握って呼吸をした。

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