第52話 テヤ3

「テヤ、兄さんにも声かけてたんだ」

「……そこは彼の性質だろうね」

「なんて聞かれたのか聞かないの?」

「今話していることには関係がないからね」

「……ちょっと悔しくなった」


 生クリームをボウルに注ぎ入れながらセルーナが目を伏せる。

 ハイシアは目を丸く瞬いて「聞いてほしいなら聞くけれど」と呟く。

 セルーナは大きな音を立てて生クリームを拡販しながら唇を尖らせた。


「頼む。拗ねてないで話したいなら話してくれ」

「兄さん本当そういうところ……」


 文句を言いながらも、セルーナが語りだす。

 ハイシアは頬杖をついて、セルーナの話を聞いていた。

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