第31話 ライジュウ一族

 『盗雷虎ライジュウ』一族。

 由緒正しき雷虎ライコ一族から枝分かれした一派で、雷虎からは嫌われている。


 雷虎一族は、前文明『ハピーメロウ』以前から大陸ルミノに暮らしている。

 前足・後ろ足・尾の先に雷霆をまとわせ、低層雲を縫って駆ける。主食は陸地に暮らす草食獣であり、落雷を起こし感電死させた個体を群れで食らう。年を経た個体は、彼ら独自の信仰のために虹の麓に暮らし、朝露のみで腹を満たす。


 ライジュウたちは、信仰を捨て、有翼人と活発に交易を交わした者たちだ。

 地上に暮らす者の肉を『不浄』ととらえて嫌い、主に樹上で生活する生物や、まだ力の弱い精霊種を食らうようになった。

 彼らはより多くの食料と居住場所を求めて、有翼人被害者らが暮らしていたシェルター夜虎ヤジュウ一族の本拠地を襲った。

 数百名いた避難者のうち、生き延びた夜虎一族のおびとを含む10名は、イヌダシオンが保護することになった。


 ライジュウたちは、保護された者たちの引き渡しと技術提供をイヌダシオンに命令し、断りを告げに行ったゴルフェートハイシアとセルーナの母を殺した。

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