第28話 女王の意思①

「なるほど、脅しでは屈しない、と。ヤジュウ族を我らが滅ぼしたこと、まさかお忘れではないでしょう」

「過ぎたる力は毒にしかなりません。これは、あなた方のためにも言っている」


 カロンは無表情でハイシアを見つめた後、音を立てて茶器を床に置いた。

 ハイシアの内面は、どこまでも凪いでいる。


「技術を渡しなさい。我らが女王は生物のためになることを行われる」

「誰が判断する正しさでしょう」

「詳細を聞けば、貴方とて頷く」


 ハイシアは無言で先を促した。


「女王陛下は『生物すべての飢え』の根絶を願っておられる」


 ハイシアは一瞬茶器を撫でる手を止めて、カロンをちらと見た。

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