第27話 喧嘩腰

「待ってめちゃくちゃ喧嘩腰じゃない」

「あのときは舐められたら終わるって直感したからね」


 竹べらでロート内の粉をほぐし、電動ランプの電源を落としながらセルーナは大きく口を開ける尋ねる。

 ハイシアはけろりとした顔だ。


「たまに使者と決裂して戦いになったのって、そういう?」

「ああ、上手くいかないループもあるんだね」

「運ゲーじゃんもう!」


 寸でのところでセルーナは机を叩くことを堪える。

 もう1つのロートとフラスコを手早く用意して、粉をバサバサと入れる。


「……で?」

「で、って?」

「とぼけないでよ! 交渉どうやってまとめたんだって話」

「そんな大したことでもないよ」


 ハイシアは自転車にまたがりながら、また話し始めた。

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