第四章 星霊樹のもとに集え聖戦士
第35話 いざ、星霊樹へ!
「《星の
ピーノが《
「ここから直線距離で百三十キロメートルくらい。街道とかを
ピーノが言うキロメートルという単位がわかるのは僕とラースだけなのだが、頭の中に展開される地図画像のおかげで、他の人たちも素直に受け入れていた。もっとも、アルバートだけは「あれ? キロメートルって何マイルだっけ」などと指を折りつつ混乱したりもしていたが。
そんなアルバートはスルーしつつ、ピーノはそれぞれの位置から割り出した、《
ほどなくして、それらの検討も終わり、《
「それでは、各隊とも《
「ああ、任せとけ。派手にやってやるぜ」
シリルたちの主力部隊が各地で敵の目を引きつけている間に、残りの二隊は一日も早く《
もちろん、《
「んなもん、アテもなく、ただ逃げ回るだけの今よりは何倍もマシさ」
そのシリルの言葉が、僕たち《星の聖戦士》全員の心情を、よく表現していた。
○
目的地を《
シリルやラース、トモが率いる大人たちの隊は、各地でゲリラ戦を展開し、追っ手や各地の帝国軍の
「──ヤンキーとチャラ
独特のあだ名呼びで《星の聖戦士》たちに指示を飛ばしているのはピーノだった。
《
「ピーノの力は本当にスゴいな」
速いスピードで駆けていく
「……ちょっと休憩しよう、この先にイイ隠れ場所がある」
ピーノの提案を受けて、アルバートが
荷馬車はゆっくりとスピードを落とし、青年医師パオロさんが
大きな岩が山道の上に張り出している場所に荷馬車を止め、
アルバートが感心したような表情で子供たちも見やる。
「みんな心強くなってきたな。パオロの
「そうだね──って、ピーノは今のうちに休んでおいて、見張りはキアーラさんがやってくれるって」
僕が声をかけると、ピーノはそのまま荷馬車から降りずに毛布にくるまって目を閉じた。
普段から、やれ面倒だ、やれ疲れたなどとぼやくことが多いピーノだったが、この逃避行の間、
もちろん、加護の力とて万能ではない。使用にあたっては一定以上の集中力を必要とする。そのため、心身双方の消耗も当然発生するのだ。
さほど、間を置かずにピーノの寝息が聞こえてくる。
「僕もできることはやらなきゃな」
そう言って、
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