第70話緊急会議

とある部室では緊急会議が開かれていた。

「あの小鳥遊が彼を独占している以上たとえ偶然話ができたとしても無理だということがわかったわ」

友人の伝手をたよってどうにか接触できた。

友人の話では困っていると話せば協力してくれるはずだったのだが・・・。


「きちんと喫茶で私は頼み込んだのよ、友人の話だと困っていると伝われば協力してくれるという話だった。話はすんなり進むはずなのに断られさらには小鳥遊まで現れ反対されたのよ!酷いと思わない?」

栗田は同意を求めたのだが返ってきた言葉は意外なことばだった。

「おい、ふざけるな。こちらは接触の機会さえないというのに話ができただと冗談じゃない、私たちも同等の立ち位置にしてもらわなければ交渉すらままならないんだぞ」

転校生Aは会えすらしない自分たちと違いそちらは伝手があってそれで失敗しているならそちらも伝手を使わせてくれと言っているものである。

「それは人脈の差ってものよ、あなた方も伝手を頼ればいいでしょ!それに小鳥遊が独占しているのだから私の伝手を紹介したって断られるだけよ。」

友人は小鳥遊に紹介されたと言っていた、つまりは小鳥遊が気に入らない相手は彼に断るよう仕向けられるというわけだ。

彼が何故小鳥遊の言うことを訊いているかよくわからないがそういうことなのだ、一企業の独占許すまじ!


「あのー、その前に私たちは彼に接触すらできていないのですが・・・。まずは紹介していただけないでしょうかその友人さんを」

転校生Bは接触さえできない状況を打開すれば好転すると考えている。

何故同じ学校内で接触すらできないのだろうか。

それは、クラスの掟というものが存在していた。

別のクラスの女性が男子にちょっかいを出すということはクラスに喧嘩を売っていると同じであり間接的に接触を図った転校生Cが原因で戦争が勃発した。

彼のクラスの女子の突然の襲撃によりひどい目にあったと聞く、彼女たちと交渉して許可をもらわないと彼と話すことが難しいとは思いもしなかった。

「あーもうめんどくさい。金で解決できればこんなことしなくて済んだのに。」

転校生Cはすぐ札束ビンタして物事を解決しようとする成金だ。

流行りになったものと似たものをだすコバンザメ商法がうまくいき成りあがったので貧乏人には札束ビンタすればいいという発想になる。


彼女たちはなぜ彼の妹と接触しないかといえば、不埒な目的で兄に接触しようとした女子には冷たいからだ。

強行突破しようとすると武力的に排除されるので交渉は最初から無駄なのである。

ちなみに彼女たちの友人は関節技をキメられ悲鳴をあげながらも果敢にチャレンジする勇者たちなのである。

「朝待ち伏せしてれば会えるんでしょ?いいこと聞いたわ。」転校生C変なことをしでかしそうで怖い。

「それは、だめだ。今回はうまくいったかもしれないが次うまくいくとは限らないだろ」

転校生Bは待ち伏せはよくないとCを諭したのだがはたして聞き入れてくれるかはわからない。

「あらあら、そうやって抜け駆けしようって魂胆でしょ?うまくいくとおもって?」

バチバチの転校生Cそれに呆れているBとなんともカオスな雰囲気になってきた。

「はいはい、皆さん喧嘩しにきたのではないのですよ。とりあえず、栗田さんにもう少し頑張ってもらって橋渡しをしてもらうのはどうでしょうか?

私たちが押しかけてはさらに拒否される可能性がありますが、栗田さんならもうすでに印象悪いですし」


栗田を犠牲に成功確率の高い作戦を残りの皆で実行しようという感じなのだ

「そんなこと言わないで!すでに印象悪いとかそんなことない!あれは憎き小鳥遊のせいなの!」

諸悪の根源たる小鳥遊説は三人にあまり信用されていなかった。

男子が、女子に飼いならされている状況はないだろう。

デロデロに甘やかしはあるかもしれないが、自分だって許嫁にたくさんプレゼントや愛の言葉を送っているのだ

小鳥遊さんの派手な容姿では男は嫌悪するばかりだろうと栗田の言葉に懐疑的だ。

ああでもないこうでもないと会議でさんざん話したのだが結局のところ

「では引き続き栗田さん頑張ってくださいね。」

みんなして栗田を贄に佐々木君を召喚!という戦法が一番自分たちが安全そうということに気が付き多数決でごり押しされた。


「いいもん!うまくいったって紹介してあげないんだから!」

ぷんぷんと怒る栗田であるが、もうすでに印象は最悪であり今後どうすれば協力してくれるかという大きな課題が残っている。

接触できても拒否されているのでは話が進まないしあまり時間をかけていると後ろから猛追してくるほかのうどんチェーン店に抜かれてしまう。

もう一度高原さんに協力を依頼してみるしかなさそうだ・・・。

緊急会議は終わり栗田は早速協力を依頼するためにスマホをいじったのだった。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。











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