第67話ネゴネゴ

今日も授業を受けてぺこぺこお腹をなだめる為にお昼休みはいつもの味・・・を?

また敗者のお昼ご飯が変更になっている。

一体、何が起きたというのだろうか。


こっぺさま復活か!と思いきやまさかの新顔ジャムパンである。

なぜジャムパン君は負けてしまったのかそれは謎だ。

ジャムパンを買うとお姉さんから牛乳とプチっとジャムバターがもらえた。

え?追いジャムバターしろってことですかね?

いつものように保健室でもちゃもちゃパンを食べながらスマホをイジイジしている。

しっかりと追いジャムバターをキメ、ジャムで甘々な後味になっているところを牛乳で中和する至福。

二度おいしいとはこのことだろう、一度目はジャムパン二度目はイチゴ牛乳味を楽しめるのだ最高かな。


今日はみんな静かだな何かあったのかと思えばみんな真剣に何かを書いている。

え?今日課題でてたのだろうか?

もしかして今から期末テストの勉強をしているのだろうかと気になりつつも静かにしていた。

「できたぞ!これが完璧なお好み焼きだ!」

彼らは一体何をしていたかといえばお好み焼きに何を入れたら美味しくなるのかという

俺が考えた最強のお好み焼バトルをしていた。

みんな好きに食べたいものトッピングして食えばいいじゃん派の僕はスマホいじりを継続したのだった。

ちなみに野口君はモロ中身が太郎だったというか広島風太郎焼まんまのトッピングでした。

さすが、家太郎愛好家なだけはある。


さーって放課後は直帰して勉強でもしようかなーっと校門をでたところで長くて高そうな車が止まっているのがみえた。

僕は見間違いかなと思って目をこすってみたけどどうやら本物っぽい。

この光景前に見たことがある気がするなぁっと僕は校舎に戻ろうとしたが黒服に捕まってしまった。

小鳥遊ご令嬢じゃなくて高原お嬢様の方かよ、メールでお断りしたのに強硬手段とはまいったなぁー。

車が向かった先は、人のほとんどいないサード駅前店である。

駅に近く売り上げNo1を誇っていた店なのだが見る影もなく落ちぶれている。


「高原さんこの店も向こうのと同じくしたほうがいいんじゃないの?」

席に着いたとたん口に出たのは繁盛してない可哀そうな状況だったからだ。

「あーですよね。」とはいうもののオペレーション教育に時間がかかっているようで、向こうの店で練習したスタッフが指導してオペレーションをするという感じで他店舗から研修生が来ているのだが思うように進んでいないのは長蛇の列を捌くために大忙しだからだ。

もっと暑くなればさらに売れ行きが伸びそうなので駅前店もさっさと同じ形式にしたほうが良いだろうがメニュー表など

プチ改装しなければならないので準備に時間がかかっているようであった。


「それでですね、あってほしいお友達がいるんですよ。」

「えー、僕は会いたくないってお断りしたのに。」

不満げな返答をすると高原お嬢様がちょっと焦っていた。

まあ、頼まれたらしぶしぶながらもやってしまっていたので今回もそれで行けるだろうみたいな判断をされてしまったにちがいない。

今回は強気で対処して断ってやるぞ!と鋼の意志を発動したのだが、僕のもう一つの頭脳が禁断の果実に翻弄されいまいち効果を発揮しなかった。

そんなことをやっていたら、高原お嬢様のお友達が来てしまった。


「お会いできて光栄です。私栗田ミトと申します。」

「あーそうなんですね。」ツルペタキャラは一人でいいと思うんだ。

高原お嬢様は爆発的な破壊力を有しているのに栗田お嬢様は今一つで、それじゃ僕のやる気スイッチがONにならないよ。

「私うどん屋を経営してまして、華鶴うどんという結構有名なお店なんです」

とお店のチラシを見せてきた

「あー、昨日テレビで紹介していたうどんですか。」

なんか見たことあるなと思えばテレビで紹介していたところだ。

「見ていただけたのですか!私たちのうどん店もあの太郎のようなヒット商品があればもっと伸びるのにと思っていまして。」

うどん屋はどこいっても同じじゃね?というかカップ麺のうどんがうまいしなぁと思いつつ

「うどんはあまり興味ないですし、うどん屋さんも入ったことないのでお断りさせていただきます。」

「そ、そんな。これから私が案内させていただきますので!」

必死に食らいついてきたのだが、おうどんはどれ食べても同じでしょCMバンバン流せば人くるんじゃないの?

「え、今日はこれからやることあるし、うどん屋はちょっと・・・。」

「そ、そんな転校までしたというのに――。」

え?転校生って栗田さんなの?それにしてはあったことないなぁ。

だからといって人肌脱いじゃうぞ的な考えは浮かばないのであきらめてほしい。

ふーこれで終了かと思われたが、高原お嬢様は仲間を呼ばれたようで、僕の目の前に小鳥遊ご令嬢があらわれたのだった。

「うそだろお・・・。」

僕のつぶやきは店内の空気にのまれていった。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。



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