第66話黒八木さんたら読まずに
僕はお店のキッチンを借りて、広島風太郎焼を作った。
といっても焼くのは自分たちの鉄板を使うけどね。
よくよく作り方を見てみれば広島風太郎焼に背油使われてなかったりちょいちょい足りない具材が物足りなさを感じさせる。
広島風お好み焼きに足されていた油とは何なのかといえばラードである。
お使いから戻ってきた店員さんから太郎セットを受け取り下準備を終わらせ自分の鉄板で広島風太郎焼を焼いた。
「全然違うよ!この香りだ」と野口君はいっているが僕にはえ?そんな変わらないでしょっとしか思わない。
野菜をモリモリ乗せるので小手だけで作るのは難しいなぁ。
フライパンならお皿使ってできるのにと苦戦しながらもなんとか完成させた。
仕上げに醤油ダレをかければ完成だ!
完成したら食べやすいように切り分けたんだけど太郎焼に伸びる手がすごく多いんですけど?
って思えば店員さんもお箸をのばしているのだから驚きである。
お仕事だいじょうぶなの!?と思ったが大丈夫みたいだ。
作った瞬間魔法のように消えてしまった、広島風太郎焼であるが。
「これが本物の太郎焼だぁ!」と野口君が嬉しそうに言っていたので良かっただろう。
「醤油ダレの方は太郎っぽさがあるかな」って加藤君はそんな感じの感想だしやっぱりタレ変わっただけだよね!
「あー、これ!太郎食べてるみたい!おいしい!」なんて鈴木君がいってるけど、醤油ダレかければ同じじゃないかな?
そんなに変わらんだろうという僕の思いとは裏腹に多数の意見がこれが本物の広島風太郎焼だみたいな感じだった。
「最初の作り方と全然ちがうじゃない。」と小鳥遊ご令嬢に抗議されたのだが、ラーメン屋でも使うのにこの店に供給するのは無理があるからあきらめてほしいのだ。
なんだかんだで僕たちは休日ランチを楽しんだ。
僕は狐面のお姉さんいいよねーって話をしたいのだが、みんな真面目に興味なさそうだからできないんだよなぁ・・・。
仕方がないのでSNSで同士を検索したのだが、おいおいあの店撮影禁止のはずなのに何故僕たちが盗撮されてるんだよ・・・・。
ということで、サクッと小鳥遊ご令嬢にチクっておくことにした。
その後はお狐面お姉さんファンクラブを探したのだが、着ぐるみキャラと写真を撮ったよ的な感想しか流れてこないのであきらめたのでした。
中間考査は、勉強する時間がとれなかったのはいつも遊び歩いているからだ、期末まで短いしコツコツ勉強頑張るかと思いつつ車で送迎してもらい帰宅した。
テレビをつけソファーにゴロンとしながらスマホをいじっているとうどんチェーン店の特集をやっていた。
今業界ナンバーワンのうどんチェーン店は何故人を虜にするのか?といううどんスキーによるうどんの楽しみ方みたいな番組だった。
うどんかぁ・・・。
あまり興味がないうどんである。
カップ麺のうどんがおいしいと思っているくらいなのでわざわざお店に行って食べるほどでもないだろうと。
僕は適当にテレビを流しながらスマホをいじっていた。
ネットをぽちぽちいじっているところだったのにメッセージが来たので開いてみれば、高原お嬢様からだった。
また商品開発の相談なのかと思いながら読んでみるとお友達が僕と話がしたいということだったが、ご令嬢のお友達と言うことはどこかの社長かなんかだろうし、どこで変な噂を聞きつけて僕に商品開発の話を振ってくるに違いない。
あれだな、小鳥遊令嬢が自慢話して僕のことをペラペラしゃべったからお友達からアプローチされるという結果になっているのかもしれないと想像を働かせて考えれば僕に用事が発生する理由なんてこれしかなさそうだな。
僕はやんわりお断りのメッセージを送信してほっと一安心しているとしばらくたって、またメッセージが送られてきた。
えー、高原さんからまた来てるなーって思ったらめちゃくちゃ長いお手紙がとどいた。
え?山内君の許嫁ちょっと精神的にヤバイ人なのかな?
僕は山内君のことが心配になってメッセージを送った。
僕:山内くんちょっといい?
山内:うん、大丈夫だよ?
僕:よかった。君の許嫁のことなんだけどさ、
長文のメッセージって届くことある?
山内:あー、あるよ。
僕:そうなんだぁ・・・。
山内:え、なんか問題あるの?
僕:いや、こんな長文送られるの初めてだからさ。
山内:あー、確かにほかの人からは短い文章ばかりだね。
山内君はもう慣れてるから何も感じないのか・・・。
僕:なるほどです。
山内:ちなみになんて送られてきてるの?
僕:業務報告みたいなやつ
山内:あー、大変だね。
なんとか内容はごまかしたけど、さすがに長すぎだろ。
彼女は危険じゃないみたいなことをずらーっと書かれてももはや読む気がしないので、お断りの文章と長くて読む気がしませんせめて3行以内に文章をまとめて送ってください。と添えておいた。小説なんかは長文が読めるのにメールになると読むのめんどくさいって思う現象なんていうのだろうと考えながらテレビを視聴するのだった。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
うどぅん屋さんで、うどんを頼みてんぷらなどトッピングを追加すると気が付けば1000円くらいのうどんを食べる感じになるので、その金額ならラーメンかかつ丼食べるっしょってなりがち・・・。
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