第63話炊いた肉みたいな。
僕は真っ白に燃え尽きていた。
いくら早く帰れるからといってもさんざんなテストだった。
自己採点では赤点はないとは思っているがそれにしても厳しい戦いだった。
妹はなんかすごい青い顔していたようだが、テスト中も新作やってるんだものまあ当然の結果だなとか思っているが僕もなんやかんやでギリギリだし妹のことを笑えない状況だった。
今日はダダ甘やかせ業界によるテストお疲れ様パーティーの日である。
ただの中間テストが終わっただけでパーティーというスケールのでかさはついていけない。
加藤君手配の車が迎えに来たので乗り込むとみんな揃っていた。
恨みがましく広島風太郎が食べたいといている鈴木君。
そんな君には素敵な店に案内してあげようと僕はにっこり鈴木君を見てほくそ笑むのだった。
あの店で狐面のおねー様とイチャイチャゲームしたいでござるぅ。
鈴木君はこういうパーティーや高級店は好きじゃない。
許嫁のお食事会で利用しているため苦手意識がこびりついてしまっている。
僕は僕で高級なお店の食べ物はお腹によくないから気を付けないとと思っている。
「今日はどんな人が会場にくるの?」
「参加者はうちの事務所とほかの事務所の合同だから結構いるよ100人以上はいるかも」
うげー、金持ちパーリィについていけないよ・・・。
ドレスコードはとか思ったがそんなのないらしい。
そこまで堅いパーティーではない。
僕たちは受付を済ませるために列にならび、だいぶ待たされたあと何とか受付を済ませて船に乗り込んだ。
でかいって・・・。デカすぎるって!
まるで氷山に突進する船が如く大きさなので、凄いところに来てしまったと思っている。
会場には僕が聞いたことがない名前のアイドルや芸能人ばかりだった、加藤君が教えてくれるがテレビを流し見している僕に芸能人なんて興味すらなかった。
もちろん女性も参加しているのでさながら地獄の婚活パーティーという戦場になっている。
おまえら、狩られないように注意するんだぞ。
と僕はみんなを見たがまあ大丈夫そうだ。
そう!僕が一番危ないんだけどね!
BBQで見たことある人もみかけた。
加藤君の仲いい友人で人気は加藤君の次の声優だ。
男性陣はラフな格好なのに、女性陣は気合入りまくりだ。
男性陣はその姿にドン引きしているが気づかないのは女性ばかりである。
保護者という名の許嫁がいないまたとないチャンスでもあるのだ。
一般男性よりは多少性欲があるとみられている男性芸能人は狩場に最適だろう。
ドロドロした会場の雰囲気に気圧されながら立食形式なので僕は食事を楽しもうとおもうが、男性が必ず食事や飲み物をとりにいくポイントに張り込むのは定石ですよね・・・。
僕の好みではないのでほいほいついていくことはないだろう。
他の男性を盾にしながら高そうな料理を僕は次から次へと皿にもり一人でバクバクたべていた。
鈴木君や加藤君らはほかの芸能人と交流しているが僕は興味がない。
芸能人よりビュッフェそう花より団子なのだ。
押せ押せ女性軍団にドン引きしながら回避する男性陣の攻防戦が繰り広げられ僕はそれを観戦していたのだが・・・。
「ねぇあなた、そんな会場の隅っこでなにしてるの?」
めっかっちゃった!!
くそ、なんてことだいつの間にかロックオンされているなんてと思い相手をみたが案外悪くないものである。
売り出し中でドラマCMにも出始めてる旬な女優石原南であるが、まあ当然ながら彼はしらない。
「ご飯食べるのに忙しいくて、人がいる場所だとぶつかってしまうからね!」
見ればわかるほどさらにモリモリなオカズにドリンクをもちながら器用に食べているのだ。
「そうなんだ。ねぇ、君はどこの事務所なの?」
「事務所?友達に誘われただけだから一般人だよ」なんていえば、目を輝かせる石原南である。
彼女がなにか言おうと口を開いた瞬間である。
「あっ!財布拾ってくれた人だよね!」横から現れたのは東雲飛鳥という今人気アイドルグループのセンターをしておりさらに、あのサードのCMを勝ち取りスナグラアクセス数もすごいという知らない人はいないといわれている彼女だった。
まあそんな彼女も彼はしらないのだが・・・。
横から突然入ってきた飛鳥にガンを飛ばし始める石原である。
「えーっと財布ってなんですか?」
「ほら、サードのちかくのところで。」
「ああ、なんか変なこと言ってた人ですよね」
その言葉を聞いて南が口を抑えて笑いをこらえていた。
何か気が付けば女性二人に囲まれ後ろは壁で逃げ出せないのですが?
いつの間にか袋小路においつめられたのは僕だったのか。
どうしよう誰か助けなんていねーよ。
自分から友達と離れ迂闊な行動をとっていたことに後悔するがすでに遅い。
取り合えず料理がさめる前に食べるか。
僕は逃げるのをあきらめたのだが、どうやら二人の女性はにらみ合って今にも取っ組み合いをしそうな殺伐感をだしている。
僕がそんな隙を見逃すはずもなく、ラッキーっとその隙をついてゆっくりと横移動して逃げ出すのでした。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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