第60話プレオープン

そのあとは狐面のお姉さんたちとロリで豚玉と広島風太郎焼の試食会が行われた。

僕も太郎焼をお姉さんたちに教えつつ、お好み焼きを食べまくったのである。

結局夜遅くに帰る羽目になり、早起きして勉強するかと眠れば朝はいつもの時間に起きる痛恨のミスをした。

学校ではお好み焼きの店のことを話さずに僕は昼の時間を有効活用するんだと意気込むもお舟の話で盛り上がってしまい放課後を迎えた。


放課後は長くて高級なお車に乗せられてお狐様のお好み焼き屋に拉致られるのであった。

なんでもお偉いさまがたくさん来るそうで、変な行動は慎むように注意されたがそんな上流階級の食事会に僕を巻き込まないでもらいたい。

優秀なお好み焼き屋の社員たちは語尾にこんをすでにマスターしている。

僕はなんかスーツ着せられて椅子に座っているけど、スタッフじゃなくてよかったよ。

なんか、僕のそばにべったりな狐面お姉さんがいるんだけどちょっと近いっすよ。


時間になったので店のドアがスライドすると、

「いらっしゃいませココンがコーン!」っと変なポーズと声が店全体に響き渡った。

昨晩よりパワーアップしたお狐ポーズである。

まあ招待客もあまりの出来事に放心状態といったところだろう。

さすがにあんな挨拶されるとは思ってないから驚くよね

椅子に座っているわけもいかず僕は立って軽く会釈するという行動でその場をしのいでいたが、何ですか?ここは女の園ですかね。

招待客は女性ばかりなのでちょっと肩身が狭い。野口君呼んでないのか。

ここで小鳥遊ご令嬢から挨拶が始まり、招待客に一部も挨拶の言葉があり、プレオープンがスタートした。


客のテーブルにスタンバイな狐お姉さんズからこんこんと声が聞こえる。

ここはパラダイスですか?

コンセプトお好み焼き屋という混ぜるな馬鹿もん!ジャンルにやはり招待客は唖然としていた。

あー、いかにもワイン頼みそうな客が丁半ゲームしてるよ。

ゲームにまけてひと睨みしてなんとかゲームの勝敗を圧力でなしにしようとしてるとか怖すぎる現場を目撃するなどしていたが、僕は急に調理場に呼ばれてみれば、広島風太郎焼の仕込みの手伝いをさせられた。


滅茶苦茶準備に時間かかるからしかたがない。

みんな普通のお好み焼きは食べたことあるけどこれはないからね。

全員太郎焼頼んだのかよ。

地獄だなぁ・・・。

次々ゆであがる麺にネギ塩ダレを合える作業にキャベツの千切り作業を手伝い裏方の人で不足のサポートに貢献したのだった。

今度はフロアから声がかかり、太郎焼の焼き方がわからないという声がかかった。

狐のお姉さんたちつくれるでしょ!っと思いつつテーブル席には高原お嬢さまがいるのである。


ああ、この人も今流行りのあのサードの社長さんだもんなぁー、そりゃあいるかぁ。

「佐々木様お久しぶりです!佐々木様が作ってくださるそうで楽しみにしています♪」

「ではさっそく、広島風太郎焼作りますねー」

さすがに僕が語尾にこんをつけるわけにはいかない。

広島風太郎焼を作るために袖まくりをするとキャーっと黄色い悲鳴が上がる。

なんだこれ、僕はメン地下じゃないからな!

高原お嬢様のお友達3人とまあ太郎焼一枚でかなりのボリュームだし4人分は楽勝だろう。

僕は一生懸命広島風太郎焼をジュージューしていた。

すごいですわーとか声が聞こえる、うへへ。

4等分にしてからさらに食べやすいサイズに切り分けると一仕事終わった。

「佐々木様ありがとうございます!」

「お仕事なので!お気になさらずに」お金もらってないけどな!

さっきからお嬢様たちが僕に熱い視線を向けてくるのものだから僕は足早に退散するのだった。


それにしても大人気だなツーショット写真。

スナグラ映えする狐お姉さんとのツーショットって感じだろう。

「あなたやるわね。スナグラにあげる写真を有料にするなんて」

いつの間にか近くにいた小鳥遊お嬢様にほめられていた。

偶然の産物であるスナグラのことなんてこれっぽっちも意識していない。

店内は撮影禁止だけどね。

ツーショットは有料というこれが効いているのだろう。


お金を払ってツーショット写真がとれるサービスというのは新しいのだろう。

いや、店内撮影禁止がそもそもめずらしいのか。

最初はドン引きサービスも始まってみれば好評だった。

特に丁半やおみくじがやけに好評である。

運が良ければお酒のサイズアップが無料でできるかもとか運が良ければサイドメニュー割引券がもらえるとかそういったお得に弱いのか?

上流階級な人でもそんなわけないだろう。

狐面のおねーさんとミニゲームは楽しそう!

酒が入っていればもっと楽しいだろうなぁ。

僕もお姉さんとミニゲームしたい!!


大体太郎がヘビーすぎるので太郎を頼んで、ドリンクとちょこっとサイド頼めればいいか程度であり大人数でシェアできないと結構きつい感じの量というのがプレオープンで感じたサイズ感である。

広島風太郎焼ハーフサイズが追加されることだろう。

ハーフサイズがメインサーズでそのハーフサイズが売れ筋なんだろうなぁ。

あと、やはりソースより醤油ダレの方がうまい!勝手に高原嬢の広島風太郎焼に醤油ダレかけてきちゃったけどね。

お姉さんたちはお面をかぶっているから顔が熱くて仕方がないのだろう。

これはフロアスタッフ大変だなぁ・・・。

疲れたので椅子に座って休憩していると一口大に切った熱々のお好み焼きを口に突っ込まれた。

お口の中がヴォルケーノの状態で涙目になってしまった。

突然の小鳥遊ご令嬢の乱暴的なあーんにびっくりだよ。

「想定以上にうまくいったわ。」

「それはよかったですね。」

それにしてももち入り豚玉を口に突っ込んでくるとはちょっとどうかしてると思うんだよな・・・。

店内に響くおいしくなれーここんがこーんが良い味をだしていた。

カリカリお揚げは売れたけど、お稲荷さんはうれなかった。

そりゃ、メインが重すぎてサイド入れる余裕ないのが欠点だな・・・。

こういう店はいかにサイドを頼ませるかトッピングを増やさせるかだからな広島風太郎焼と相性が悪いが極太麺がもちもちしておいしいって好評なので店泣かせの一品なのだった。

作り方も結構難しいから従業員泣かせでもあるか。

それにしても誰かわからんが狐面のお嬢さんが僕の尻タッチしたり揉んだりとセクハラムーブをかましてるんだよな。

ほんと困るよ、おかげで僕は時々椅子に座らなくてはいけなくなるのだ。

そんなハプニングもありつつ無事プレオープンは成功した。

グルメ記者やマスコミが大いに記事を書いてくれることだろう。

というかもうこんな時間じゃないか明日からテストがあるのにどうしてくれる!!

謎のセクハラ狐面女子の正体はわからずじまい、勉強もろくにしてないまま家に帰れば、そういえばテスト明日なのに妹は新作ゲーム・・・。

似たもの兄妹で試験に突入果たしてテストの出来は・・・

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。






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