第57話ラーメンスープDXごはんセット。
早炊きによりご飯が炊きあがるのは大体30分後である。
まあ、炊飯器も何台かあるみたいだから多分フル稼働なんだろうなぁ・・・。
野口君はスープを温め始めた。
太郎の極太麺がスープを吸っているので器に残ったスープは三分の一程度なので追いスープが必要と判断したのだろう。
皆自主的に動いているけど、なんで僕に視線を向けるのですか?
仕方がないのでまずはゆで卵を作った。
鈴木家の卵ストックはすごいな・・・。
時間を計り半熟卵に仕上げるとして、白ごま、ねぎを刻み、のりはちぎって準備しておく。
顆粒出汁を準備しているとタイマーがなったので卵を冷やして剥いておく。
ちょこっとだけ残ったチャーシューも細かく刻み盛り付けセットは完成した。
ちょうどごはんが炊けた。
炊飯器の蓋を開けるとほかほかと湯気が立ち上る。
さすが炊き立てご飯はおいしそうな炊きあがりであった。
ご飯茶碗でお米を成型してまずは自分のどんぶりにご飯を入れ追いスープをする。
味を確かめるとちょっと薄いのでかえしをいれてコショウ少々を追加する。
顆粒出汁を入れて味を調え、白ごま、半分に切った半熟煮卵、ちぎりのり、刻みネギ&チャーシューそしてフライパンで熱した熱々ごま油+ラー油をネギにかける。
じゅわーっと音がするとみんな一斉に「おぉ!」っとリアクションを取っていた。
はい!お待ちぃ!これが太郎スープライスDXだぁ!と出来上がりを見せたらいつの間にかレンゲを構えて準備万端で僕のを食べようとしていた。
ぼくは慌てて野口君を静止させる。
「野口くんすとーっぷ!全員分あるから!」ということで僕はいそいそと全員分のDXセットをするのでした。
鈴木君がシスターズを呼び出し、駆けつけたシスターズがまた配膳に来てはいそいそとラーメンどんぶりを運んで行った。
野口君はどこかにメッセージを送信しているのかスマホを見てほくそ笑んでいる。
一番最初に作ったためスープがお米に吸われているので僕は追いスープをして調整して食べることになった。
ごま油の風味もあるが、ラー油のちょい辛加減が食欲を増進させる。
鈴木君と野口君は、競うようにお茶漬けみたいにがつがつと食べていた。
男性陣のスープは、大量のすりおろしニンニクが溶け込んでいるのでさらにガッツリ感が増している。
野口君はメッセージのやり取りをしつつ空になった器を見つめていた。
そんな悲しそうな目をしても、もうおかわりはありませんよ?
これは皆動けないほど食べてしまったと思う。
大豚野菜増しにごはんだからな。
大豚だけでも相当なのに追いご飯はさすがに食べすぎでしょ。
午後からの勉強なんてないも同然じゃないか・・・・。
テスト勉強は本当に進まないものだなぁ。
家太郎作りに来たわけじゃないのだがまあ腹がぱんぱんで動けないのだから仕方がないのだ。
先ほどから野口君はメッセに夢中である。
すると僕にメッセージが飛んできた。
中川店長からだ。
なんで私に太郎の新作食べさせてくれないんですかとクレームメッセージである。
野口君が太郎自慢して中川店長を悔しがらせていたみたいだ。
新作なんて作ってないですよ、今日は勉強会だから午後から勉強頑張りますみたいなことを送っておいた。
中川店長に弟子入り?してスープを教えてもらったのに煽るとは何て奴だ野口君。
というかこのスープ鈴木家に置いといていいのか?今日中に空になりそうで怖いんだけど・・・。
太郎スープのうまさを知ってしまった鈴木家なので、スープが明日まで残っている保証は・・。
まあ、今日は夕食食べなくてもいいくらい食べたから今日中になくなることはないだろう。
鈴木君は野口君にかえしの作り方を聞いていた。
家太郎熟練者に聞くなんて偉すぎるぞ鈴木君!
気分を良くした野口君は家太郎のコツなど熱くしゃべっていたと思えば。
野口君は広島風太郎焼の画像をみんなに見せびらかしていた。
「え?なにこれお好み焼きだけどなんで太い麺が入っているの?」
そう、お好み焼きといえば基本大阪である。
これは揺るぎのない事実であり広島風といわれてもピンとこないドマイナー焼である。
蒸されてクタクタになった野菜に混ぜそばの濃い味付けの太郎の極太麺がマッチしてとても食べ応えがあるお好み焼きである。
これをおかずにご飯を食べるのは無謀なほどのボリュームは確実な一品だ。
「これ広島焼ってやつだけどめちゃくちゃ麺太いね!」加藤君はさすが芸能人だうまいものを食べ歩いているのだろう。
「この麺って太郎のやつ?」
と山内君の鋭い洞察力に野口は満面の笑みをうかべながら
「そうなんだよ、これは太郎の麺を使った広島風お好み焼きなんだ。極太麺にもしっかりと味が付いていてもうネギとニンニクの香りがすごいの、それに加えて野菜も蒸されてクタクタになってるから野菜マシマシな量でもペロリってたべられちゃってさ、お好み焼きって多少物足りなさは感じるけどこれは途中でお腹いっぱいになるくらいの量でちょっとピリ辛だから麦茶も沢山飲んじゃってさ」と野口君のマシンガントークがさく裂したがみんな興味津々で話を聴いていた。
ネギ塩ダレはおいしいよね。
とこれから僕に広島風太郎焼を作れコールが巻き起こりそうな悪寒を感じて妄想の世界に逃げようと試みたがなんとも難しいものだ。
メッセージは新作楽しみに待ってますと中川店長から野口君の画像が送られてくるしやはりこの面子じゃ勉強会は無理があるということが分かっただけでも収穫か。
それにしても今のロリは小豚野菜まし+ラーメンライスをペロリと食べられるんだなぁって感心している。
妹なら小豚野菜ましでギブ寸前だろうに、鈴木家がいっぱい食べるのかうちの妹が食べないだけなのか。
みんなの期待の眼差しを受けながら僕は現実逃避するのだった。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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