第55話リベンジとシスターズ

勉強会といいつつほとんど雑談で時間を浪費して遅々として進まぬテスト勉強であるがそろそろ昼食に最適な時間になってしまい、こうなるとどうも勉強する気分になれない。

さて、お昼をたべる準備でもするかと野口君をつれて台所へと向かってみれば、僕のバックの中身が机の上に並べられていた。

や、やばい!野口君にスープを作っていたことがみつかったらどうなることやらとひやひやである。


「悪戯とはけしからんな。鈴木君をよんで今すぐ公開説教してやる!」

野口君はそれどころではなくおこ状態だったので今のうちに僕は荷物の整理をすることにした。

鍋で野菜を茹でるためにお湯を沸かす準備をしながら、ささっとスープをバックにしまおうとしたが、がしっと腕をつかまれた。

「佐々木君、これってすーぷだよね?」

「うん、そうだけど」

「おかしいと思ったんだよ、あの佐々木君がスープをつくっていないから、今回の勝負はお預けかとおもったけどやっぱり君は僕の期待を裏切らないみたいだ!」

なんで少年漫画張りのバトル展開のような感じをかもしだしてるんだ、別に野口君と勝負してるわけじゃないしなんでそんなに僕と勝負したがるんだよ。

「ちょっとまってて、いま三人呼んでくるから」

と野口君は僕のスープと自分のスープの味比べをする審査員にあの3人を起用するつもりらしい。


野口君の頭からお説教が吹っ飛んでしまい、今はあの時のリベンジマッチでみたされているのだろう。

はぁ、また面倒なことにならなければいいがと思いつつとりあえず1杯分のスープの準備をして待つことにした。

3人を連れた野口君は明らかにウキウキしている。

太郎は無化調ラーメンである。

だからといって昆布や干椎茸など入ってないのにあんなに馬鹿うまいのは謎なのだが、僕は家太郎ということで禁断の化学調味料を解禁し、化調太郎という次のステージの太郎をつくっていた。

化学調味料が悪いわけではない、ただあまりにもうますぎて脳がバグってしまう一種の麻薬的なものがあるからだ。

適度なうまみならいいが行き過ぎたうまみは中毒性を生みまたあれが食べたいという意欲にかられてしまう。


身近なものだと砂糖がそれにあたるだろう。

甘さは人をバグらせるがうまさも同じでほどほどがいいのだが今回は家太郎である。

家で手軽においしい馬鹿うまい太郎というコンセプトだ。

BBQの時の魚介出汁太郎くらいのインパクトがありお値段もそんなにかかっていないお財布に優しくそしてうま味がだせるとはなんて恐ろしい化学調味料なんだろう。

ということで温めておいた野口君のスープと僕のスープにかえしを入れて茹でた野菜をいれたスープ太郎を3人分用意していたら。

あれ?俺の分は?みたいに首をかしげている野口君である。君審査員じゃないでしょ・・・。


小皿なので一口分なので秒でスープ太郎が完食されていく。

「うまい!特に右側のやつがうまい!!」と鈴木君が大絶賛。

「圧倒的に右側がおいしいよね!」と加藤君も鈴木君に続いて絶賛する。

「あーっと、右側だよねやっぱり」と遅ればせながら山内君もみんな右側のスープがうまいといっていた。

あー、またかってしまったのか。すまんな!

そう、右側のスープは封印を解き放たれし化調太郎なので圧倒的うまさで断トツだろう。

簡単にうまみをだして脳をバグらせ中毒性を強めてしまうが決してそれがわるいとは思わない。

どんなものでも量の取りすぎが悪いのだ、太郎みたいに糖に脂肪とうまさてんこ盛りなのに化調が入ったところで

無化調でも中毒性が高いのに化調のせいで中毒性がとは言われたくないくらいうま味に特化したラーメンなのは確かだ。

野口君は僕のスープを飲んで愕然としていた。

野口君のリベンジは失敗したどころか完敗である。

オリジナルスープを超えるインフレスープを出されたのだから太刀打ちしようがないだろう。


化調による味のインフレで大体の店が簡単にSSR級に昇格するので残るのはパフォーマンスなどの情報だ。

隠れ家的とかそういう付加価値により店が選ばれやすくなる。

なので無化調で昆布や椎茸を使わずに無双している現状太郎は化物といっても過言ではない。

化調を使わず複雑なうまみを引き出す店は高級店に多いが、

大衆店で無化調でそれいでいて比較的安価なラーメンはチートすぎですね。

そんなスープに化調という鬼にサブマシンガンもたせればもう勝ち目はないだろう。

「うますぎる、どうして佐々木君のスープはこんなにもうまいんだ。」

悔し泣きしてる野口君におかわりを要求する三人組とカオスである

「すぐ太郎作るからまってて!!」


戦闘不能状態の野口君に活を入れ、戦闘復帰させたあと僕たちはいそいそと太郎をつくる準備に取り掛かると

どたどたと奥の廊下から足音が聞こえてきた。

ばーんと飛び出してきた悪戯っ子の登場である

「私たちが作ってあげようと思ったに!料理作れてすごいってなるはずだったのに!すぐに作れない状態なんだもん!もっと簡単に用意できるようにしておいてよね!」

なんだこの〇スガキムーブは

僕と野口君の手柄をかすめ取ろうとして失敗した鈴木シスターズである。

自らの犯行だとゲロっちゃうかわいらしい感じであるのだが、周囲はイラッとしている空気が流れ込んでいる。

「お仕置きの時間だ!」鈴木君がそう告げると

メ〇ガキたちは恐怖にふるえてその場で腰をぬかすのであった。

*******************************************************

感想や応援、評価の★3レビュー等ご協力お願いします!

この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。


ざこ♡ざこ♡おにーさん♡、ざーこざこっていうキャラじゃないし

かといってそこまでメスガ〇感も出してないちょい小生意気な感じ

をメス〇キとしているがまあギリギリセーフだろう。

野菜茹でて麺を茹でてかえしとスープ合わせてあとは盛り付ければ完成と

ほぼ出来上がっている状態で難しいのであればカップ麺か冷食くらいのレベルじゃないと作れない気もする・・・・。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る