第50話炎上の理由は...。
やらかし声優の深堀をしようとしたが、昼休みの時間は残りわずかということで断念した。
教室に戻ってみればそこはもぬけのからになっているが、次の予定に移動教室はなかったはずだ。
黒板を見てもメッセージは残させていないということは・・・・。
僕は大人しく自席で待つことにした。
チャイムが鳴り教室に入ってきたのは教師だった。
やはり移動教室ではないのだがみんなどこへ行ってしまったのだろう。
そして、誰もいない教室で教師と二人きりはちょっとまずいのではと・・・。
数学教師の森下先生の喉がごくりと動いた気がした。
沈黙と緊張感というなんとも居心地の悪い教室の空気をぶち壊すがごとく女子たちが戻ってきた。
僕はホッとしたのだが彼女たちはいったいどこへ行っていたのだろうか。
そんな謎を抱えつつ普通に授業が始まった。
放課後はお待ちかねの街ブラの時間だ。
街ブラして何をするのかといえば、清楚系お姉さんからの逆ナン確率をあげたり、流行りをキャッチしたりといろいろ情報を足で探すためでもある。
テレビはスポンサーの意向を受けて流行らせたいものを流行だと騒ぐ傾向にあるので僕はネットもいいがこうやって肌で感じるのもわるくないだろう。
最近の流行りはなんといってもサードのフラペチーノだ。
駅前の人通りがぱっと見へるぐらいそっちへ流れている。
太郎専門店もサードも駅から離れている店舗なので
駅前店舗は売り上げが厳しいのだろうか値下げにより客を呼び戻そうとしている店が多かった。
なんというか心躍る玩具がないんだよなー。
ハイパーなヨーヨーとかああいうギミック搭載された昔ながらの玩具みたいなのとか本当に見当たらない。
男心を刺激する特撮もロボもないのだから本当に男の娯楽はあまりなく。
やることないからヤルことしよう?的な感じになるのだろうか。
趣味がない男性は筋トレが唯一の趣味みたいになるのだろう。
釣りは結構危険度高いからなぁ・・。
複数人で固まってじゃないといけないのが釣りである。
そう僕みたいにソロ活が多いとできないんだよねぇ・・。
僕もこの世界に慣れたと思い込んでいた。
油断があったんだと思う。
自宅への帰り道のことだ。
こんな季節にロングコートを着た女性が前から歩いてきた。
あたりは薄暗いのに帽子にサングラスとマスクと変な格好である。
靴はスニーカーでどういうコンセプト何だろうという格好だ。
女性と僕の距離が近づいたときである。
その女性はおもむろにロングコートをバサッと広げはじめた
下には何も着ておらず全裸だぁ!蟹股だぁ!!
「うおぉぉぉぉぉ!!!」
つい僕は歓喜の雄たけびをあげてしまった。
ちゃんと毛の処理してるんだというぷち感動。
これがラッキースケベって奴なのか!!
彼は勘違いしているかよくいる露出狂である。
張りのある胸引き締まったボディーなので眼福しかない状況に僕は慌ててスマホを取り出し写真を撮りまくった。
スマホを取り出した時点で通報されると思ったのか露出狂のお姉さんはコートを閉じて逃走してしまった。
写真は間に合ったのか!!と確認するが手振れでひどいことになっていた。
そんなぁ、あんまりだよ・・・・。
野生の痴女が現れた!!という千載一遇の機会を逃してしまった。
くそっ!もっとじっくり鑑賞させてほしかった・・・。
あまりにも早い逃走に僕は追いかけることすらできない。
彼女はやりなれたプロなのだろう。
逃走しやすいようにスニーカーで顔を視認できなくするための完全防備だ。
ということは次回もチャレンジできる可能性が・・なんて思っていたが、ライダースーツ姿の女性につかまっていましたとさ。
僕はガッカリしながら帰宅した。
まあテレビをつければ醜い女性の上半身の裸体は見られるのだが、あれは放送事故だと思う。
お笑い芸人という笑えない行動でお茶の間をフリーズさせる人たちが映ると僕は警戒してチャンネルを変えるようにしている。
珍しく妹は夕食をまだ済ませていなかったようだ。
夕食の用意がてら、妹に幽鬼さんについていろいろ聞いてみようということで僕は話をふった。
「声優の幽鬼さんって知ってる?」
「ああ!お兄ちゃんその名前出さないで!本当にムカつくんだから」
妹はぷんぷんしている。
「何があったの?昼休みに炎上してるって話題にでたけど原因がわからなくて」
「あの人一週間も前から匂わせまがいなことやって、私たちを挑発してるんだものそりゃ炎上はするよ。」
私たち?実は僕の妹はいっぱいいましたってことかな?
まあ、加藤君ファンのことだとおもうけど。
匂わせかぁ、加藤君も心当たりないって言ってるし彼は幽鬼さんのSNSみてないんだろうなぁ。
炎上を仕込み自分の出演で再生数をどかーんとあげるみたいな感じの戦略なのだろうか。
炎上して注目を集めたいという芸能人は結構いる。
SNSで話題になるのは悪名でもなんでもいいのだ。
僕は妹の愚痴に付き合いながら一緒に夕飯を食べることになった、妹の口から加藤君の話を聴くとやはり複雑な気持ちになるのでした。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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