第49話オールウェイズ

ついに太郎を履修しましたとグルチャにメッセージをなげる。

Vサインの絵文字とともに送られる写真


ともちぃ:のぞのぞおめでとう!よかったね!

ユッキー:おめでとう!

ミホ:おめでとう!なんだけど一ついいかな?

私:なに?

ミホ:のぞのぞのラーメンの奥に山のようにそびえる野菜が見えるんだけど・・・。

私:あー、背景だよ気にしないで。

ユッキー:これは誰かと食事に行ってるな

ともちぃ:まさかとは思うがお兄さんじゃないだろうな?

私:一人で食べてるよ

と私はお腹が苦しい中苦しい言い訳をしていた。

するとユッキーが拡大写真を張り付けてきたのだ。

明らかに男性の手であると思われるものが映り込んでいる。

ミホ:もう、言い逃れはできないよ!白状しな!!

私:お兄ちゃんと食事に出かけてますがなにか?

ユッキー:開き直ったなぁ!!どういうことだ私たちを呼ばないとは!!えぇ!!

ミホ:そうだ!お兄様との食事会をセッティングしても良い仲だろ!!

たしかに仲良しだけど残念ながら兄と食事会をセッティングするような仲ではない。

ともちぃ:ちょっと聞いておきたいんだけどいまお店にいる?

私:もう自宅にいるよ。

ともちぃ:ちっ対策は万全か。

ミホ:SNSでこんな動画見つけたんだけど・・・・。

それはお兄ちゃんが太郎をむしゃむしゃしている動画だった。

ミホ:!?まだ、店内にいる可能性が高いだ・・・と・・・

ミホ:あっ!しまった。出遅れた!

ほかの二人は外出する準備で忙しいのだろう。

早くこの場を離れなければ三人につかまってしまう!?


一方そのころ。

「最近暑くなってきて、そろそろ太郎も売れなくなるって心配していまして・・・。」

弱気な中川店長である。

「そんなことはない、太郎は暑かろうが寒かろうが万能だ!!」

太郎はオールウェイズなのである。

灼熱の太陽に照らされながら黒烏龍片手に列に並び、冬の寒さに耐えながら辛抱強く太郎をまつそれが太郎道というものだ!!

とはいえまあ冷やし中華など食べたい気持ちもよくわかる。

僕はおもむろに麺を一玉つかむと茹で始めた。

返しに酢をドボドボいれ砂糖をドバーした。

甘酸っぱい醤油ダレに魚粉と少量のスープを加え、氷でキンキンに冷やす。

固まった油は取り除くのがポイントだ。

後は麺を引き上げたら大量の氷で冷やした氷水で麺を洗い絞める。

どんぶりで麺とスープをよく絡ませた後に、ネギ、ニンニク、ヤサイ、ゆで卵、細かく刻んだチャー様をのせ、カレー粉入りのマヨネーズでデコれば完成

冷やし太郎である。

お酢でさっぱり、カレー風味で食欲マシマシ、アブラの代わりにマヨでこってりかんを演出という感じだ。

中川店長らは一斉に試食しはじめる、試食というかあっというまに完食されていた。

「これはおいしいです!!さっぱりしてますしカレー風味がいいですね!」

と好評なので僕は大満足であった。

豆板醬でチャー様を辛くした赤い冷やし太郎もいいかもしれない。

とワイワイやっていましたとさ。


お兄ちゃんが席に戻ってきた!

「もう!どこ行ってたの早く帰らないと!」

「おいおい、そんなに急いでどこ行くんだいお嬢さん?」

「なにのんきなこと言ってるの!」

私が今ピンチな状況だということは、私だけが知っている情報で共有していない

というかド天然お兄ちゃんに話せばじゃあ、お食事会しちゃおうか?って返ってきそうだから怖くて話せません!

「ははーん、さてはリアルタイム視聴したいテレビがあるんだね!」

私は激しく肯定の意味で首を振ると

「しょうがないなー急いで帰りますか」と店をでた。

会計してないけど食い逃げだよ!って思った。

「お兄ちゃんお会計は?」

「もうすでにすんでるから店を出たんだよ。」

きたー!勝負は女神が微笑んだのだ!おにいちゃん有難う!!

こうして私のお財布は守護され今月の新作を無事に確保できることが決定した瞬間でもあった。

普通女性が奢るのが常識だがお兄ちゃんはおごってくれるのだ。

そんなの、惚れてしまうやろー。


ユッキーからメッセージが届いたが店に入ったら怒られたという涙顔文字付きである。

私は割り込みしたらそりゃ怒られるでしょと返信しておいた。

うわーん騙されたー演技派めぇと悔し泣き絵文字を送信された。

他の二人も騙されたことに気が付いたらしく私に抗議のメッセージを送ってきた。

あと3分遅く出てたら間違いなく捕まっていただろうギリギリセーフであった。

帰宅するとお兄ちゃんはあれだけ胃袋にラーメンを詰め込んでおいてアイスを食べていた。

よく入るなぁと思う。

ごろ寝しながらテレビをつけてスマホをいじりだすお兄ちゃんを見ながらやはりお兄ちゃんは一般的な男性ではないなと思う。

私は八城燈火のファンコミュに太郎履修しました!と書き込めばいいねが沢山ついた。

これで私も胸を張ってファンだといえるぞ!とファン必修課題をクリアしご満悦だった。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。


あまりにも筆が進んで2話のボリュームになってしまった。

ただ履修する話を書いただけなのに・・・。




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