第48話履修
男性というのはランチにパスタちゅるちゅるライク。
大体の男性アーティストやアイドルたちはこういう。
Q好きな食べ物はなんですか?
Aやはり、パスタですかね。
ということで女子の大半は男子がパスタ好きだと思っているが
お兄ちゃんは変わり者なのでパスタを食べている姿を見たことがない。
軽い食事はパンだししっかり食べたいときはごはんを食べているので、お兄ちゃんは特別だと思っている。
休日の予定に私は太郎履修を考えていた。
しかし、太郎にもお作法が存在するらしく私はとても緊張してしまう。
友達を呼ぼうかソロ活するか悩みながらお財布をあけてみるととても悲しい現実を目の当たりにしてしまう。
こ、この金額じゃ新作購入したら今月はすっからかんだ!
最近流行りのドリンク、フラペチーノなるものはクラスで大流行している。
皆遅刻ギリギリで教室に雪崩れ込むほどだ、確かニュースでバスが満員で不満が続出しているので一便増やすという話が上がっているみたい。
私の友達も購入していたが、私はまだ飲んだことがない。
流行に乗り遅れるのは別にかまわないが、おいしいと聞くと飲みたくなるのも事実。
今月の新作を死守するには最低限我慢は必要である。
彼女は知らない
大体の食材構成が太郎まんまなお好み焼きはもちもち麺に噛み応え抜群でありこれ普通の焼きそば麺よりおいしい!と絶賛していたアレである。
そうだ!お兄ちゃんはまだ太郎を食べたことがないはず!
太郎が出てる番組を見ながら「食べたいなぁ」って呟いてるくらいだもの!
私がそのきっかけをつくてあげようじゃないか!お兄ちゃんのために一肩脱ぐ妹は好感度高いはず!そうすればお礼の太郎おごりも!!
早速行動に移した。
お兄ちゃんは休日の朝は何も食べない派なのでお昼はおなかぺこぺこになっている今がベストタイミング。
さっそくリビングに行くとテレビをつけながらソファーでゴロゴロスマホをいじっている姿を確認した。
「おにいちゃん!お昼私がラーメン屋さんに連れて行ってあげる!」
「お?これはこれはごちそうさまです。」
予想外の反応に私は対応できなかった。
これはすぐに反論しない私の驕りになってしまう。
「ちがうよお兄ちゃん私はおごるなんて言ってないからね!」
「えぇ!そうなの?言葉通り一緒にラーメン食べに行こうってことなの?」
「そうだよ!それしか言ってないよ!」ぷんぷんポーズで奢らないぞという意思を伝えた私の攻防戦は勝利に終わった。
「今日休日だしさすがに混むでしょ?」
勝負はついたと思い油断していたところまさか追撃された!?
「でもでも、夜中も混むし学校で疲れて並ぶのとだと休日のほうがましだと思うんだ!」どうだ、学校で疲れた体で並ぶのしんどいけど
休みのほうがましでしょ?というテクニックはさすがに効いただろう。
「休日はゆっくりしたい気分だしなぁ。」といいつつお兄ちゃんはスマホでどこかに連絡していた。
「まあ、そんなに食べたいというならラーメン屋にいこうじゃないか。」と何とか辛勝ながらも順調に事が進んでいる。
あとは太郎を奢ってもらえば私の完全勝利となる。
ということで私とお兄ちゃんはラーメン屋にお出かけなのだ。
11:50分ごろまでお店に行けばいいとかなんとかお兄ちゃんが言っていたけどラーメン店は予約受け付けていない。
店に到着すると長蛇の列ができていた、何時間待ちなの?って思うほどだがお兄ちゃんはそんな列に並ぶことなく店にはいっていく。
あれれ?列に並ばないとたべられないんだよ?
と疑問に思いながらついていくと店のほうに進んでいき一か所だけ空いていたテーブル席に座ったのだった。
「え?お兄ちゃん勝手に座ったら怒られるよ?」
「ああ、予約席だから問題ないよ、ほら、座って座って。」
店員が早速注文を取りにやってくると
「大豚全マシマシでおなしゃす!」と呪文を唱え始めた。
え?なにその呪文??と私が困惑していると
「妹には小豚アブラ少なめ野菜ニンニクましとギョクで」というと店員はペコリと頭を下げて去っていった。
「おにいちゃん!私の注文勝手に言わないでよね!」
「初心者おすすめ安心セットだから安心してくれ!初太郎で失敗はトラウマレベルだからな。」
とわけのわからないことを言っておりました。
少し待っていると富士山のように野菜が盛られた器が運び込まれお兄ちゃんの前に置かれた。
「え?それラーメンなの?」
「どっからどう見てもラーメンだと思うよ。」
私にはもやしの山にしか見えなかった。
モヤシマウンテンをお兄ちゃんはラーメンと呼ぶなんてどこかに頭をうったのかな?と思ったけど
そういえばお兄ちゃんは私の分も注文していたようなと思い出し私は顔が真っ青になった。
まって!モヤシマウンテンなんて食べられないよ!
と思えばかわいらしい小山の野菜たちが盛られたラーメンが運ばれてきて一安心である。
そして何故か小鉢でおかれる生卵。
「お兄ちゃん!この生卵何に使うの?」
「ああ、半分くらい食べたらその生卵に麺をつけて食べるんだよ。それでもだめならスキヤキにするといいよ。」
私はスマホを取り出し友達に送るようにと写真に納める。
というとお兄ちゃんは野菜の山たちと闘い始めた。
この店でも久しぶりにみる野菜マシマシマウンテンに客も釘付けだ。
男の子が野菜の山をモリモリと食べて減らしている圧巻のライヴ感に客はゴクリと唾を見込んだ。
うっ・・・。お兄ちゃんのより少ないとは言え結構な野菜のボリュームに苦戦していると。
「野菜が減ったら天地返しをして野菜をクタクタにしたほうが良いよ」とアドバイスをもらったのだが天地返しとは?となる
「野菜を底に沈めて麺を上に出す感じでひっくり返すんだけど」といわれてあ!ってなった。
私は野菜と麺の位置をひっくり返すことに成功した。
「ひっくりかえすのうまいじゃん!」とお兄ちゃんにも褒められて私は有頂天になってしまいそうである。
極太麺の攻略をしなくては、ラーメンとは思えない極太麺だがこの麺どこかで見たようなことがあったような・・・。
もちもちしながらも噛み応え抜群の麺は病みつきになりそう。
少量の油と麺とニンニクをレンゲに乗せミニラーメンを作って食べるともう幸せの波が押し寄せてくる。
これは脳みそがバグりそうな味である。
「おいしぃぃ!」思わず声が漏れてしまううまさだがお兄ちゃんの無心で食べる姿はダイナミック、そして客の視線が私たちに集まっていることに気が付いた。というかお兄ちゃんをみんな見てるんですけど!?
あっという間に野菜を攻略しつつあるので私も早く食べないとと麺を順調にすすっていった。
お兄ちゃんってこんなに食べる人だったの?ってくらい食べるので本当に吃驚している。
そういえば半分くらい食べたら生卵につけて食べればいいんだよね。
私はつけ麺のように生卵に極太麺をくぐらせて食べると味がまろやかになりさっぱりとして食べやすかった。
これならまだまだ食べられるかも!スキヤキ?っていうのにも興味がある。
「お兄ちゃん?スキヤキってなに?」
「ほぅ、お主やるのぉ。」とお兄ちゃんはポケットからお魚さんを取り出した。
お魚の形をしたタレを入れる容器である。
すると私の生卵にぶちゅっと茶色い液体をいれたのだった。
「えぇぇ!何入れたの!?」
「え?スキヤキのタレですが?甘くておいしいよ?」
謎の液体の正体はすき焼きのタレでした。
スキヤキのタレの甘さとコクが生卵と合わさり最強になりました。
もう、私を止めるものはいない!!というくらい相性がよかった。
すごくおいしいのであっという間にスキヤキタレがなくなってしまった。
というかお兄ちゃんなんでそんなもの持ち歩いているのだろうと疑問は残るものの、もうお腹は苦しい。
私は今極太チャーシューに苦戦している。
やはりお兄ちゃんみたいに先に食べておくべきだった。
後半に残ったチャーシューはラスボス級である。
いくら柔らかチャーシューといえ満腹時に食べると思いのほかヘヴィーなのだ。
根性で食べ進めギリギリで完食した。
なるほど、これは履修すべきラーメンだと満腹すぎて動けなくなると同時に満足感がすごかった。
お兄ちゃんも普通に食べ終わっているのだからもうすごい。
食べ終わると一斉に拍手が巻き起こった。
えぇぇ!?一体何がどうなってるの!?
そのあとお兄ちゃんは店員さんに呼び出され
取り残された私は休憩しながら友達に太郎履修した報告をするのだった。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
果たして太郎の料金は割り勘なのかそれとも驕りなになるのだろうか勝負の行方とは・・・。
今週の新作購入となるのか!?
多分妹とデート回です!
女の子とお出かけすればそれはデートなのさ。
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