第47話悲しきショップ店員

許嫁システムは、効率的に男女を婚姻させ出産へと導ける合理的な制度である。

男性が女性不信に陥り婚姻しないというケースを完全回避できたのはいいのだが

それが権力者に偏ってしまうために、精子バンク制度を設けたが、男性が少ないのでどっちみち精子バンクは必要なのだが。

女性嫌悪な男性は多く女性の肌の露出や派手さ、女性らしさを強調する衣服などを嫌悪する傾向にあり、地味目なファッションが流行った。

女性がモテたいと思い自分の肉体を武器にするほど男性が引いていくという悲しいサイクルが生まれる。

ハーレムの末席に加われる期待もむなしく権力者のお友達で固められてしまい入る席すら用意されていなかった。

まさに、お前の席ねぇーから!状態である。


そこに少しでも可能性があれば、一般女性もやる気に満ち溢れていただろうに。

女性はモテるファッションを諦め始めるが、化粧はナチュラルメイクが極まっていくのである。

まあ男なんて関係ない着たい服を着る派のデザインと少しでも可能性を上げたい地味ファッションのぶつかり合う時代もあったが、

許嫁制度は権力者に忖度されている事実がインターネットの発達で世間に浸透してしまうと夢も希望もない悲しい気持ちが世間にあふれた。

そんな冷めた現実で精子バンク抽選に可能性を見出してしまっている昨今は悲しみのファッション混迷期となってしまった。

男性はあまりにも外を出歩かないので女性も男性の目線を気にしなくなり、着て楽なファッションが蔓延している。

灰色スウェットな上下に子猫な健康サンダルをキメたようなそんな姿が多いのだが、そんな街の様子だったが最近少しずつ変化が起きている。


何故か一人の男性が街をウロウロし始めたのだ。

そんな男性の視線に入るたび女性たちは、すこしだけ自分の恰好が恥ずかしく思えてくるから不思議である。

こんな格好で町中を歩いていたのかと・・・。

服を買いに行くための服がない!という状態だし、昔の服はサイズが合わないという事故も起こりまずは、買い物に着ていける服を買おうと決断し始めるのだった。


あまり出歩かない男子は大抵室内で筋トレか車移動でお稽古だ。

男性専用スポーツジムもあるので週2で本格トレーニングしている男性が多い。

適度な筋トレに適度な有酸素運動を推奨しているのでボディービルダ―体形にはならない程度の筋トレメニューで筋トレに忙しいのだ。

そのため外を気軽に出歩いている男性といえば芸能関係に多いといえるだろう。

彼らはSNSの更新など色々とネタを探さなければならないので部屋に籠ってばかりでは居られない。

大抵は事務所で今日はここで写真撮影するといわれカメラマン同伴で写真を撮って編集加工されSNSにアップという流れが組まれるが休日になるとそうもいかず飲食店を出た3時間後に編集された写真をアップしてここで食事をしたなど上げているアイドルも多い。

食事をした店は結構混雑して迷惑がかかるため事前にお店に許可をもらっている点では好感度はかなり良い。

ということで頻繁に外出するのは芸能関係が多いのだ。


急に服が売れ出したが、やはり売れ筋はなんといっても地味系である。

男性から怖くないよ無害だよと視覚的にもわかりやすいファッションが鉄板。

時々オールドファッションよろしく尖った服装をしているのもいるが、まあ、あれは着たい服を着るファッションの名残だ。

最先端はいかに無害を装い相手から誘われやすくするかが鍵なのだ。

こちらから積極的に動けば十中八九失敗するのはわかり切ったことだ、

ナンパはまじで命がけなのでよほどのことがない限りしてはいけない行為だ。

だが、背景と同化しては視認してもらえないかといて派手だと拒絶される。

難しい男心を攻略するにはモテたいという気持ちを無くすことそれに尽きる。

少しでも獲物を狙うギラついた表情を悟られれば脱兎のごとく逃げられてしまうだろう。

完全無害で自然体なのに自分を見てほしいというアピールしなければならないという超難問。

それをかなえるファッションというものはないものでやはり地味系であった。

モテを捨て男性から声をかけてもらえるのをひたすら待つ、待ちスタイルに特化したファッションそれが最先端なのだ。


まあ、そんなウロチョロしている男性は清楚系ファッションでナンパすればイチコロとチョロいのだが体の線をなるべく出さずに地味系なファッションで清楚系とは中々難しいお題だろう、まあ、彼狙い撃ちなら体の線をだぜば出すほど成功率もあがるだろう。

もちろんこの話は一般の話題であり、特権階級にはあまり関係のない話なのだが。

そんなわけで服が急に売れはじめショップ店員はどうしたのかと大騒ぎしていた。

まさか、芸能人がドラマの撮影しているとか?とSNSで検索するが全くでてこない。

この辺の飲食店で食事をした投稿もみられずネット検索は空振りに終わった。

急に服が売れ始めた原因もわからず謎の売り上げ上昇に困惑するのだった。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。


ドリームジャンボ級の確率的な逆ナン待ちが最先端ファッション。

究極のカウンターで一本勝ちだぜ!

ってことは・・清楚系ビッチにナンパされる確率もまた然り



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