第46話転校生
教室でも転校生の話で盛り上がっていた同時期に4人も転校してくるのだそりゃ話題にならないはずもないだろう。
まあ、僕のクラスにはトラブルになる可能性があるからということで一人も入って来ない。
というわけでいつものように昼になれば購買へ突撃して牛乳パック片手に保健室へと移動する途中
「ねぇ、君!」
見知らぬ生徒から声をかけられた。
この女生徒が転入生なのか僕には判断がつかない。
普通に全校生徒の顔覚えてる人なんてまずいないでしょ。
僕はこんな時はどうするんだっけと妹の金言を思い出そうとした。
「いい?お兄ちゃん!知らない女性に声をかけられたらすぐに逃げるんだよ!決してお話しちゃいけないからね。お話するということは相手に気があると思わせる行為なんだからね!」
ああ、たしかこんなことを言っていたな。
僕は伝家の宝刀空切チョップをしながらちょっとそことおりますよー的ムーブで回避を試みた。
しかし、回り込まれてしまった。
「ちょっと?君に用事があるんだけどいきなり逃げるってないよね?」
僕には用事なんてありませんが?というか誰かもわからんのに用事なんてあるわけないでしょ。
しかも僕の好みの容姿から外れているから聞く気もおきないや。
ふくよかで釣り目なお団子ヘアなのに短めのスカートとだらしない着こなしまあギャル系っといったほうがいいのか。
そんな人が僕に用事なんてありえないでしょ!
自分の好みじゃないからと全否定する暴挙にでたがこれが正しいのだ!全力で回避する!と横に動けば彼女も横にずれるという、だが勇者は逃げられなかったみたいなことを数分おこなっていると。
「ちょっと!貴方!私たちのクラスに話を通さずに佐々木君に声をかけるとはいい度胸してるじゃない!」
後ろを振り向けば仁王立ちしている清浦さんである。
背景にゴゴゴゴという文字が見えそうなくらい怒っているのがわかる。
さらに、追加で
「佐々木君に話かけるなんて100年早いだよ!お前何様だ?」
と小悪魔さんはやっぱりヤンなの?的なセリフを吐きながら登場していた。
清浦さんと新垣さんって仲良かった?
コンビネーションばっちりな感じだけどいつ仲直りしたのだろうか。
震えあがるお団子ヘアVS僕のクラスメイトの白熱した戦いが始まるまえに僕はこっそりとその場から逃走したのだった。
あー、ひどい目にあったよと保健室へ行けば山内君が荒れていた。
「なんで僕だけタンブラーがないんだ!これじゃ仲間外れみたいじゃないか!」
「特性の抹茶ラテもらったんだからいいだろ?それに、貰える機会も多いんだし、今日だけだよ。」と野口君は慰め態勢をとっていた。
「ガッカリさせてからプレゼントは相手の気を引くための上級テクニックだぞ。」と加藤君である。
「僕のタンブラー上げようか?」と鈴木君
えぇ、朝の話題が保健室でくすぶっていたのか。
山内君がタンブラーないって拗ねてますよと高級メロンさんにメッセージを送ると、オリジナルタンブラーを作成していて時間がかかるサプライズで渡したいから黙っていてみたいなメッセージが返ってきた。
さすがパリピ王、女心わかってますわ。
「このタンブラー人気商品だから個数そろってなかったんだよ。きっと、もう少しまってみたら?」
「みんな!ありがとう、その通りだよね。特性抹茶ラテもらったのにタンブラーがないからって動揺してどうかしてたよ、みんなとおそろいのタンブラーがなくて仲間外れになった気分だったから――。」
あー別にメロンさんに嫌われたとかじゃなくて仲間外れにされそうで不安になってたのか。
僕はお団子に急に話しかけられたんだとアンパンもちゃもちゃして牛乳をずぞぞぞしながら場を和ませようと話をした。
「ああ、それはだな。クラスの男子に話しかけるには事前に女子の許可が必要ってルールがあるんだよ。」
「野口君そういうの詳しいね」
「まあね!」
「でも、僕の妹はそういう許可取ってないみたいだったけど」
「そりゃ身内だもの許可とかそういうルールは適応されないだろう」
はて?なんのためのルールなんだそれ?って感じのクラス内謎ルールをまたしってしまった。
「そういえば、加藤君のウェブラジオ次回のゲスト幽鬼祈里さんだけどかわいいの?」
ザ清楚お嬢様!的なヒロイン役をやっていたし声を聴く限りでもいい感じである。
高田未唯も透き通った声で人気であるが僕は幽鬼祈里のほうが好きな声だった。
お前なんでウェブラジオチェックしてるんだ?的な顔をしている加藤君であるが
「幽鬼さんはやめとけ。佐々木君の思っている彼女のイメージをぶち壊して悪いのだが、あの人は課金中毒者だからな。
たしか雑誌にもそういうコメントしてるくらい有名な話だよ。息を吸うようにソシャゲに課金して借金あるみたいな噂までたってるし――。」
買い物中毒と似たような感じなのか・・・。まあ、にわかファンだからダメージは受けてないが
「なんか、次回ゲスト発表されてSNSが大荒れだからさ・・・。」
「え!ほんとに見てみる!!」興奮しながら検索を始める鈴木君である。
鈴木君そういう話題好きだよなぁ
「ああ!すごい炎上してる!」
「いやいや、これくらい普通だよ。って本当だ結構おおい。」
幽鬼さんは一体何をやらかしたのだろうか。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
お前本当に作者か?といわれそうな登場人物の名前を間違う凡ミスをするという
読み直しって大事なんですね。みんなすまぬ(´;ω;`)
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