第44話四月馬鹿

これは4月に起こった男たちの戦いの記録である。


とある昼休みの保健室

「なぁ、エイプリルフールって知ってるか?」

「ああ、嘘をついていい日でしょ?」

「そうそう、面白いネタを披露する日なんだけどさ」

野口君の表情が硬くなる。

「俺一度許嫁にエイプリルフールネタを仕掛けたことがあって・・・。」

「へぇ」

彼が中学3年生と一年前の話である。

エイプリルフールネタはいろんな企業で行われていて、ちょっと思春期病にかかっていた中学生野口くんは

そうだ、今日は盛大な嘘をついてびっくりさせてやろうと閃いたのである。

いまよりロリロリな小鳥遊さんをメッセージで誘い自室に招き入れた。

「大切な用事とはなに?」

と冷静さを装う心臓バクバクロリロリな小鳥遊さんである。

この日彼女は初めて野口君の部屋を訪れた記念日なのだ。

初許嫁部屋訪問とあって彼女のテンションはマックスに近い状態である。

「実は僕は真剣にあることを考えていたんだ」

と重々しい雰囲気をつくりベッドのしたから一枚の紙を取り出した。

「いま。僕と結婚しよう!」

ちなみに結婚できるのは高校卒業後なので完全なネタプレイと冷静な頭なら判断できたのだろう。

二人きりの部屋唐突なプロポーズに小鳥遊さんはオーバーヒートしてしまった。

顔を真っ赤にしながら「いいのですね。」とボソッとつぶやくと野口君にとびかかったのだった。

筋トレパワーをつかって小鳥遊さんを抑え込むがリミッターの外れた相手のパワーにねじ伏せられそうになっている。

「嘘だろ!頑張って筋トレしてるのに!?」

尋常ではない力に押され僕と小鳥遊さんはベッドに倒れこんだ。

マウントを取られてしまい抵抗するもむなしく上着が脱がされてしまった。

「エイプリルフールだから!これネタなの!嘘だからやーめーてぇー!!」

と叫びまくるが小鳥遊さんの暴走はとまらずパンイチにされ最後の一枚を脱がされる寸前に親が入ってきて事なきを得たのだった。


へぇ、女子に告白すると逆レされるのか、いいこと聞いたぞ!

エッチな女の子に童貞を奪われるなんて最高じゃないか!早速好みの女性を見つけて告白しなくては!

僕はエイプリルフールとはすばらしい日なのだと誤解した。

「そりゃ、野口君がわるいよ、婚姻届けなんて見せたら地獄直行なんだから嘘でも出しちゃダメだって」と鈴木君は死んだ目で言っていた。

あ、鈴木君も同じことやらかした経験がもしかして?

「鈴木君もやらかした?」

「いや。僕はそんなことはしてない、けど・・・。」

「けどなに?」

「エイプリルにキスしたいっていったら、襲われた。冗談って叫んだけど無理やり唇を奪われた挙句続きまでされそうになったよ。

いやー場所が高級料亭で危機一髪で助かったけどね」

こいつらチャレンジャーすぎだろ、肉汁滴るステーキ片手に肉食獣の檻の中へ入るようなものなのだ。


僕は無言で加藤君をみる。

「うちの許嫁は社長だからやってないぞ。」

「へぇ同僚にはやったんだね。」

「ち、ちげーよ!ちょっとからかってやろうと思っただけだって!」

「へぇ、芸能人の美人さん口説いてる人は違うなぁ」

「口説いてないから、当時長編アニメのヒロイン役で毎回仕事場で会うからさ、エイプリルフールだしガチャガチャで当たったおもちゃの指輪でアニメの

セリフを言いながら指に指輪をはめたんだよ。そしたら急にとびかかられて、これエイプリルフールだからって言ったんだけど聞いてくれなくてたまたま通りかかった社長に助けてもらったけど、そのあとの説教がめちゃくちゃ怖かった。」

どうしたらたまたま社長が通りかかるのかは謎だが・・・。


僕の期待の眼差しは山内君へと注がれるのだが

「ごめんね、みんな。エイプリルフールのネタ話何もないんだ・・・・。僕ってなんてつまらない男なんだろう」

「気にすることないよ山内君!僕もないからこれから作り行くところなんだ!!」

「おい!やめろ佐々木君、君は一体だれを対象にやる気なんだ!」

野口君の本気な心配の声である

「えー、街で出会った素敵なお姉さん?」

「それはやめたほうが良いよ」冷静な鈴木君

「男子誘拐監禁事件など起きているからそれはダメだよ佐々木君」

とスマホの記事を見せながら山内君にも説得される。

「だめかぁ、残念。」

僕たちはエイプリルフールな思い出話で昼休みを過ごした。


今日中に嘘をつかなければと僕はいろいろと作戦を考えていた。

妹がただいまーといって帰ってくる。

今が作戦実行のチャンス!

「僕には婚約者がいるし兄妹とはわかっている!だけどやはりキミを諦めきれないんだ!僕と結婚してほしい!」

このセリフは、4月の君に恋をしたでおなじみ宮沢誠人(CV八城燈火)のセリフである。

そんな甘いセリフを吐いた僕に妹は「きゅ~」と声をだし顔を真っ赤にしながら倒れてしまったのだった。

どうやら刺激が強すぎて脳の処理が間に合わずオーバーヒートしてしまったようだ。

嘘だろ!気絶したらネタ晴らしができないじゃないか!おい!おきてくれ!たのむぅー。

こうして僕のエイプリルフールイベントは終わったのだった。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。


エイプリルフール企画楽しんでいただけたでしょうか?

まあ、この話はネタなので実際には存在しない世界線です。

精通した男子が好きだと女子に言ったらまあひどい目にあわされる世界なので

こんな過激なセリフを出したら助からないでしょう・・・。

エイプリルフールでよかったね!






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