第43話うっかりさん

衣替えの季節に入り正式に冬服から夏服へと切り替わる時期である。

女子が薄着になる時期でもあり僕はウキウキしながら登校した。

妹の制服姿?そんなの見たって面白くないだろ。

最近女子の登校がギリギリになっているのはサードのせいである。

登校前に並び友達とスナグラ撮影をするという新たな日課になったためだ。

駅から遠くバスを使っていくため非常に要望(クレーム)率も高い原因がそれである。

内容量が半分ほど減ったフラペチーノを手に登校する生徒が目立つというわけだ。

あの大人のカフェというイメージは崩壊し、今や通勤通学のお供として利用されている。

フラペチーノと一緒に映ってる写真はいいねが多くつくのでかわいい星やハートのチョコをトッピングするのがポイントだ。

おすすめの呪文をのせておくとさらにいいねが付く。

ショートによるダンスは不評なので流行っていないが男性がやるのは別である。

男性アイドルはこぞってショートでダンス動画を投稿しそのBGMが売れているのが今流行の曲みたいな感じになっている。

一店舗しかないので芸能人も並ぶので芸能人目撃写真もおおくスナグラに投稿されている。

東雲飛鳥は通勤通学の時間帯を避けて購入しているので、自撮り写真スナグラに投稿されるという感じだった。


保健室へ直行すればみんな揃って朝の勉強中である。

「おはよう、野口くん」

「おはよう、佐々木君」と気だるい声をだす野口君である。

「どうしたの?」

「それがさ、聞いてくれよ、流行りだから一緒に並んでサードでフラペチーノ食べたいなんて許嫁が言い出してさ・・・。」

「え?小鳥遊さんてそういうの好きな人なの?」

「いや、なんか友人に自慢されたとか言われたな。めんどくさいからいま放置してるよ。」

「ちゃんと返信してあげないと・・・」

すると加藤君が青い顔をして汗をながしていた。

「加藤君?何かやらかした系ですか?」

僕と野口君の会話でそわそわし始めたのだから怪しい


「え、いや。その実は・・・。許嫁と一緒にフラペチーノ買いに行ったの僕なんだよねぇ・・・。

仕方ないじゃないか!社長だし、僕がサードでフラペチーノなど食べてきたって言ったらずるいって言われてさ。」

「貴様のせいで!俺が被害にあってるじゃないか!」

「まあ、僕には縁遠いかな」と鈴木君は無関係アピールであった。

「鈴木君のところはそういう催促ないの?」

「基本チェーン店とかいかないし、流行りも興味ないからね。まあ、僕は稽古で忙しいし会食の時に合う程度だからさ。」

鈴木君と許嫁は超高級なお食事会でしか会わないから関係ないのだろう。

「最近僕の許嫁がなんだか素気ないというか、前まで新商品とかあるとお誘いが来たんだけどこの頃全然なんだよね」

山内君がそうもらしはじめているが、多分忙しいんだろうだっていまだに行列途切れない大盛況だし。

「忙しいからじゃないの?」

「あ、そうかも。」

簡単に悩みが解消されるとはすばらしいぜ。

「そうそう、佐々木君のアドレスを許嫁に教えていい?」

「あー、うん。大丈夫だよ。」

これはまた、変な頼み事をされるのか・・新作作ったばかりだから勘弁してくれよ。


ということで高級メロンさんのアドレスゲットしてしまったのですが、ものすごいメッセージ来てるんだけど・・・。

過去最高の売り上げだとか、誉め言葉がずらり並んでいた。

高級メロンさん長文の人だったのか。

僕はレシートの解読に手間取ってしまった。

とりあえず呼び出されているみたいだから放課後行ってみるか。そんな感じで

野口君から愚痴を聞かされつつ朝は過ぎていった。

完全衣替えなはずだが、我がクラスの女子はきっちりベストを着たままだった。

やはり衣替え程度ではクラスで流行っている服装は変わらないようである。

休み時間は僕は無駄に廊下で過ごしていたのは紳士的な理由なのさ。

昼休みはやはり戦に敗れてアンパンを握りしめた、購買のお姉さんからサービスのパック牛乳をもらえた。

アンパンといえば牛乳だよね!


放課後になると早速サードに向かう。

現在封鎖されているはずのテーブル席に招かれて僕は高原お嬢様となぜかフラペチーノを飲んでいた。

そしてわけもわからないまま記念撮影が行われ本題に入ったわけだ。

「ドリンクだけではなくて、簡単な食事を提供したいのですが・・」

「え?この客を捌きながらフードも提供するんですか?そりゃまた店員さん大変ですね・・・。」

「やはり、無謀でしょうか?」

「そうだなぁ、そば粉のトルティーアを使ったタコスでいいのでは?チキンとチーズとピザソース入れればいいし。」

きらりと高原お嬢様の目が光った。

やばい、また余計なことを言ってしまった・・・。

「早速、開発室へ向かいましょう♪」

しまったー!!うっかりさんの僕はこうして開発室通いという日々を過ごすことになるのだった・・・。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。






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