第40話ゴシップとスクープ

保健室組が騒いでる内容というのは校内ポータルの仮想掲示板だ。

そこには夜間に僕と清浦さんのツーショットが写真が撮られていたというものだ。

ゴシップ記事という奴である。

鈴木:新聞部って陰湿だなこういうことするのかよ。

加藤:まったくだ、これって学校外の出来事だろストーキングまでするのかよ。

山内:学校側には抗議してるから対応次第だね

などなど過激な文章で盛り上がっていた。


ああ、こりゃ燃えるわぁっと僕は自分が巻き込まれているのに少し冷静になっていた。

まあ、清浦さんが店員で僕が一日店長というそんな事情などみな知る由もないだろうし

こういうゴシップで盛り上がるのもまあわからなくもないが

清浦さんに話しかけたら泣かれたんだぞ!そんなショッキングな場面が起こる前の写真なのだ。

僕は清浦さんを泣かせたということで騒ぎになっていると思っていたが、

ツーショットごときで盛りあがっているのならまあ、問題ないかなって思っていたりする。


忙しく震えるスマホだが別なところでもスマホ君は騒がしかった。

そう、妹からのメッセージラッシュである。

僕の帰りが遅いのは女性と遊び歩いていたからだと思い込んだ妹の一方的な攻めに僕もタジタジだ。

ちょ!おま、おちつけよ。

そんな子に育てた覚えがないって君は僕の妹だろうが!

僕はどんなに忙しく働いていたかをメッセージした。

無給働き過ぎてしんどいのにと激おこマーク付きである。

熱愛スクープと見出しがでているが、これは取材してない妄想記事みたいな文章が並んでいるしもうやっちまったな案件である。


朝っぱらから職員会議で1時間目は自習だし隣の席の小悪魔さんはいないし、清浦さんは何故か先生に呼び出されてるしでもうカオスな自習時間だった。

学校新聞は削除され、2時限の初めに教師からの簡単な説明があった。

どうやらネットから拾った写真でついカッ!となってやってしまったということだった。

写真は拾ったということでストーキングしていないことから厳重注意ということで済ませたそうだ。

ネットにそんな写真あがるのか・・・、一般人盗撮して怖いインターネッツだな・・。

記事の被害者への謝罪は後程行うようですとあるがそれで清浦さんはなんで呼ばれたんでしょうかね・・・。

あと小悪魔さんもしれっといましたよみたいな雰囲気だしてるけど君どこへいってたのかね?

僕の記事は誤報だったことが2時限目で判明して沈静化した?ということでOKなのだろうか。


清浦さんは目をめちゃくちゃ腫らして帰ってきたけど一体何があったんだろう。

学校サイドとしては速攻で鎮静させたいだろうしこれ以上炎上させたくないので祈る感じで鎮静化してくれ的な感じか。

まあ、僕的にそんな被害受けてないから騒がなくても・・・いや、妹どうしようかなぁ・・・。

昼休みに保健室へ行けば

鈴木:佐々木君災難だったね。

野口:新聞部は廃部に追い込まないと

と男子組は激おこトークと妹からの勘違いごめんメッセと忙しい一日だった。

僕の手には敗者の味であるあんぱんがしっかりと握られていたのだった。


放課後になると新聞部と名のる二人組から謝罪があった。

「別に気にしてないよ、まあ大騒ぎになるから嘘はやめようね」くらいは言っておいた。

僕が簡単に許したし怒ってないという懐の広さを見せたせいなのか二人の女子からの熱量ある視線を感じた。

こうして、学校中が騒ぎとなったゴシップ事件は即鎮静化したのだが

サードの従業員からの悲鳴メッセージが鳴りやまないのですが・・・。

そんな僕に言われましても・・・。

僕のドリンクさばきが優秀だったみたいで僕がいない今日はトッピングミスなど凡ミス連発など阿鼻叫喚だったらしい


開店前から長蛇の列そして今も列が途切れないのになぜかテレビの取材が来て負担が増えたそうだ。

だからなんだという話でもなくヘルプに来いという遠回しなそれなのだ。

いや、僕従業員でもないしお金でないのにあんな戦場に行きたくないので、大変ですねという他人事メッセージで乗り切った。

お外をプラプラする気にもなれずにまっすぐ帰宅してTVを見れば夕方のニュースにサードが報道されていた。

今人気の新感覚ドリンクということで取り上げられていた。

おしゃれな見た目にSNS映えという宣伝文句もばっちりである。

「ああー明日以降から地獄だなぁ」と僕は他人事のようにテレビをみながらつぶやいていた。

妹がただいまからのジャンピング土下座をキメたので僕は速攻で許すことにした。

あんな死にそうになりながら試食という仕事をしてたのに!(wロリといちゃいちゃしてたけど)

女遊びしていたとは心外だ!と激おこぷんぷんな態度を見せたのがよかったのだろう。

地獄のフラペチーノラッシュにより、食事提供は一時休止状態でやはり欲張りセットはよくなかったかと

少し反省するのでした。

*********************************************************

感想や応援、評価の★3レビュー等ご協力お願いします!

この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る