第35話初心者おすすめセット
たった一日の休暇でリフレッシュできただろうなんて運転手に声をかけられた日には僕は学校で授業を受けているわけだし、リフレッシュもくそもないと無言で抗議したがやはり運転手さんには伝わりませんでした。
というかこの運転手さんわざわざ遠回りしてホテル街を通過するためちょっとこわいんだよな・・・。
ドリンクメニューが落ち着いたということで今度はフード開発に移る話になっているのだが、なんで僕をみるのですか?二人とも。
ロリロリ双子姉妹の視線は僕に向かっていた。
カフェのフードメニューなんてわかるわけないやん!ってツッコミを入れたほうが良いだろうか、と思うがまあ、僕が知っているカフェメニューとやらを披露するしかないだろう。
明日奈さんと亜花梨さんには2種類のパン生地をコネコネしてもらっている間に僕はジャガイモをウェッジカットして
塩コショウチキンスープで下味をつけ放置。
キャベツ、レタス、トマトを使ってサラダを作成。
厚みのある豚肉の筋切りを行った後に、ハンマーでたたき柔らかくして下味をつける。
あとはパンの出来上がり次第で調理続行かなとパンがオーブンに入ったところで僕はポテトに化粧をして油の海を泳がせた、同様に豚肉もふわふわの衣をまとわせて油の海へダイブ!
おいしい音が部屋中に響くこれはそろそろ揚げごろだろう。
と豚肉は一度油から引き揚げ少し休ませたあと高温の油でカラッとあげて周りの衣をサクサクにさせた。
ちょうど出来立てのふわふわぱんを半分に切って千切りキャベツと揚げたてジューシーサクサクとんかつをのせてソースをたっぷりかけてからふわふわバンズで挟み込んだそれを三等分する。
ウェッジカットのポテトもお皿に盛り付けしてサラダもそこへ並べる。
厚めのデニッシュ食パンにソフトクリームを乗せて上からメイプルシロップをとろーりとかけた。
それをみた双子が「「ふわぁー」」と声を上げていた。
最後にドリンク枠としてフラペチーノを置けば、極・初心者おすすめセットの完成である!
「すごい量だね!これ何人ぶんですか?」と明日奈さんが無邪気に訊ねるものだから僕はにっこりして
「一人前ですよ」とにこやかに言い放つ。
「「えぇ!?」」と驚くダブルロリロリに癒されるのであった。
糞デカバンズに挟まれた分厚いカツ一切れでお腹いっぱいになりそうなボリュームなのに、デニッシュ食パンなんて直径15㎝以上もある大型なパンだ。
間違いなく三人では食べきれないボリュームである。
「このサラダ量多いですね!」
「うん、ミニサラダだけどね」
「「!?」」
メニューを紹介するたびにこのリアクションだ、癖になりそう。
「このフライドポテトも2人前はありますよー」と亜花梨さんはポテトをもぐもぐしていた。
ポテトは好評らしいがその圧倒的ボリュームに気圧されてしまう。
「頑張るですよ!明日奈ちゃん」
「亜花梨ちゃんもファイトです!」
双子は鼓舞しあいながら一通りフードメニューを食べた。
「おいしいのですが初心者にはちょっと厳しい量なのですよ」とごもっともな意見だし僕もそう思うんだよね。
「そうなのですこんな量おすすめしたら大変なのです!」
と主張するが大変だからSNSで盛り上がったんだよなーと
「これSNSでバズりそうじゃない?」
「「あーっ!!」」
ということでドデカフードの提供が決まったのだった。
カロリーお化けドリンクにカロリーの塊フードとかまじかよこのカフェ!?って組み合わせが実現してしまったのだが
間違いなく混ぜるな危険だと思うのだが混ぜてしまったのだから仕方ない。
ハニトーに似た食パンデニッシュの塊感は圧巻だった。
名前はもちろんシロノアールで決定だぜ!
コーヒーは普通にメニューにあるから、あの店のような+100円でドデカサイズを出すわけではないし。
かつぱんやシロノアールなどの試食がはじまるかと思うとぞっとする・・・。
安く効率的に提供できる工夫も必要だし、課題が盛りだくさんだがそれは僕の仕事じゃない。
モーニングという文化はないから取り入れなくていいというか、だって、朝コーヒー頼んだらパンが付いてくる
とかコーヒーだけでいい人もいるからねぇそこまでリスペクトはしないけど・・・。
どんな客層を想定したらこんなフードメニューを出そうって思うのかよくわからないが、向こうの世界で結構繁盛していた
ということだけで僕はメニューに加えているからな成功するかしないかなんて僕もわからない。
ただ言えることは・・・。やはり極・初心者おすすめセットは食べきれないので休憩がてら来た他部署の人がつまんで
綺麗に片づけてくれましたとさ。
これまでの経営方針を完全にぶち壊すメニューのオンパレードだが、僕には責任がないからやりたい放題だぜ!
って感じだがこれにGOサインだすのは――。
でも、普通に採用されるからなぁ。
もちろんフードメニューには手ごろなサイズに見えるように写真をとるようにと注文をつけた。
写真では少なくみえるけど、実物来たら多かった!という衝撃は計り知れないだろう。
サプライズって素晴らしいよね。まあ、この後の試食が地獄になりそうだけどね。
僕は明日のことを想像して目が闇色になっていたのだった。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
時間がかかりました、今日中にかけてよかったLvで遅い出来上がり
でもうし分けないです。
どの路線の喫茶店を目指しているのだろうか問題です。
とにかくGOサインしかでないので暴走を止めるものはいないのでした。
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