第36話嵐の前の

フードの試食!パンの形の変更!豚肉のサイズ感!評価項目がやたら多い!!

各部署からも感想を聞くため派遣してもらいみんなでもぐもぐするがかつぱん重すぎる・・・。

どのバンズがいいか、どの厚みがいいか、千切りの太さ、かかってるソース

もうねぇ、細かく見ていったらきりがない・・・・。


コストをなるべく抑えてボリュームを出す工夫が必要なので調理担当は大変である

開発したらそれで終わりではないけど、その商品を店で出すのにふさわしい形にするまで

時間がかかる、あまり時間をかけすぎてもといろいろ難しいところだ。

僕は黙々と試食して評価すればよし!というなんともポジティブ的な思考で乗り気るだけだ。

また地獄の日々をすごしていると、どうやらロゴマークが完成しタンブラーもできたみたいだ。


おしゃれなロゴにグリーンの落ち着いた色とデザインはシンプルなものだ。

毎日持ち歩くことを想定した感じだろうか、もう一色はブルーである

青空のような色にラメ塗装とちょっと目立つ感じの加工がされている。

試験運用店なのになぜか工事してるし、工事してる間暇になった従業員がこちらに雪崩れ込んでいる。

いや、そんなまさか。なんでいるの?

そこにいたのは同じクラスの清浦琴音さんである。


学級委員長がなんでここにいるんだ!というかアルバイトしてたのか・・・。

向こうも向こうでなんでそこにいるんだみたいな顔されてもねぇ。

ワイシャツに茶系のエプロンをつけた同級生は新鮮ですなぁと

ニマニマしている僕であるが、突然わき腹をつねられる。

「こら!つーくんおさぼりだめだよ!」明日奈さんに怒られてしまった。

僕はダブロリのきつい監視のもと試食に勤しむの僕なのでした。


教室でも会話しないので、一緒に働くことになったが特に接点はなし!

それにしても、なぜ会議に僕が呼ばれているのか本当によくわからない。

ドリンクやフードメニューにロゴやオペレーションなどを確認し

そろそろオープン近くなったということでの会議らしいのだが

会議を開く意味とは?と疑問がのこるがまあいいだろう。

「皆様、あさってには試験店をオープンさせたいと思いますが準備は順調ですか?」

いつのまに!という感じすすんでたみたいだ。


担当部署の代表が現状の報告をして、それ皆でうんうん聞く会がはじまり当然ながら

僕は何をこの人たち言ってるんだ状態なのでまじで退屈だった。

目標集客数や売り上げなどの話し合いやSNSでの宣伝方法の検討しているが、

どうやらオープン前日に発表するみたい。

大丈夫なのかそんな雑な宣伝でと思うがサプライズ?的なやつなのだろう。

そして会議がおわり僕は開放された・・・とおもえば、オープン日に一日店長に就任が確定した。

えぇ・・・・。

店長自ら接客するらしいです!店長とは!!

なぜ僕が一日店長というタレントみたいなことをしなければならないのだ。

オペレーションだってやる気なかった僕にうまくできるとは思えませんが?

自分でつくった呪文をうまく唱えられない残念なやつであった。

どうしてこうなってしまったんだ・・・。

僕はそんなことがあったことを保健室メンバーへと報告したのだが

それが間違いだと気づくのはもう少しあとである。


僕:サードの一日店長になった件について

鈴木:え?サードって何?

僕:こーひ専門店てきなの

鈴木:ふーん。

山内:僕は何も聞いてない。

僕:僕もさっき知ったから何も聞かされてない

加藤:友達つれて冷やかしにいくぜ!!

僕:やめろ!お前声出したらばれるだろぉぉ!

加藤:作った声ださなきゃ平気っしょ。

鈴木:僕の蕩けるような声で優しい夢をみせてあげよう

加藤:やめろぉ!!

野口:一日店長って襷でもかけるの?

僕:しらにゃい

野口:まあ、冷やかしに行くこと確定だけどね!

僕:ぐぬぬ

山内:許嫁にメッセージ送っても返信帰ってこないんだけど

僕:え?連絡したの?

山内:だって、オープニングセレモニー的なやつ僕毎回招待されてたのに今回何の連絡もないからさ。

僕:試験店開くだけだからそんなのやらないのよ。

山内:え?まじ?だって工事してたじゃん

僕:シテタネ・・・。

加藤:最近工事してたコーヒーチェーン店かぁ、どこだろ。

鈴木:とりあえずみんなどこで集合する?


僕はほかのメンバーが集合場所と時間を決め始めたので蚊帳の外となってしまった。

みんな行く気満々じゃないか!話さなければよかったなぁ。

それにしても客層はもちろん女性なわけでみんなトラブルに巻き込まれないか心配だな。

とりえず彼らがきたら極・初心者セットでも進めてやろう。

きっと大喜びするに違いない。

それにしても明後日にオープンか・・。

今のうちに呪文を覚える練習して置かないと僕が足を引っ張ってしまう。

僕はブツブツと呪文を唱えながら筋トレに勤しんだのだった。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。



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