第32話新作ソフトかアイスかそれが問題だ。

最近お兄ちゃんの帰りが遅い、これは不良の予感!ということもなく高級そうな車で送迎されていた。

お兄ちゃんはぐったりとしていてなんともお疲れのようである。

残業でくたびれたOLのようになっていて気の毒な様子だ。

これは噂に聞くお稽古というものでもやっているのかもしれない。

そういえば、お兄ちゃんがアイスを補充してくれないから冷凍庫のアイスがそろそろ全滅しそうなのだ。

一大事である。

これは私にアイスを買えということだろうか。

今月新作があと2本出る予定だから、アイスを買っている余裕がない。

できればお兄ちゃんに買ってきてもらいたい!!

と私は思うが毎晩食べているアイスをそもそもお兄ちゃんが食べていないので私は不利な立場にあるのだ。


だからといって、毎晩アイスを食べていると癖になってしまいアイスがやめられない、アイス無しの生活は物足りなさを感じ今さら戻れる気がしない。

やはり、早めに補充してもらわないと!ということでここから交渉タイムにはいる!

「ねぇ、お兄ちゃん最近帰り遅いけどどうしたの?」

「ああ、友人に頼まれごとして忙しいんだよねぇ・・・。」

「そうなんだ、断れないの?」

「うーん、もう、無理だなぁ。」

途端に深い闇を抱えた目をし始めるお兄ちゃんである。

「そっかー、そうそう。冷蔵庫のアイスがなくなりそうなんだよね。」

「ん?僕食べてないからそんなすぐに無くなるわけないんだけど?」

「え?そうなの、おかしいなぁ。」

だんだんと雲行きが怪しくなってきているのがわかる。

このまま会話を続けたら負ける!?

負ける前に撤退するのも戦いの極意なり!とばかりに私は話題を逸らして敗北を避けたのだった。


ふー危ない危ない、お兄ちゃんから「買って来ればいいじゃん?」なんて言われたら

新作一本涙を飲んで見送らなければならないところだった。

私なりの努力でアイスのストック切れそうだよと伝えたし何とかなることを祈るしかない。

今日はともちぃに借りたコミックを読んでいる。

”嵐の前の静けさよ”というタイトルの漫画だ。

主人公がお家の事情で男装して男子校へばれないように通わなくてはいけないという

はらはらドキドキ学園ものなのである。

さすがに、この漫画はいろいろと危険だ。

クラスに男性ばかりだったら卒倒しそうである。

学校で間違って保健室に迷い込んだ女子がいたらしいけど

見渡す限り男子ばかりであまりの刺激の強さに鼻血をだしてしまったらしい。

その時男子から向けられるいやそうな目線がまた素晴らしい物で変な癖がつきそうだと語られたときには危ない道へ進むのを阻止してくれる優しい友人はいないのかと思ったくらいだ。


たしか近くの高校で女性に声をかけまくる尻軽な男性がいるという噂ですごく話題になったみたいだけどその噂は一週間も続かなかったらしい、噂のもとの尻軽男子高校生というのが見つからなかったからだ。

そんな男子がいたらクラスで独占して外部に情報が漏れないように徹底的にあれやこれやと工作するだろうし担任もおこぼれにあずかれるのであれば全面協力するのだからそんな男子など存在しないのである。

男性側がやる気だったら何も問題がないのだ。

そんなやる気のある男性がいたらの話だけど現実的にありえない。

お兄ちゃんの場合はぬけまくっているだけのうっかりさんだから違うと思うけど。

ウェブラジオでは今季アニメの八城燈火と三森徹がメインパーソナリティーなのであり見逃せないのである。


口数が少ない八城きゅんにツッコミをいれるミモリンがまたいい味をだしていた。

ゲストは高田未唯だった、私は思わず舌打ちしていた。

透明感のある声ともてはやされる大人気声優という話であり一部男性から支持されているのが気に食わないというよくある嫉妬という奴である。


アニメの話をちょこっとしたらこの前食べた太郎が忘れられなくて店を探したけれど見つからないという話をしていた。

ミモリンって太郎たべるんだ!っと私が食い気味で話を聴いていると高田が私も食べてみたいですぅみたいな声を出すだからちょこっとイライラしながら放送を聞く羽目になってしまった。

何が今度は私も一緒に連れてってだ!と私はこれは荒れるなとSNSを見てみると案の定プチ炎上していた。

プチ炎上は日常茶飯事なのであまり相手にされない程度の騒ぎしかおこってないのか。

もっとも、大炎上する内容でもなかったのが惜しいところである。

八城きゅんも太郎の話になるとトーク数が増える、これは私も太郎を履修すべきなのでは?

と思った次第であるがそのミモリンがたべた太郎を食べたいけれど店がわからない問題でありSNSのコメントを拾ってもそんな特徴的な太郎だったらすぐわかるみたいな話になっていた。


これは、よく行く店を特定されないための作り話だろうというのが有力説である。

私もそう思う、各店舗ごとにオリジナル太郎があるので行っている店舗がばれてしまうから特定されないようにフェイクを交えたミモリントークということを私は思わず真に受けてしまうところだった。

そんなトークに八城くんも積極的にのっかりトークが盛り上がるというとても珍しい番組となったのだった。

私はアイスの在庫問題に続き太郎履修という課題を抱えてしまい頭を抱えたのだった。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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