第31話感謝のフラペチーノ

放課後やることは盛りだくさんだった。

あの暇を持て余していた日々が懐かしく思えるくらい多忙なのだ。

ドリンクの開発の後はフードメニューが僕を待っていると聞かされた、

え?なんで待ってるの普通に作ればいいのでは?と思う。

オペレーションの仕方などいろいろと僕も参加させられる予定らしい。

一人逃げた野口くんに僕の苦労を味わってもらいたいものだ。

開発は簡単なのに味見をいっぱいするしで作ったはいいが太郎みたいな大雑把さではなく、真面目にフラペチーノだけでもかなり食べた僕である。


僕のモチベはロリロリお姉さんズにより保たれているといっても過言ではないだろう。

今日のノルマは抹茶フラペチーノ感謝の30杯か。


「「つーくんがんばれ♡がんばれ♡」」


よーし!つーくんがんばっちゃうぞ!

クリームにかける特性抹茶ソースや抹茶濃度甘さなど30種類にわかれている。

僕はもぐもぐしながら感想を書き込まなくてはならない。

一応負担を減らすために甘さ濃さ抹茶度などの5段階チェック入れたあとに一言感想を書くのである。

語彙力が試されるぜ!という語彙貧困ボーイは今日も同じような感想を書き連ねているのだった。


「あー、甘い物食べた後のエスプレッソは最高だぜ!」

「つー君お疲れ様えらいね」とよしよししてくる明日奈さん

「私も私も!」と一緒になでなでするのだが僕は背が高いので二人とも密着して背伸びなでなでも―堪らんです。

この圧はπかぁ!ってくらいの密着度です。


ソースは抹茶ソース、チョコソース、キャラメルソースの三種類だ。

これを追加トッピングできる。

つまり、ベースのフラペチーノにこいつらを合わせて違和感を感じないように調整しなければならない問題なのだ。


「それにしてもベースのバランスがソースをトッピングしただけで崩壊するとはなんて恐ろしいんだ・・。」

「そうだよねー。ソースが甘すぎるからベース単体で食べた満足感がソースを加えることでマイナスになるなんてびっくりだよ。」

甘ければ甘いほどいい人もいるが、毎日食べるとなると甘すぎるのは重いと感じてしまう。まあ、毎日食べたらどえらいカロリーになりそうだがそこは黙っておくとしようカロリーなんて考えたらこの商品は絶対に売れない。

氷によって味覚が鈍り甘さを感じにくくなっているとはいえ、甘すぎるのは問題である。

無料でカスタマイズできるから適当でいいじゃん?って思うかもしれないけどみんながカスタムするわけではない。

大抵の人はカスタムせずに注文するのでベースがとても大事になってくるのだ。

この作業を適当にしてしまうとサードが終わるのである。


エスプレッソ休憩が終わると僕はほかの部署に呼び出されてダブルロリロリお姉さまと引き離されてしまうとは。。。


クルツ、トイアー、グロース、ツヴァンという順に容量が大きくなっていく魔法の言葉を考えた。

200ml、350ml450ml、550mlという4段階である。

もちろん注文時には商品名とサイズを聞いたあとそこから無料トッピング、有料トッピングと続いていくのである。

なにこれ?英単語かな覚えるの大変そう太郎より難しいやと作っている僕でさえめまいがしてきた。

この部署の責任者である田中さんはノリノリだった。

どやら魔法の呪文が好きらしいです。

田中さんは一人でオリジナル呪文を作って喜んでいた。


紅茶系は専門外ということで今のところメニューはコーヒーと抹茶とキャラメルソース系のメニューしかないし僕のアイディアを形にするだけでものすごくコストがかかっているわけだ。

客数が多い駅前店ではなく、駅から離れたもう一店舗が試験運用店になる予定なわけでメニューボードなども作り変えしなきゃだでお慌てである。

なぜ一高校生の意見がこうも簡単に通るのか謎であるがまあいいか、成功していた店のアイディアだしとはいえ向こうで成功していたからと言ってこちらでも受けるとは限らないのだ。

僕的にはプラスもなければマイナスがないので失敗したらごめんなさい案件でしかない。


高級メロンさんがんばれ状態なのである。

そのほかはトイアーサイズ対応のお店限定タンブラーである。

店オリジナルのタンブラーを持ち込むと20円割引される特典がつくのだ。

お得である。

タンブラーのほうは有名デザイナーと交渉中らしくどういうデザインに仕上がるのか未知数だ。

まじでこんなことを数日間続けているのでクタクタなのだ、僕は普通の高校生なのだからもうちょっと青春というなの清楚系ビッチに逆ナンされ展開を期待したいのだが、スーツ女子と白衣ロリにかこまれるのも悪くないと言えなくもない。

高級メロンさんのメッセージアドレス僕はしらないけど何故か野口君は教えてもらっている。


あれ?なんで僕には教えてくれないんだろう。

野口君は意外とやり手なのだろうか、あんなに女性に興味ないような感じをしていて

たくさん手をだしているのか?めざせ最強ハーレム?

でも、友達の許嫁はあかんでしょ!

今週までになんとかフラペチーノを仕上げたら今度は

食事のほうを決めないといけないのか、向こうで勝手に決めればいいのに

なぜ僕主導になっているのか意味わからないよ!

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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