第28話高級めろん
BBQから数日が過ぎた。
時が過ぎるのは早いものである。
太郎はおかしくなるほどのブームになってしまった。
ネットニュースの記事ではタロラーおすすめの食べ方とは!?という記事も複数記事みかける。
某掲示板の内容をまとめたサイトでも太郎の話で持ち切りだった。
こんなに流行るはずでは――。
手軽にお店で太郎が食べたかったのに、作ってもらった本人は結局食べられもせず、ただただネットの記事を読んで
食べたいなぁーとぼやく悲しい状況になっていた。
そんなときであるメッセージの受信音がなった。
野口:いま空いてるか?
僕:え?太郎行くの!行く!行く!
野口:いや、その話じゃないんだ。
僕:まじか・・・。
野口:ちょっと相談したいことがあって、時間いいか?
僕:もちろんだよ!
野口君:今どこにいるの?
僕:街をぶらぶらしてたとこだよ。
野口:え・・、佐々木君はまっすぐ家に帰らないのか。
僕:放課後は何か面白いこと探しにいくもんだろ?
野口:それは同意できないが、近くに店ある?
僕:サンフォア―ドがある。
野口:わかった中に入って待ってて!
僕:駅前店でまってる。
ということでサンフォア―ドというコーヒーチェーン店で野口君を待つことにした。
それにしても太郎以外の用件ってなんだ?
話の内容は僕には何もピンとこない、それくらい僕は野口君と太郎の話しかしてない。
サードと略されるこのコーヒーショップは手軽にエスプレッソが飲める店である。
といっても高級路線で大人の女性が優雅にコーヒーを嗜む感じであり、ここでコーヒーを飲むことが一種のステータスみたいな感じの店である。
エスプレッソに合うように、チーズケーキやチョコクッキーなどが販売されていた。
とりあえず空いてる席に適当に座ったら注文してないはずの、チョコクッキーとエスプレッソが目の前に置かれた。
あれ?これ別の客じゃない?と首を傾げたあと、あ!となり店員さんを呼び止めようとしたが、間に合わず行ってしまった。
カフェと違ってオーダーはレジで注文、その場で商品を受け取り持ち帰るか店内でのんびりするかというシステムなのだからそもそも商品を間違えて運んできたという想定がまずおかしい。あれ?どうなってるんだ?
と混乱していると知らない女性が自然な感じで相席してきた。
え?もしかしてこの席って元々彼女の席だったのでは?
だから店員が!そうだったのかと自分中で納得がいった。
それにしても、特大メロンが二つぶら下がっている。
まじか・・・。
座る姿勢が良すぎて果実が強調されまくっていた。
視線を向けるな!ばれる、でも抗えない。でも、僕は屈しないぞぉ!びくんびくんと挙動不審になりそうなので仕方なくスマホに視線を落とすことで回避できた・・できるよな?
これは、男を試されているのだろう。
メロンパワーによる特殊なフィールドが発生し、僕は立ち上がることすらままなくなったので、しばらくスマホをいじって野口君の助けをまった。
到着したらしく野口君に手をふって応える
すると野口君は僕の隣にすわって、
「こちらがサンフォア―ドの経営者の高原さんだ」
って突然の紹介!しかも野口君の知り合い!?
一体この高級メロンさんと野口君にどんな関係がと悩みこんでいると店員は、野口君の分のエスプレッソとチョコクッキーを配膳する。
あっやっぱり、目の前の商品僕の分だったみたいだ。
「今日の相談内容は実は彼女のことなんだけど....」
苦いエスプレッソに苦戦しつつチョコチップクッキーをかじった矢先に野口君が爆弾発言に僕はクッキーをむせってしまいそうになりながら、野口君の行動を諫めなくてはと奮起した。
あんな犯罪ギリギリのロリロリを婚約者に持ちながらなんてふてぇ野郎だ!
「だめだぞ!あんな犯罪みたいなロリお嬢様の許嫁がいながら、他の嬢様にお手つきしちゃ!!
おいしそうな果実に惑わされて人生を棒に振るなんてどうかしてるよ!」
野口君の強烈な白けた強烈ともいえる視線が僕を刺す。
絶対零度で凍ったカチコチなツララみたいな鋭さだ。
「変なこと言うなよ。高原さんは山内くんの許嫁なんだから」
「えぇ・・・。じゃあ何の話なのさ・・・。」
それにしても山内君は高級メロンうらやまけしからん!
相談内容に皆目見当がつかないけれど何の話だろう。
うーん、メロンが食べたい。別に深い意味はない。
「それで彼女の店の経営が厳しいらしくて、あの人気ラーメン太郎を生み出した手腕を是非ということで――」
「いや、僕そういうのわからないんだけど・・・。」
「佐々木君、話だけでも聞いてから判断してもらってもいいかな、僕も許嫁に頼まれたからね」
こんなところでのろけやがって、僕にそんな才能はないただ太郎が食べたかっただけなのだ
「あの、佐々木様。この店は私の店なのですがあまりうまくいってないんです。」
「人入ってるしそんなことないんじゃないのかな?」
ぺら紙一枚渡してきたので見てみると売り上げが右肩下がりだとか難しいことが書いてあった。
「小鳥遊さんにはあんなに協力できて、私じゃダメなんですかぁ?やっぱりこの駄肉が原因ですかぁ? 山内様も目を背けて私の顔をみて話してくれないんです・・・。そんなに私って――。」
と今にも泣きそうな声をだしていた。
違う意味でそれが原因だよ。顔の前に視線が違うところに釘付けになるからね・・・。
「そういうのではなくて・・・。僕は普通の高校生だから」
うーん何だろうこの店なんかにてるんだよなぁ・・・。
あっ!なんか思い出したかも。
「店のいろいろな話をするにしては、開放感ありすぎなのかなぁ」
「あっ!そうですよね。もっといいお店でお話ししましょう!」
手をぽんと合わせる高級メロンさんは果実を大きく揺らしスマホを操作し始めた。
いい店ってなんだ!そんな格式高い店につれてかれたら逆に何も話せなくなりそうなのだが・・
止めることができずにいるとどこかへ電話する高原さん、そして、うんうんうなずく野口君
えぇー・・・。
野口君に背中を押されて、僕は高原さんが呼んだと思われる高級車に乗り込んだ。
向かった先はもちろん高級割烹料亭だった。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
新章?突入しました。
高級メロンそれは素晴らしい響きですね。
メロンは口の中がいがいがーってするのであまり食べないです。
どちらかというとバナナは手軽に食べられていいかもしれない。
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