第26話2度あることは何度もある。
みんな揃ったことだし、秋刀魚も揚げ終わりベストタイミングというときにぞろぞろと集団が近づいてきた。
まえも確かこんなことがあったような・・・。
嫌な予感は当たるもので小鳥遊令嬢と数人が――。
って、みたことあるなぁって思えば新垣仁美さんじゃないか。
なんでまた彼女がいるんだろうと引っかかりを覚え――いやよく見たら集団の顔も見たことあるぞ・・。
研修じゃないんだからぞろぞろ社員連れてBBQだ・・と・・・。
店は今でも忙しいはずだ、どうなってるんだよ。
「たまたまここでおいしい太郎が食べられるという話をきいて参加に来たわ、席はあいてる?」
謎が解けた瞬間だった。
この多すぎる机と椅子は何に使うんだと思っていたけれどこれか!
そういえば食器も大量にあったし、麺も一人2杯以上たべるの?みたいな麺玉つくってたけどすべてこの時のための容易だったのか。
と野口君をみると自分の許嫁に目もくれず僕のつくったスープを飲んでいた。
とりあえず、来場したお客様?的な人たちにもスープの入ったラーメンどんぶりを手渡した。
ビュッフェ形式だから自分のオリジナル太郎を作ってねな説明をしておいた。
香ばしい濃厚エビ油が一瞬で蒸発した。
エビ油品切れ早っ!
となると秋刀魚の唐揚げももう残りはなかった。
いつのまに!?
野菜のツリーに飾られた、秋刀魚の唐揚げとチャー様それをすき焼きのタレと卵ネギの入ったすき焼きセット
僕はこれで戦うぜと席に着いた。
野口くんは怒涛の勢いで食べている。
僕の隣には何故か新垣さんが座っていた。
会社の研修なのによくそんな露出度の激しい服をきてるな。
ラーメンを食べるときに見えるその桃源郷に釘付けになりそうだったが僕の太郎愛がまさっていた。
パリピ王加藤君はとにかくやばかった、アニメ声の女性たちに作り方わからないとせがまれている。
「ねぇ、どれがおいしいの?えらんでぇー。」や「私加藤君と同じのつくろうかなぁー」とか
僕の割り箸ピキピキ音を立てているが気のせいだろう。
イケメンボイスの男たちにもせがまれそしてそんな加藤君が僕に泣きついてくる。
どうなってるのこれ?をさばいたまさにご褒美太郎でもある。
ニンニクの代わりにショウガなんてものを用意したら女性陣はけっこうニンニクをショウガに変えていた。
野菜をもしゃもしゃたべると薫魚介出汁のほのかなうまさにエビの風味がたまらない。
貝のだしっていいよな、一見薄いようにみえてこうやって濃いなかで主張するほど芯が強い。
特にエビ油の主張がたまんねぇなー、味変にはぴったりだ。
僕は骨まで食べられる秋刀魚唐揚げを齧り横を向けば新垣さんと目が合った。
ふむ、たまたま目が合っただけだろう。
露出の多い服をきた同級生が隣に座っているのだそりゃ視線がそっちへ行くのも自然な流だろう。というか、新垣さん以外露出度は控え目な人が多い。
そういえば、パリピ加藤君いい加減女性たちを僕に紹介してくれないかなぁ。
っておもったら加藤君の隣にゲストの女性がすわっていた。
モデル並みの美人なのだが加藤君もそんな彼女に見向きもせずひたすら太郎をすすっていた。
よそ見しているのは男性で僕だけなのでした。
「中村やるわね。これ新作?」などといっているのは小鳥遊令嬢かわいい。
相変わらずロリロリしいその椅子高くないかな?と心配になる。
なるほど小鳥遊令嬢は魚介がお好きと野口君きいてるのか!小鳥遊さんは魚介類好きなんだぞ。
スビッスバババと麺をすすっている野口君に届けっ!テレパスとかやってる場合じゃない僕も早く食べないと。
ほとんどしゃべらずに食事を終えるというなんて集団食に向かない食べ物なんだ・・・。
食べた後小休止していた、山内君が買ってきていたウーロン茶はさすがにおいしかった。
これいくらするんだろうってくらいおいしい。
鈴木君と野口君はすき焼き味やカレー味など味変太郎作っては食べとやっていたので腹がはち切れてしまった。
二人はあと数時間は動けないだろう。
ってなんで新垣さんは僕の腕に胸を押し付けて、内太腿をつーっと撫でてるんですか?
解かれた封印、魔性の指にゾクッとしながら彼女に話しかけようとしたら、
「小娘何をやっている!散れ!」と加藤君の隣で太郎食ってた美人モデルさんに追い払われてしまった。
「おぬし大丈夫だったか?油断も隙も無いんだから全く困ったものだ。」
「ああ、困っていたので助かりました。ところであなたは?」
「私は芸能事務所の社長をしている綺羅星だ、うちの加藤がお世話になっていると聞いてね。」
あっこのひと加藤君の許嫁の人か。
「加藤はああ見えても寡黙で仕事熱心なんだけど、おかしいな今日はたくさん話していたような・・・。 君何か心当たりはあるかな?」
「いいえ特に何もないです。」
あの野郎寡黙キャラでミステリーを装い、仕事仲間の女性の前で格好つけてやがったな。パリピ王めぇ
僕の拳は震えていた何故だかわからないやこのやり場のない感情である。
「うーん、そうか。ところでうちの加藤は学校で何をしているのだろうか」
とちょっと怖い目をして学校生活を尋ねてきた。
圧がつよいんだけど、これなんの圧をかけようとしてるんだ。
「普通に勉強してましたよ。」
加藤君は黙々と自主勉しているタイプであり、鈴木君や野口君なんかとは違う。
太郎話に惑わされない優等生といえよう、そんなことをいったら山内君もそうなるけど保健室の風紀を乱している張本人は下手なことがいえないのであった。
「そうか、ならよかった」
と反則級の笑顔をみせるのだから、困ったものである。
許嫁っていいもんだなぁっと思った。
あとはちょっと遊んでみんなで撤収作業でお疲れ様である。
中村店長となぜか復活している野口君はまだ太郎を食べているんだけどここは大食い会場かな?
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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