第24話どっちの太郎ショー

紛うことなき快晴。

もう、青ペンキバケツを白い紙にぶちまけたようなそんな青さ。

逆テルテルは悲しそうにぶら下がっていた。


僕は野口君に指定された集合場所で待機してると中型バスがとまった。

いや、これじゃないよね?と思ったがこれだった。

加藤君が手配したであろう中型バスに乗り込むと知らない人がいっぱい載っていた。

女性ものってる!これってBBQでよくあるやつじゃ!

BBQを囲んで女性とおしゃべりパリピな社交会の始まりだぜ!!

と思ったがそんなわけがないこれから、製麺やスープづくりといった作業工程があるのだ。

とてもじゃないが、浮かれたパリピになれそうもなかった。

僕は野口君のとなりの席に座ったが野口君は分厚い資料を眺めて難しい表情をしていた。

加水率を1%ごと上げて試した麺のデータを見てる感じだがというなんて面倒なことをしてるんだこの人・・・。

僕は現地に着くまで暇なので寝て過ごすことにした。

バスは目的地に着いたので野口君に起こされた。


大自然豊かな場所である、都会の近くだったら匂いで人が集まってきそうだからね。

ということで材料運搬作業を手伝っているが加藤君の勝負は始まっているらしくもう釣りへ出かけてしまった。

現地に到着して30分くらいかかって何とかセッティングを終えるとこれだけで結構つかれてしまった。

まずはスープを先に作ってから製麺してあとは待機という感じになった。

スープは寸胴1つと思ったが何故か小型の鍋があった。

野口君の特性スープらしいというか、大勢いた女性はハーメルンよろしく加藤君にぞろぞろとついて行ってしまった。

あぁ、なんてこった!真のパリピ王は加藤くんだったのか

残されたのは、やる気に満ち溢れた中川店長&野口君と愉快な仲間たちだけだった。


何故か僕がスープを作っている間に製麺作業が進められて位という不思議な割り振りが決まっていた。

仕方がないので、豚と鳥や香味野菜を煮ている間に七輪を用意してハマグリやエビといった魚介をじっくり焼いていた。

ああ、このままかぶりつきたい、特にハマグリなんて酒をちょろっとたらし、アルコールが飛んでから醤油を足らりすれば

これでごはんが消えうせるほどの威力になること間違いなしだろう。


みんなも魚介が焼ける匂いにつられて僕のほうを向いている。

いや、味見という盗み食いはしないつもりだから安心してくれ!

ということで焼きあがった魚介はスープの海へ放流しておいしくなってくれるだろう。

本職プロの中川店長VS家太郎の申し子野口君による熱い製麺バトルが繰り広げられていた。

鈴木君たちはそれを遠目で見ながらおしゃべりしている。

野菜の用意はできてるし、各種トッピングもそろえた。

卵にすき焼きのタレを合わせた、すき焼きという新たな食べ方やカレー粉をいれて味変する食べ方も魅力的である。

ということでミニ太郎を作っていろんな味で食べてみようという風になっている。

野菜は各自好きな分だけ入れるなど野外ならではのビュッフェ形式。


麺とスープを受け取ったらあとは好きな盛り付けができる夢のような空間である。

そんな話を聴いたものだから鈴木君は興奮しっぱなしである。

腹がはち切れてかまわないという堅い意志が見えるのは気のせいだろうか。

あのパリピ王は釣りなんてしてないでチチクリぱーりぃーしてるんじゃないだろうな!と僕の個人的な嫉妬心ではあるがそれにしても全然帰ってくる気配すらないのだ。


後は火の番をしながらという感じになったけど・・・。

「佐々木君おねがいだ!スープを分けてくれ!」

と必死な野口君はどうしたのだろうか。

「野口君どうしたの?」

「僕の完璧なスープのあじが変なんだ!」

といわれたのでどれどれと小鍋の様子をみると

ああ、これは背油引き上げなくてギトギトスープになってるのか。

僕は背油をすくいまくって何とかなったがまあ脂っぽい・・。

「野口君のスープなんとかなったけどこれでどう?」

「佐々木君ありがとう!いい感じだよ!!」

と野口君は油っぽいスープが好みらしい

時間はかなり早いが、野口君と中川店長の勝負が始まった。

ちょっとあき始めていた鈴木君は興奮を取り戻した

山内君は鈴木君にからまれて迷惑そうにしている。

かえしは共通、中川店長麺と僕のスープVS野口君の家太郎の試食が始まった。

麺は2本ほどで系4本の麺を食べて判定するという勝負だった。

圧倒的に僕のスープがうまいぜこの野郎。


サクラエビをふんだんに使った追いエビ油という特別香味油が効いている。

こんなことをやっているのは、パリピどもが釣りから帰ってこないからである。

暇つぶしの余興だったがめちゃくちゃあついバトルになっていた。

まず試食の時点でみんな真剣にかんでいるもう100回以上もぐもぐしていた。

レンゲいっぱいのスープに麺2本の勝負の行方は―――。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。


たびたび遅ればせながらの投稿でもうしわけないです。

次の構想なんてものはない、そしてストックもなーい。

本編はノリと勢いで更新しております。

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