第23話気になる天気
決戦の時は来た!
まずはどうやって太郎を中止させてBBQに話を持ち込むかが鍵となる。
そうなると太郎を下げてBBQを持ち上げてBBQのほうがしたいぜウェーイwってなる話をしなくてはいけないのか。
僕の一縷の望みをかけた戦いが今―――。
もうすでに終わっていた・・だと・・・。
その旅のしおりみたいな分厚い冊子はなんだ?
同人即売会場かな?
「あ!佐々木君おはよう!」
分厚い紙束を手に野口君のさわやかな挨拶が響き渡った。
「これなに?」
僕は分厚い冊子を指さしながら野口君たずねたが
「え?太郎講習会のときのメモと僕の研究をまとめた、休日やるオリジナル太郎の参考資料だけど?」
ガチでした・・・。
もう僕は彼を止めることはできないようです。
降参だ、お手上げだ、もう僕には何もできない。
流れに身を任せるのが一番だということなのだろう。
この資料誰に配るんだろうとふと思うが聞くのはちょっと怖い気がする。
まさか参加者全員分に渡すとか言い出すんじゃないだろうな・。
「二人とも早いね!おはよーなにこれぇ!」
鈴木君はいつも以上にテンションが高いのだろう。
冊子を手に取りパラパラとめくっていた。
とてもテンションが高かった鈴木君の顔が次第に曇った表情をしておとなしくなってしまった。
冊子の中身がすごいこと書いてるんだろうなぁと思ったが、僕には読む勇気がない。
固まる鈴木君と嬉しそうな野口君と対照的な二人をみて僕は当日雨降らないかなぁって願うことにした。
雨天中止届この思い!
みんな来たけど僕以外の参加者に配られてた分厚い冊子とみんなの表情は面白かった。
授業中は小悪魔の誘惑にたえて何とか無事授業を無事に乗り切った。
くそっ!ヤツめノータッチなのに僕を反応させるとはやるなぁ!
なんだ、僕は仏になる修行でもしているのだろうか。
女子の制服の流行りはある。
短めが流行だとおもう、我がクラスだけはひざ下スカートときっちりベストかセーターを着こんでいる
フルアーマードなのでここだけ特殊な何かが流行っているのだろうと察してはいる。
そういうものだと思っていたがやはりちょっと自分のクラスだけとなると気になってくる。
聞いてみようかなぁってああ!そういえば僕には同学年に妹がいたんだった。
昼休みの購買戦争にまたも敗れた敗残兵はこっぺ様を握りしめ、お情けボーナスのぷっちとジャムバターを手に妹のクラスを訊ねてみた。
「ねぇ。ちょこっとだけ佐々木望海をよんでくれないかな?」
と入口で声をかければ全女子の視線が僕に集まるわけだが僕が何かしたのだろうか。
妹様も気が付いたようで、「おにいちゃん!用事あるときはメールするの常識だよ!」とプチ説教を食らった。
小規模噴火の内に対策を取らないと大噴火してしまうと僕は妹様に即謝罪しつつも僕の疑問をぶつけた。
妹様から帰ってきた回答に僕は納得したので用事は終わったとそそくさと撤退し保健室へとむかった。
妹様曰く「クラスの流行りなんだから気にしなくてもいいんじゃない?」という
クラス単位で流行りがあるのか!という衝撃的な事実を知ってしまったという感じでした。
僕がこっぺ様をもちゃもちゃしながらスマホをイジイジしている横で彼らは勉強をしていた。
授業の予習や復習じゃなくて今朝の分厚い冊子の中身のお勉強をしてたのだ。
講師である野口くん先生の有難いお話に耳を傾けながら僕はネットニュースを読み漁っていた。
太郎スタンプラリーを制覇した私が教えるおすすめの太郎店ベスト3という記事が載っていた。
全店舗にラーメン食べに行ったのか、というか全国展開してからそんなに経ってないと思うけどどういうスケジュールで全国回って食べたんだよ、明らかにライターのやらせっぽい記事である。
まあ、三流雑誌の文言にいちいち反応しては思うつぼなのだ。
読者が欲しいので話をモリモリするので信憑性が薄いがちょこっと読んでみたが、
うどん県が入ってない時点でこの記事ダメすぎるだろと僕的判断でした。
芸能人も太郎を食べに行ったところすっぱ抜かれているようだが、この情報いるか?って感じだった。
昼時に一人で太郎を食べに行くのは今をときめく話題の俳優Xその人であるとか普通に飯食いに行ってるのを記事にされても記者がストーカーじみて気持ちわるい。
そもそも、不倫というお祭りイベントがないし離婚もない芸能スクープ記者はネタを探して大げさに書きまくり世間に迷惑をかける問題児である。
ランキング上位にあるから覗いてみるがランキング上位にあるのはそんなに必要じゃない情報ばかりだった。
やはり、アングラサイトを見つけないとオカズにはたどり着けそうもないな。
男性の肉体美あふれるバナー広告を見ながら僕はため息をついていた。
せめて、ゴリゴリのマッチョの肉体にしてくれ、筋肉があるかわらなんような細マッチョの広告はさすがにないと思うんだよね。
と野口先生の授業もそろそろ終わりを迎えそうだが、鈴木君と加藤君がすごい顔してる。
いやー、太郎っておくが深いですねぇー。
週間天気予報を確認したけど降水確率0%と僕のささやかな願いを消し飛ばすほどの快晴で太郎BBQ日和は確定の様だ。
うまい太郎を作るしかない!!と腹を括るしかなさそうである。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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